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いまの空気感を的確に捉えた 417 エディフィスの強い個性。

Personality of 417 ÉDIFICE.

いまの空気感を的確に捉えた 417 エディフィスの強い個性。

ずらりと並ぶ国内外の実力派ブランドや時代の空気を的確に孕んだオリジナルプロダクト、果ては通も唸らすキックスまで、「417 エディフィス(417 ÉDIFICE)」に詰まった情報量はハンパじゃない。店内を進むたびに現れる名品や珍品たちは、ぼくらに宝探しをしているような気分にさせてくれる。ハイセンスなセレクトショップがひしめく中でも、なぜ、「417 エディフィス」はこれほどに強い個性を放っていて、洒落者たちを惹きつけるのか。その成り立ちといまの動向に見る、気鋭ショップのバックボーンとは。

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山口 隆亮( 417 ÉDIFICEバイヤー)

「エディフィス」で6年間、「417 エディフィス」で1年間販売員を経験後、現職に。趣味は登山にスケート、ロッククライミングなど多岐にわたり独自の情報ルートを持つ。

阿部 聖也(417 ÉDIFICE / PULPプレス)

2016年入社。417 EDIFICE1年半、PULPで1年の販売員を経験後、両ブランドのプレスに。ベイクルーズ最年少メンズプレスとして活躍中。

早速ですが、「417 エディフィス」がスタートした経緯や背景を改めて教えてください。

山口一番最初は、エディフィスのディフュージョンラインという形で始まりました。最初はショップじゃなくて、エディフィスの中で展開してる1カテゴリとして。そんなところから始まったんですが、それがお客さんにすごく好評で、「もっと広げられないかな?」っていう声が上がって、1号店を作る方向に話が進んでいったんですね。それが2009年のこと。だから、来年の9月で10年が経ちます。

元々は独立したお店じゃなかったんですね。

山口はい。ぼくはその時まだ入社もしてなかったんですけど、そこに“417”というラインを作って、面白いアイテムをエントリープライスで展開してみよう、っていうイメージだったみたいです。

じゃあ、最初417はセレクトショップという形態ではなかったんですね。

山口最初はオリジナルだけでした。シャツやチノパンとかスタンダードなアイテムで。チノパンが三種類あって、シャツがオックスフォードとブロード、デニムというのが一番最初のラインナップだったそうです。めちゃくちゃストイックですよね(笑)。

今更ですけど、ショップ名の“417”って何なんですか?

山口「417 エディフィス」は、新宿店が1号店なんですけど、そこの住所が新宿区4丁目1の7なんですよ。4と1と、7。それで“417”です。

すごいシンプルなネーミングですね(笑)。

山口そうなんです(笑)。ショップのコンセプトをつくっていくとき、キーワードとして“街中”っていうイメージがあったから、どうせなら店も住所も見せておきたいな、と。

新宿店が最初だったんですね。今日は渋谷店でお話を聞いていますけど、ここは先日リニューアルをされたんですよね?

阿部そうですね。1番大きく変わったところは、増床したことです。ちょうど、ぼくと山口がいま座っているこのあたりには、元々壁があったんですよ。そこが元々バックヤードでストックだったんです。その分のスペースを店頭として広げました。

あれ? バックヤードはどこにいっちゃったんですか?

阿部それまではうちの「スローブ イエナ(SLOBE IENA)」っていう、レディースブランドが入ってたんですけど、それが移店するタイミングで、417のショップを広げられたんです。だからちゃんとバックヤードも新しくつくってありますよ(笑)。

山口スペースが広がったことで扱える商品のバリエーションが増えたのと、渋谷店にはなかった「フィック(FIC)」っていうスニーカーをフィーチャーするラインが新しく加わりました。

阿部入り口近くにあるポップアップスペースでは、古着の名店「ダメージドーン」との取り組みも今後は展開していきます。あえてエントランスに近いところにFICのコーナーを設けたのは、歩いている人がお店に入るきっかけになったらいいなと考えたのが一因です。

なるほど。今度はセレクトしているブランドやアイテムについて教えてください。

山口面白いブランドがたくさんあるのですべて話すのは難しいんですけど、仕入れ担当として個人的に1番思い入れが強いのは、〈ニードルズ〉や〈エンジニアドガーメンツ〉とか、「ネペンテス」のブランドなんです。前のバイヤーもぼくもずっと「良いよね」って話をしてて。最近では〈AIE〉も扱っていますし。

