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新しいハワイアンシャツの提案。三者三様のレインスプーナー。

Reyn Spooner × JOURNAL STANDARD

新しいハワイアンシャツの提案。三者三様のレインスプーナー。

暖かな季節がやってくると、毎年着たくなる服があります。そう、ハワイアンシャツです。今年もさまざまなアイテムがリリースされていますが、迷ったときに頼りになるのが“老舗”という冠。ということで、1956年からハワイアンシャツを作り続けるハワイのブランド〈レインスプーナー(reyn spooner)〉に「ジャーナル スタンダード(JOURNAL STANDARD)」が別注をかけました。老舗ブランドが持つ貫禄はそのままに大胆なアイデアを掛け算し、ニュークラシックとして生まれ変わったハワイアンシャツ。そんなアイテムを、シャツを愛する3人の有識者に着てもらいました。

  • Photo_Kazunobu Yamada
  • Edit_Yuichiro Tsuji
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新たなレインスプーナーの誕生。

1956年にハワイで創業し、半世紀以上経った現在でもローカルたちに愛されるブランド〈レインスプーナー〉。ハワイアンシャツといえば開襟シャツというのが前提にあるなかで、ボタンダウンやプルオーバータイプのアイテムをリリースするなど、枠にとらわれない自由な発想で多くの人々を魅了してきました。そして、このブランドの代名詞として挙げられるのがプリント生地の裏地を使ったアイテム。ですが、今回「ジャーナル スタンダード」は、逆転の発想で新しい〈レインスプーナー〉をぼくたちのもとへ届けてくれました。

それがこちらのシャツ。裏地ではなく表地を使用し、あえて正統派のハワイアンシャツをつくったうえに、「ハワイアン=柄物」という概念を覆す、無地のハワイアンシャツを誕生させました。〈レインスプーナー〉の上質なものづくりはそのままに、ブランドの新たな方向性を示唆するアイテム。これから登場する3人の有識者たちは、それをどう解釈するのでしょうか?

Case_01

サイトウジュン(YOUR SONG IS GOOD)

レーヨン100%の生地を使用した落ち感のあるハワイアンシャツ。ゆとりのあるボックスシルエットと、とろみのある滑らかな肌触りを掛け算し、極上の気心地を実現しています。ハイビスカス、パイナップル、パームツリーなど、ザ・ハワイアンシャツなトロピカルなモチーフも魅力。このアイテムをハワイアンシャツを着たバンドマンでおなじみ、YOUR SONG IS GOODのサイトウジュンさんに着てもらいました。

サイトウジュン

1973年、東京生まれ。FRUITY、SCHOOL JACKETSでの活動を経て、1998年にインストゥルメンタルバンド、YOUR SONG IS GOODを結成。かなりのハワイ好きとして知られる。

メジャーデビュー当時、YOUR SONG IS GOODは、メンバー全員がハワイアンシャツを着てステージに立っていましたよね。

サイトウ2006年頃ですね。それは、いわゆる“楽団”っぽくしたかったからなんです。いつかのハワイにあったホテルのラウンジで演奏しているような感じで。

なるほど。

サイトウYOUR SONG IS GOODは、そもそもパンクやハードコアから強く影響を受けたところがスタート、かつベースになっているんですが、一方、リスナーとしてたくさんの音楽を聴くなかで、バンドメンバーがみんなお揃いの服を着て写っているレコードのジャケットに出会ったりするんですよね。そういうバンドへの強い憧れもずっとあった、と(笑)。

楽曲しかり、ヴィジュアルしかり、ということですか?

サイトウそうですね。パンク、とくにアメリカン・ハードコアのあの郊外のキッズの普段着のままステージに上がる感覚は最高でしたが、一方で、また楽団モノに見られる過剰にドレスアップされていることによって生まれるある種のキッチュな面白さにも惹かれていました。音に関しても、どっちも好きでしたね。

もともとハワイが好きだったんですか?

サイトウいわゆるハワイのイメージ、トロピカルなイメージに惹かれてたんです。きれいなビーチ、ヤシの木、ダイアモンドヘッド、エキゾチックな音楽、TIKIカルチャー、そしてハワイアンシャツなどなどですね。そういうのをひっくるめて、ハワイっていいなぁ、と。ただ、当時はまだ行ったことがなかったので、あくまでイメージ先行(笑)。で、行ったらドハマりして。

いまではすっかりハワイ好きとして認知されていますね(笑)。

サイトウありがとうございます(笑)。はじめて訪れたのは、遅ればせながら2010年で。それ以来、ほぼ毎年訪れています。最初はがんばって年に2回行ってた時期もありました。ちなみに、ついこのあいだも行ってきました(笑)。

ハワイの空気を肌で感じて、なにか変化はありましたか?

