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FEATURE|群雄割拠のダウン戦国時代を生き抜くナンガの独自性とは。

群雄割拠のダウン戦国時代を生き抜くナンガの独自性とは。

Superb NANGA

群雄割拠のダウン戦国時代を生き抜くナンガの独自性とは。

1941年に羽毛の町から生まれた寝袋メーカー〈ナンガ(NANGA)〉は、今では寝袋だけにとどまらず、日本随一のダウンブランドと認知されてほど。その高い機能性は多くのデザイナーたちを虜にし、蒼々たるブランドやショップとの別注モデルも展開しています。そしてMADE IN JAPANという最高のクオリティーでファンを魅了しながらも、今季はあえて逆輸入ともいえるUS規格のモデルをリリースしました。アイススケートリンクでプロダクトを撮影した銀世界のフォトストーリーと、〈ナンガ〉に魅せられた二人の証言からその魅力へと迫ります。

  • Photo_Yuya Wada
  • Styling_Keisuke Kinoshita
  • Text_Yasuyuki Ouchi
  • Edit_Shinri Kobayashi
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ナンガに魅せられた二人のデザイナー。

〈ナンガ〉をひもといていくと、3つのキーワードが見えてきます。一つ目が「国内洗浄にこだわった羽毛」。使用するすべての羽毛は、羽毛加工メーカーとして名高い河田フェザーで洗浄加工されています。二つ目が「熟練された職人による製造」で、羽毛の吹き込みや縫製など、ひとつひとつの工程を丁寧に行うことで安心安全な製品を造り上げています。三つ目が、寝袋に限ってですが、驚きの「永久保証」です。寝袋の修理であれば基本的に無償で受けているというその品質へのこだわりが伺えます。そんな日本製にこだわる〈ナンガ〉が手掛けた数多ある別注のなかでも、毎シーズン好評を博しているのが「アーバンリサーチ」と〈エフシーイー〉のエクスクルーシブモデルです。そこで両レーベルのキーマンである〈アーバンリサーチ ドアーズ〉のシニアチーフデザイナー西川さんと〈エフシーイー〉のディレクター山根さんを直撃。お二人に〈ナンガ〉の魅力を伺いました。

Profile

山根敏史

山根敏史(F/CE. ディレクター・NORDISK CAMP SUPPLY by ROOT ディレクター)

某アパレルブランドにてデザイナーとしてキャリア積み、その後米国クロックスの日本支社創立に参画。 2010年にOPEN YOUR EYESを設立し、同年F/CE.®も創設。2017年にはNORDISK世界初となるコンセプトストアNORDISK CAMP SUPPLY STORE by ROOTをオープン。またバンド・toeではベーシストとしても活躍中。

西川茂樹

西川茂樹(URBAN RESEARCH DOORS シニアチーフデザイナー)

アーバンリサーチの中でも、ファミリー生活を堪能する人たちを対象にライフスタイルに関する衣食住遊を積極的に開発するブランド、アーバンリサーチ ドアーズの仕掛人。ナンガをはじめ、様々なブランドとの別注アイテムも数多く手掛けている。今季はバージョンアップした定番の「AURORA」と新たなに「STORM」の2型を展開。

MOUNTAIN BELAY COAT ¥76,000+TAX

ポーリッシュホワイトグースダウン200gというかつてない高スペックを誇る、ナンガの中で最も暖かいダウンコート。
表生地にストレッチナイロンを採用し、袖をラグランスリーブにすることで、防風・防水性と抜群の動きやすさを実現。

まずは〈ナンガ〉に別注することになった経緯から教えてください。

山根敏史(以下、山根)もともとキャンプが好きで、〈ナンガ〉の寝袋を使っていました。はじめは国産でこんなに品質の良いものを作るメーカーがあるのか!という印象でしたね。7年くらい前にある人にその話をしたら〈ナンガ〉を紹介してくれて、社長と意気投合しそのまま飲みに行きました(笑)。そこで構想していたジャケットを作りたいという相談して、別注が実現したというのが経緯です。

西川茂樹(以下、西川)今季で10年目の別注になるのですが、当時の弊社の部長が〈アーバンリサーチ ドアーズ〉でシェラフを取り扱わせて欲しいと〈ナンガ〉に伺う機会があり、その際に「ウエアも一緒に作ってもらおう」とドアーズのウエア企画を担当している僕に声をかけてくれたのが、別注させていただいた流れです。当時は〈ナンガ〉もウエア作りを始められてまだすぐの時期でしたので、社長が自ら裁断されていたのを覚えています。

AERIAL DOWN VEST PACKABLE ¥30,000+TAX

コールドスポットを最小限にするため羽毛量に合ったキルトの太さを採用し、脇や袖口は外気を遮断する作りに。
春から秋の登山のアウター、冬キャンプのインナーとしても使用できるポケッタブルベスト。

共作をはじめたことで、〈ナンガ〉について改めて感じたことはりますか?

