世の中に対しておもしろいものを届けたい。
水村幸平
「ビームスT」の商品MDを経て、2018年にディレクターに就任。国内外のアーティストとのコラボレーションを軸に、Tシャツや展示企画を通じてカルチャーを発信。アートを日常に落とし込むプラットフォームとしてのビームスTを牽引している。
ー今回の企画は、どういった経緯でスタートしたんですか?
水村: 「ビームス」は今年で50周年になりますが、各レーベルがデカい花火を打ち上げようということになったんです。ぼくたち「ビームスT」も、大きな節目を迎えるにあたって、いつもとは違うことがやりたかった。そこで白羽の矢が立ったのが「GALLERY TARGET」でした。
ー同じく原宿に拠点を構える老舗ギャラリーですね。
水村: そうですね。過去には花井祐介さん、長場雄さん、ナイジェルグラフさんなど、「GALLERY TARGET」に所属する作家さんたちと個々に取り組みはしていたのですが、アーティストを束ねるギャラリーと一緒になにかするということはありませんでした。だけど、同じ原宿という街で、アートを媒介にして文化を共有するという共通項がぼくらにはあるんです。
ー同じ街で、同じ景色を見てきたからこそ、共鳴する部分もありそうです。
水村: とはいえ、同じアートを扱っていても、立っているフィールドがお互い異なります。「GALLERY TARGET」は正真正銘、アートビジネスの世界が主戦場になりますが、ぼくらは“ファッション”というフィルターを通してユニークなアーティストや作品を紹介している。その溝をどうにか埋められないか、自問自答していた時期もあったんです。
ーそれが今回、周年を機に手を取り合ったと。
水村: フィールドの違いは大きいかもしれません。でも、世の中に対しておもしろいものを届けたいという核となる想いは一緒なんです。それで「COMMON GROUND」というタイトルを「GALLERY TARGET」の水野さんがつけてくれて。ぼくの言いたいことって、本当にこの言葉に尽きるというか、これを聞いたときにすべてがはじまった感じがしたんですよ。
やっぱり本質の部分を届けたくて、それを老舗のギャラリーと一緒にやる。周年だからこそできる取り組みだと思ってます。側から見れば「また同じじゃん」って思われるかもしれないけど、ぼくたちからすればまったく違う。今回のために特別な作品をつくってもらって、それを展示販売して、Tシャツまで販売する。それって、いままでにない新しい試みなんです。
ー今回参加された10名の作家さんたちには「ビームス」をテーマに作品をつくってもらったんですよね。
水村: どんなアーティストを選出するかというときに、やっぱりぼくたちとゆかりのある方にお願いしたくて、今回のラインナップになりました。それぞれの作品も、いろんな切り口で「ビームス」を捉えていてくれて、バラエティに富んでいると思います。
ー見どころはどんなところにありますか?
水村: Tシャツはもちろんですが、やはり作品を見にきて欲しいですね。今回のイベントのために制作してくれて、ここでしか見られないものなので。実物の作品となると、アーティストたちの息遣いみたいなものを感じられると思うんです。それって写真には映らないし、やっぱり現場でしか確かめられない。Tシャツとして持ち帰れる魅力と、会場でしか味わえない作品の強度、その両方を体感していただけたらうれしいです。