サイトウいわゆるハワイアンをバンドで演奏するってことではなく、何度か訪れるうちに、ハワイ特有のムードというか、あのトロけるような感覚をバンドの音に取り込みたいなと思うようになりました。ただし、パンク・ハードコアが出発点なので、そのテンションをどうユルめていくかっていうことで、かなり時間はかかりましたが、最近は良い線いってると思います(笑)。

活動の途中から“全員ハワイアンシャツ”というのは封印されました。それはどうしてなんですか?

サイトウたいした理由はないんで恐縮なんですが、たぶんその当時、途中でめんどくさくなっちゃったんです(笑)。ちなみに、自分は去年からハワイアンシャツ着てライブしてるんですよ。

ライブではないとき、普段の生活でも着ることはありますか?

サイトウ普段も着ます。いま20枚くらい家にあって、ハワイへ行くと旅の思い出として買うようにしています。ちなみに〈レインスプーナー〉ももちろん持ってます。それこそ、メンバー全員ハワイアンシャツの時期はみんな〈レインスプーナー〉のときもありました。

え、そうなんですか?

サイトウバンドでハワイアンを着ようかってなったタイミングがちょうど寒い時期で(笑)。これが探しても全然見つからなかったんですよ。それで困っていたら、たまたまメンバーの家の近所にあった古着屋に〈レインスプーナー〉がたくさんあって。「これ裏地なんですか?」って聞いたら、お店のマスターに「そう、これは〈レインスプーナー〉って言うブランドなんですよ」って教えてもらったのが出会いですね。ハワイアンといえば開襟シャツのイメージだったから、B.Dシャツやらプルオーバーがたくさん置いてあって、なるほどハワイアンシャツにもいろいろあるんだな、と勉強になりました。

今回の「ジャーナル スタンダード」別注のハワイアンシャツは、着てみていかがですか?

サイトウ肌触り、気心地、ともに最高にいいですね。絶妙な軽さがあって、ストレスがないです。今回のアイテム、すべての柄を試着してみたんですけど、この帽子に合うものとなったときに、このパイナップルが一番合いました(笑)。

サイトウさんがハワイアンを着る際に気をつけていることや意識していることなどはありますか?

サイトウけっこう前のことなんですが、ローカルのお店のおじさんに言われたことがあるんです。なんの気もなしにジャストサイズのシャツを手に取ろうとしたら「ハワイアンシャツは肩を落として着るもんだ。デカいサイズを選べ」って。なるほど、これが流儀なんだと思って、せっかく教えていただいたので、それを実践しています。

あと、ハワイアンシャツとは長い付き合いをしたいとも思っています。これも向こうでの話になっちゃうんですけど、ある日ビーチで夕日を眺めながらくつろいでいたら、ローカルのおじいちゃんがヨレヨレのハワイアンシャツを着てスクーターに乗って颯爽と現れたんですよ。その姿がとにかくかっこよくて。日焼けして、シワシワで、めちゃくちゃ似合ってました。年齢とか関係ない服なんだな、とハワイアンシャツの懐の深さのようなものを感じました。

ハワイの人たちにとってハワイアンシャツは正装。つまり、スタンダードな服ということですね。

サイトウそうですね。そういう奥深さがありつつ、自分的にはやっぱりハワイアンシャツを着ると、とにかく楽しい気持ちになるんです。お気に入りのTシャツを着るのとは、またちょっと違う気持ちの高揚感を感じるんですよ。ちょっと体が浮く感じ。今回の〈レインスプーナー〉もそのムードを感じられるアイテムになってますね。着るだけで楽しくなる。そういう服ってなかなかないですよ。

Case_02

小林 新(スタイリスト)

〈レインスプーナー × ジャーナル スタンダード〉ハワイアンシャツ 各¥10,000+TAX

続いて登場するのは、柄を一切省いた無地のハワイアンシャツ。無地はハワイアンじゃないんじゃないか? という疑念が心に浮かぶかもしれませんが、〈レインスプーナー〉がつくるからこそハワイアンとして成立するのです。生地は先ほどのアイテムと同じくレーヨン100%なので、着心地抜群。このソリッドなアイテムを着てくれたのは、スタイリストの小林 新さん。どんなスタイルを披露してくれるのでしょうか?

