カーリーの服で気持良いを身に纏う。

デザイナー伊藤（以下、伊藤）70年代テイストのクラシックなダウンベストを古着で探していたのですが、最近はめっきり少なくなってしまい理想的な一着が見つかりませんでした。そこで、自分でつくってしまおうと思いたち、このベストを企画しました。

伊藤フロントジッパーすら排したシンプルなデザインに仕上げました。そのため、コーディネートも脱ぎ着もしやすいのでタウンユースに最適です。

伊藤世界でも珍しい超ハイゲージの機械を使い、細い糸を高密度に編みこんで作られています。それにより、薄手なのにハリがあり、伸縮性に優れた機能的な生地を実現しています。

伊藤テーラードジャケットなど、綺麗めなアイテムにあえて合わせてみるのも面白いと思います。ツィードのようなトラディショナルな素材なら相性もいいと思います。

伊藤見た目はトラッドなツィード生地そのものですが、着心地はソフトでスウェットそのもの。それでいて、スウェットよりもハリがあってしっかりしているので、セットアップに最適だと思いました。

伊藤フロントを3つボタン段返りにして、アイビーっぽい雰囲気を狙いました。このようなボリューミーな生地だと膨らみが出すぎることがありますが、ラペルが綺麗に返るように型紙を工夫しています。

生地を編み立てた後に、裏側に起毛をかけて保温性を高めつつ肌触りを良くしてているんです。伸縮性の高さと相まって、とても快適だと思いますよ。

伊藤〈カーリー〉では、カットソーでトラッドなアイテムをつくることを目指していたため、あえてスポーティなジャージを作るのを避けていました。しかし、本来は得意分野。ブランド10年目にして、満を持してリリースしました。

伊藤まず上質な素材感を出すために生地の開発から始めました。できるだけ光沢を抑えることで、落ち着いた雰囲気を生み出しています。また、トップスをボックス型のシルエットにしたり、パンツのラインを途中で止めるなど、従来のジャージーにはないディテールワークをほどこしています。

伊藤素材、シルエット、ディテール、すべてにおいて、普通のジャージーと一線を画す大人っぽさを狙っています。シャツやレザーシューズを合わせて、綺麗めに着こなすのもオススメですね。

伊藤女性が着用しているケープやポンチョをメンズっぽくアレンジしたいと思い、このデザインにたどり着きました。フードやフロントボタン、カラーリングなどで男っぽさを演出しています。

伊藤直線的な型紙を使いながら立体感のあるシルエットをつくるのが難しかったですね。ハリのある生地だけにシルエットが出やすいので、余計に気を使ってパターンを作りました。

伊藤アウターとしての保温性や防風性に加えて、軽さや伸縮性も備えています。バッグの上からも羽織れるゆとりのあるサイズ感ですし、フロントボタンのみで着脱もしやすいので、実用的に着て欲しいですね。

伊藤発色の良いタートルネックやモックネックのニットなど、クラシックなインナーを合わせるとメリハリのあるスタイリングになるでしょう。フロントを開けたり、半端丈の袖からニットをのぞかせれば、レイヤードスタイルも楽しめます。実際に着てみると、“意外にイケるな”と思うはずです（笑）。

伊藤ウールを圧縮して仕上げた生地なのですが、軽くて伸縮性があり着心地がソフトな点が魅力です。リング糸を使って編み立てているのですが、それによって生まれる独特な凹凸感もこのコートに味わいを加えています。

伊藤ラペルの折り返しが綺麗に出るように工夫しています。また、防風性を高めるために袖口にリブをつけたり、全体をシンプルに見せるためにシームポケット仕様にするなど、機能的かつ洗練された印象になるように細部を検討しました。

元々、セットアップに合わせるコートを想定してデザインしています。そのため、ブラックならオンスタイルにもハマりますし、キャメルならデニムにテーラードジャケットなどを合わせたカジュアルなスタイルにも最適です。前合わせが深めなので、フロントを開けるとゆったり、閉めるとすっきりしたシルエットになり、変化のある着こなしも楽しめます。