ショップの黎明期からセレクトしている〈ニードルズ〉のニット。レオパード柄のモヘア素材という、らしさ満点の1着。

ラックに掛かっていても目を引くブランドですよね。

山口そうですね。〈クレプスキュール〉のニットも7、8年継続して扱ってるんですけど、すごく人気です。

今季クレプスキュールに別注したカーディガン。定番の鹿の子編みのカーディガンを3つエクスクルーシブカラーで展開している。

山口最近で言えばやっぱり〈ダイリク〉も人気ですね。今年の夏前くらいから関西の方で話題になり始めてたんですけど、僕もそれが気になってて。それで今季から取り扱いが始まりました。

新進気鋭のダイリクのカバーオールはブラックデニム製。正統派ワークウェアのムードを醸しつつ、モダンなアレンジがなされている。

デザイナーさんもすごく若いし、いま勢いのある注目株のひとつですよね。実際にお店を拝見しましたけど、セレクトしているブランドの中でも別注アイテムがかなりありますね。

阿部多いですね。今年の秋冬からは別注企画もほぼすべて山口が考えてるんですけど、バリエーションの幅が広いのが「417 エディフィス」の強みだと思います。

山口頑張りました(笑)。

阿部別注だけのカタログを作ったりしているぐらいですしね。

今季の別注で代表的なものをいくつか教えてください。

阿部今挙げた以外でも、〈グラミチ〉〈チャンピオン〉〈ディッキーズ〉〈リー〉〈ワイルドシングス〉〈アンブロ〉〈オルテガ〉〈ペンドルトン〉〈ナンガ〉〈ジェリー〉など、むちゃくちゃありますね(笑)。

山口〈ダイリク〉はポップアップをやらせて頂いたんですけど、そのときにTシャツを別注しました。

阿部イベント別注のロンTは初日で完売してしまって。並びが出て今季で1番大変でしたけど(笑)、嬉しかったですね。

「417 エディフィス」がちゃんとエッジの効いたブランドをフィーチャーしていて、感度の高い人たちが反応してくれてるっていうのはすごく素敵ですね。

山口ありがたいですよね。

ちなみに、セレクトで特に長く扱っているブランドは?

山口一番長いのものだと〈ザ・ノース・フェイス〉や〈チャンピオン〉ですね。特にノースは常設みたいな感じで展開しようと思ってたんですけど、こんな加熱具合になっちゃって。入荷してもすぐになくなっちゃっうし、全然常設できないじゃんみたいな(笑)。ありがたい話ではあるんですけどね。

そうなる前からセレクトしていたっていう意味では、先見の明があったっていうことですよね。

山口ぼくは、アウトドアが好きで山にも上るんですけど、そのときは全身ノースなんですよ。昔から。

正直、思っていた以上にラインナップの幅と掘り甲斐があってびっくりしてます。

山口「417 エディフィス」は元々「エディフィス」出身の人たちの中でも特に服好きな人たちが集まってやっているので、色々と面白そうなことをやってるんですけど、如何せん服を考えてつくる方が得意で、外に発信する人間があんまりいなくて(笑)。

それで阿部さんが専任のプレスになったわけですね(笑)。

阿部そうですね。

山口阿部がプレスになったことで発信するためのネタも仕込みやすくなりました。前回の2018年春夏で、静岡の「THE FASCINATED」と一緒にサボテンのポップアップイベントをやったんですよ。そのサボテンをグラフィックに落とし込んだTシャツも作ったんですけど、それもすごく評判が良かったです。そういう新鮮味のあるイベントはこれからも継続してやりたいです。

阿部今月から始まる「ダメージドーン」との取り組みっていうのもそれの一環ですよね。同じ服でも、新品と古着っていう近くて遠い存在だったので。

面白いですね。お店の全貌は見えてきたんですけど、もっとふざけた話が入ってきても良い気もします。417が真面目すぎるお店だと思われちゃいます(笑)。

阿部いや、割と……(笑)。

山口真面目なんですよ(笑)。

逆にいままでボツになった企画はないんですか? あるいは誰にも伝えずてないけど、やってみたい企画とか。

山口諦めてないっていうので言うと、ぼくは小松菜奈さんが大好きなので、フォトTを作りたいんですよね。

…確かにそれは面白いですね(笑)。

山口小松菜奈のフォトT、良いですよね!? いろんなハードルがある気はしますけど(笑)。

実現したら正直欲しいですね。

山口ですよね? そんな風に楽しみながら実験的な企画をやっていけるのも、「417 エディフィス」の良いところだなと思ってます。

阿部上手くまとまりましたね(笑)。

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#417 EDIFICE
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