西川機能性の高い国産シェラフのメーカーで、〈ナンガ〉というブランド名は以前から耳にしていましたが、ウエアの別注をさせてもらい、改めてそのクオリティの高さに驚きました。僕も年に数回、家族で3000m級の登山をしていてテント泊をするのですが、5年ほど前から家族全員が〈ナンガ〉のシェラフを愛用していますね。

山根初めて工場に行ったときは、これほど高い技術を搭載した寝袋が作れる上に、海外ブランドのジャケットも手がけていたので、私の構想していたモデルもカタチにできるなと確信しました。今でも工場には年に1~2回必ずお邪魔して打ち合わせをしていますね。現場で生まれる技術などもたくさんあります。

AERIAL DOWN PARKA PACKABLE ¥38,800+TAX

前出した「AERIAL DOWN VEST PACKABLE」同様の機能を装備しながら、フード口にもシャーリングゴムを採用することで高い保温性を実現。
厳冬期のミドルレイヤーや秋のハイキングに最適なモデル。

デザイナーという作り手から見たで〈ナンガ〉のスゴさとは何でしょう?

西川もともとがシェラフメーカーですので、やはりダウンの質へのこだわりが非常に強いところではないでしょうか。10年以上も前から国内洗浄のダウンのみを使用していますし、〈アーバンリサーチ ドアーズ〉のダウンも同様で、安心かつ質の高いダウンのみを中綿に使っていただいています。

山根そうですね。国内で品質を徹底管理し、羽毛原料のこだわりも半端なく追求されていて、とても信頼できます。またコールドスポット(暖気がどうしても逃げてしまう縫製部分)に対しての処理や考え方も、寝袋の経験があるからこその技術だと思います。デザイナーって側(ガワ)を考えるのはもちろんですが、そういった見えないところのクオリティを維持してくれる工場とパートナーシップを組むことにより、製品価値が何倍にもなると考えていますので。

そういったシェラフメーカーとしての背景が、他のダウンウエアブランドと一線を画す要因なのですね?

山根はい。寝袋メーカーだからこそのコールドスポットに対する考え方は尊敬しています。これは普通のジャケットメーカーにはできないのではないでしょうか。

西川前述したダウンそのももの質の高さに加え、シェラフブランドならではの軽くて質の高いウエアの作り方も非常に上手いですよね。それこそが〈ナンガ〉ブランドの魅力になっていると思います。

MAZENO RIDGE VEST ¥34,000+TAX

シレ撥水加工を施した表地と止水のファスナーにより雨水からの濡れを軽減。
脇廻りや裾口には収縮可能なゴムを採用することで外気を遮断。
深い胸ポケットやハンドウォーマー装備の腰ポケット、さらには内ポケットと高い収納力も魅力。

そして、今季、逆輸入ともいえるUS規格のモデルがリリースされました。これら一連のモデルについて、(写真を見て)いかがでしょうか?

西川実際商品を手に取ってみてはいないのですが、トレンドや今っぽいデザイン性といった小手先のモデルではなく、使うことを考え抜いて作られた商品だというの印象を受けました。 今の世の中にあまりないモデルで、ものすごくカッコいいアプローチですね。

山根私もはじめて見ましたが、〈ナンガ〉が積み上げてきたものが凝縮されたような印象を受けますね。

最後に〈ナンガ〉にメッセージをお願いします。

西川日本での物作りをされる方や工場がどんどん減ってきていますが、〈ナンガ〉はこれからもエンドユーザーの方々のためにも日本製にこだわったクオリティの高い物作りを続けていって欲しいです。

山根ダウンは特殊な立ち位置の商品で、カバンにも似て定番になりやすい商品だと思っています。ギア的な要素が非常に強く、そこに微妙なシルエットやファブリックの調整を重ね、暖かさと着心地を足していくような作業になります。今回は自社でダウンのための最適な素材を開発して作りました。 〈ナンガ〉にはいつも無理を聞いてもらっているので、感謝しています。

国内だけに留まらず、アメリカをはじめとする世界進出まで視野に入れた、US限定モデルのハイスペックシリーズというアプローチや、ブランドの世界観を堪能できるようにリニューアルされたホームページなど、その動きを活発にしている〈ナンガ〉。絶対的高品質のプロダクトだからこそ、そのメインシーズンとも言える冬に〈ナンガ〉を試さない手はないでしょう。

INFORMATION

NANGA
nanga.jp

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