小林 新

1978年生まれ、神奈川県出身。2006年に独立。雑誌、ミュージシャン、広告のスタイリングを中心に手がける。アメリカもののアイテムに造詣が深く、男女問わず多くの人からの支持を得る。

ハワイアンシャツは何枚くらいお持ちですか?

小林2、3枚かなぁ? そんなに多くはないかもしれません。その中の1枚はヴィンテージの〈レインスプーナー〉ですね。

今回のシャツ着てみていかがですか?

小林単純に気持ちいいです。夏はこういう服が着たいですね。ようやくいまの年齢になってハワイアンが着れるようになった気がします。

というと?

小林若いうちはなんかまだ身の丈にあってないような気がして、なんだか気が引けてしまったというか…。こういう服はおじさんが着て、渋く見えるからかっこいいのかなって思います。ようやく自分もそういう年齢になってきたのかな、と。

小林さんは開襟シャツをよく着ているイメージがあります。

小林それ去年も言われましたね(笑)。でも、実際そんなに着てないと思うんだよなぁ…。むかしはよく着てましたけどね、古着の開襟シャツとか。そのイメージがまだ残ってるのかもしれませんね。

ハワイはよく行きますか?

小林撮影をしに行くことはよくあります。去年も2回行きました。たとえ仕事でもやっぱりテンションが上がりますね。撮影が終わって、ビーチでのんびり過ごす時間が好きです。

買い物とかはあまりしないですか?

小林家族に頼まれたものを買ったりとか、最近はカカアコというエリアが盛り上がっているらしくて、去年はそこにも行きました。ウォールアートや小さなお店がいくつもあって、ユニークでしたね。あとは、「フィッシャー・ハワイ」という文房具のお店で買い物したり。それくらいですね。

現地の人はやっぱりハワイアンシャツを着ていますか?

小林制服で着ている人がほとんどなのかもしれないけど、やっぱり着ている人は多いですね。ファッションというよりは、気持ちを引き締めたり、襟を正すようなイメージで。

小林さんご自身はどういうときにハワイアンシャツを着ますか?

小林年に何回か、ハワイを含む南国的な場所に行くことがあるので、そこで着ますね。でも最近は和柄のシャツとか着たいなぁって思いますね。一見するとどんな柄なのかわからないんだけど、よく見ると浮世絵とかが隠れているような。おじさんがそういうのを着るとユーモアがあっていいような気がするんです。

ハワイアンシャツに限らず、小林さんのシャツに対するこだわりを教えてください。

小林着ていて窮屈なものはあまり着ないです。着た瞬間はいいんだけど、長時間身にまとっていると、疲れるしストレスを感じるので。そういう服は手に取る回数が減ってきますよね。だから着心地というのはすごく重要です。あとは素材かな。やっぱり肌触りがいいものに魅力を感じます。

今回の〈レインスプーナー〉はいかがですか?

小林すごくいいですよ。着心地がいいし、レーヨンだから肌触りもいい。デザインに関しても、首回りのVラインが開きすぎてなくていい感じです。今日はシンプルにまとめたけど、スカーフとか巻いてもいいかもしれない。あと無地っていうのもうれしい。普通に欲しいですよ、これ。ハワイアンシャツは正装だから、夏場のウェディングパーティーとかで着たいですね。ボトムはスラックスを合わせて、足元はローファーなんかを履いたりして。

最後に、今日のスタイリングについてポイントを教えてください。

小林最近、原点回帰ではないけど、もう一度ベーシックなスタイルを見直したいなと思っているんです。ユニフォーム感のある着こなしというか、無地のTシャツにジーパンとか、引き算を楽しみたい気分になっていて。1周まわって、こういうのがいいなって思えるようになってきたんです。だから今日もそれを意識しました。

Case_03

トロピカル松村(編集者 / トロピカルレコード オーナー / DJ)

最後に紹介するのはコットン×レーヨンのハリのある生地で仕立てたハワイアンシャツ。とろみのある生地とは違って、程よいコシが背筋をピシっと伸ばしてくれます。どこかサーフカルチャーを想起させる柄もポイントです。これを着てくれたのは、自らをタイムトラベラーと称して1970~80年代のスタイルを標榜するトロピカル松村さん。オールドスクールなサーフスタイルに注目ください。

