人の悲しみに気づける人になってほしい。
―家で過ごすときのおふたりは、いつもどんな感じなんですか?
健: 朝は、寝起きで機嫌が悪いからほとんど喋ってくれない(笑)。
ー(笑)。丹さんにとって、加賀美さんはどんなお父さんですか?
丹: わりとおもしろいんだろうと思います(笑)。夜ごはんのとき、いつも変なこと言ってるし。
健: 「おもしろいんだろう」って(笑)。ほぼ毎日、夕飯は家族で一緒に食べて、団欒しています。その時間が一番よく喋るし、笑っていることが多いですね。
―お父さんが現代美術作家って、どんな感じなのか気になります。
丹: 考えたことはないですが、生まれてきたときからこの環境なので、自然に受け入れています。
健: 赤ちゃんの頃から「ストレンジストア」にも来てるし、スタジオも見てるから、丹にとってはそれが普通なんだよね。小さい頃、スタジオで作業してたら入ってきて、床に脱ぎっぱなしの靴下を見て「パパ、これ作品?」って聞かれたことがあって(笑)。
丹: あぁ、あったかも(笑)。
健: その感性を羨ましく思いましたね。小さい頃、父親の靴下を見て、ぼくはそんなこと思えなかったから。
―英才教育ですね(笑)。
健: 丹がまだ保育園に通っていた頃、送り迎えの道中で靴が片方だけ落ちてたりすると、ぼくがいちいち反応してたんですよ。「やばい、かっこいい!」って。そういうのを見て育ってるから、自然とそうなったんでしょうね。いいんだか悪いんだか分からないけど(笑)。
丹: 一緒に道を歩いていても急にいなくなったと思ったら、落ちているものの写真を撮っていたり、拾ったりしているので、いろいろ慣れました。
―このお父さんでよかったって思うときありますか?
丹: う~ん、思い浮かばない…(笑)。
健: 残念…。でも「なんでも買ってくれるところです!」とか言われたらどうしようかと思ったよ。
丹: だけど、「家族思い」なところとか。
健: (泣)。
―加賀美さんは、丹さんにどんな大人に育ってほしいですか?
健: 人の悲しみや辛さにきちんと気づける人になって欲しいですね。そうしたら優しくなれるから。あとは健康でいてくれたら何も言うことないですね。
―それが一番ですね。
健: それともうひとつ、変な男に騙されないように(笑)!