トロピカル松村

1988年生まれ、兵庫県出身。普段は編集者として忙しい日々を過ごしながら、1970~80年代のライフスタイルを体現するタイムトラベラーとしても活動を行う。当時のサーフやディスコカルチャーはもちろん、古着への造詣も深い。

松村さんはタイムトラベラーとして、1970~80年代のスタイルを完全に体現していますね。

松村中学生のときにサーフ映画の『ビッグ・ウェンズデー』を見たのがきっかけです。酔っ払いのサーファーが、赤いブロックチェックのネルシャツに汚いジーンズを合わせて海に向かうスタイルに惹かれたんです。

中学生で『ビッグ・ウェンズデー』に影響されるなんて、渋いですね。

松村「サーファー=ビッグ・ウェンズデー」という方程式がぼくの中で生まれて、はじめてサーフィンをしに海へ行ったときもそんな格好だったんです。忘れもしませんね。当時高校1年生で、四国の海にたどり着いたら、みんな現代的なサーフスタイルなんですよ(笑)。

かなりのギャップがあったと(笑)。

松村そのときぼくを海に連れていってくれたおっちゃんたちも、運転中にイーグルスやスティーブ・ミラー・バンドを聴きながらガラムをふかすような先輩たちだったので、自分のスタイルが完全にスタンダードだと思っていたんです。だから、海に到着してカルチャーショックを受けました。「なんやこいつら」って(笑)。

ハワイへの憧れも生まれたりしたんですか?

松村もちろん、ずっと憧れてました。やっぱりサーフィンといえばハワイですから。去年、小学生の頃に訪れて以来、かなり久しぶりに行く機会があって、現地の生活を堪能してきました。空港に降りると、職員の女性が〈レインスプーナー〉にスラックスを合わせていて、それがめちゃくちゃカッコよくて。しょっぱなから感動しました。オールドハワイが残ってるんですよ。

やっぱり、心惹かれるのはクラシックなものなんですね。

松村もちろんそうでないものもたくさんあるんですけど、やっぱりオールドハワイを探しちゃいます(笑)。ダイアモンドヘッドや町のヴィンテージショップ、アロハスタジアムのマーケットも古臭くて最高なんですよ。

松村さんが古いものに惹かれるのはどうしてなんですか?

松村オリジナルに惹かれるんです。オマージュ、インスパイア、テイストっていう言葉にあまり魅力を感じなくて、だったら自分の個性を武器に新しいものをつくって欲しい。オリジナルのものには旨味があって、ぼくはそれを噛み締めたいんです。古いものって全部オリジナルじゃないですか。だからぼくは好きなんです。

今回の〈レインスプーナー〉はいかがですか?

松村旨味、ありますよ(笑)。〈レインスプーナー〉って裏地を使うことで有名じゃないですか。でもあえて表地を使っている大胆さにぼくは惹かれます。柄自体もクラシックでかっこいいですし。それこそ、70年代のこなれたサーファーがこういうアイテムを着ていました。ぼくの中では「レインスプーナー=ラハイナセーラー(ブランドを代表する柄)」だったんですけど、それとは一味違ったかっこよさがありますよね。

〈レインスプーナー〉というブランドへの想いはありますか?

松村〈レインスプーナー〉ってハワイアンシャツの代表だとぼくは思うんです。ぼくが好きな昔のサーファーたちもこのブランドを着ていたし、ファッション業界の先輩方もきっとハワイアンシャツといえば〈レインスプーナー〉と思っている人が多いと思いますよ。ブランド創立から変わらないものづくりをしていると思うし、このアイテムが70年代のものだと言われても違和感がないですもんね。

最後に、ハワイアンシャツを着るときに松村さんが意識することを教えてください。

松村カジュアルなときは、中に〈タウン アンド カントリー〉のTシャツを着るように意識しています。それにデニムのホットパンツを合わせるのがバタくさくていいんですよ。

バタくさい?

松村バターくさいっていう意味です(笑)。西洋かぶれしている、つまりアメリカっぽいってことなんですけど、1970~80年代初頭のスタイルってみんなバタくさいんです。古臭さと野暮ったさが共存してて、そういうのを体現したいですね。

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