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FEATURE|北海道の名店ムーンロイドが生み出し続ける、特別なウェア。Vol.2

北海道の名店ムーンロイドが生み出し続ける、特別なウェア

Keep Warm with MOONLOID.

北海道の名店ムーンロイドが生み出し続ける、特別なウェア。Vol.2

北海道のほぼ中心、当麻町という土地から高品質なレアアイテムと、尖ったスタイルを発信している「ムーンロイド」。そんな名店が数年前から東京にてポップアップショップを展開しているのをご存知でしょうか? そこに並ぶのは、同店が送り出すエクスクルーシブライン〈ナンガ ホワイトレーベル〉のアイテムたち。先ごろ盛況のうちに幕を閉じた、年に一度のこの催し。ムーンロイド代表の新明さんの言葉に見る、その開催の経緯と気鋭ブランドのアウトラインとは。

  • Photo_Masahiro Muramatsu
  • Text_Rui Konno
  • Edit_Keisuke Kimura
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ECサイトを見てから実物を見る、時代と逆行するフォーマット。

数々の別注を企画し、形にする「ムーンロイド」の代表・新明さん。

「ムーンロイド」はダウン製品をフィーチャーすることが多いですが、それはどういった理由からなんでしょうか?

新明北海道というと農業や海産物が有名ですけど、北海道発のファッションブランドを作りたかったんです。そこで、より北海道らしさが伝わる商品ってなんだろうって考えたときに“北海道に住むぼくらが作る暖かいもの”というのは説得力があるなと思いまして。それで、暖かいものの代表はなんだとなり、ダウンだろうと。

それが〈ナンガ ホワイトレーベル〉だったわけですね。ポップアップをはじめたきっかけはなんだったんでしょうか?

新明〈ナンガ ホワイトレーベル〉はECサイトで販売はしてるんですけど、現物は当麻町の実店舗にしかないんです。だから、認知度が高まってきたときに「試着して選びたい」っていう声をよく聞くようになりまして。じゃあ一度、東京でポップアップをやってみようと。そうしたら評判や反応がよかったので、毎年恒例になった感じです。今回が4回目ですね。

来場される方は「ムーンロイド」の通販で購入していた方も多いんですか?

新明ウェブを見て商品情報を頭の中に入れて「このモデルのこの色が欲しい。サイズだけ確かめたい」っていうお客さんはかなり多いです。

店舗でサイズを確認してウェブでオーダーする、という買い方が増えてる現代の流れとは逆の現象ですね。

新明そうですね(笑)。昔はウチもそういうことが多かったんですけど、今はすっかり逆のパターンになっています。

〈ナンガホワイトレーベル〉を始めた地は、
日本の観測史上もっとも寒い街。

それでは〈ナンガ ホワイトレーベル〉についても、もう少し詳しく教えていただけますか?

新明〈ナンガ〉に「ムーンロイド」が別注しているエクスクルーシブラインで、型や生地から作っているのが特徴です。あと、インラインの〈ナンガ〉で一番ダウンのロフトが高いのは860フィルパワーなんですが、〈ナンガ ホワイトレーベル〉はすべて940フィルパワーのダウンが封入されています。

通常の〈ナンガ〉も高品質で知られていますけど、それ以上に質のいい羽毛を使われてると。名前も“最強ダウン”ですしね。

新明そうなんですよ(笑)。ただ〈ナンガ ホワイトレーベル〉を立ち上げた旭川市っていうのは、日本の観測史上もっとも寒い記録を持っている街だったんです。当麻町も、11月下旬にはすでに気温が氷点下5度くらいですし、真冬の夜にはマイナス30度くらいになります。ヒゲが鼻息で凍るレベル。冗談ではなく(笑)。

当麻町の多くの人は、アウトドアメーカーのダウンを着ているんです。でも、それはあくまで山用。温度調整のためのレイヤードが前提なんです。だから、なかにフリースとかを着込まないと、風が入ったりして意外と寒い。でも、北海道の家って本当に暖かいから、ダウンの下はだいたい薄着なんですよね。なので、一枚で完結するアウターを、という想いを込めて“最強ダウン”というネーミングにしたわけです。

最強シリーズで最初に作られたのが、フロントポケットを配したオーソドックスなフーデッドジャケットである「最強ダウンジャケット type1」。ほかの2モデル同様、高レベルの防水透湿素材でありながら脅威の柔らかさと軽さを持つ「オーロラテックスライト」を使用。940フィルパワーの上質ダウンによって、Mサイズで約680gと言う抜群の軽さを実現。
¥83,000+TAX

「最強ダウンジャケット type1」以上の防風性を備える「最強ダウンジャケット type2」。シュラフなどに用いるドライチューブを、フロントに2重で設けることで、ダウンジャケット最大のコールドスポットである前身頃の保温性が飛躍的に向上。アシンメトリーなフロントポケットのレイアウトは見た目にもいい。
¥86,000+TAX

よりミニマルになった最新作「最強ダウンジャケット type3」。レトロアウトドア然としたスタンドカラーのデザインで、保温性はシリーズ屈指。水を弾いて湿気を通すウルトラドライダウンを使っているので、水濡れによる保温力低下が、従来のダウン製品に比べて格段に軽減されているのもポイント。脇下にはベンチレーションのジップを備えているので、暖かくて蒸れ知らず。
¥80,000+TAX

新明「最強」シリーズはデザイン違いで3型あります。暖かさもそうですが、軽さも徹底的に追求していまして。

「最強」シリーズは防水とも伺いましたが。

新明「オーロラテックスライト」という〈ナンガ〉さんで開発した完全防水の素材を表面に使っています。

なぜ、この素材を選んだかなんですが、雪が降ってるときに外を歩いていると、肩に雪が溜まるんです。でも、北海道って室内はとても暖かい。そのまま居酒屋とかに行くと、その雪が溶けて染みちゃうんです。だから、暖かさもそうですが、防水っていうのもぼくらの生活には必要不可欠でして。

ムーンロイドが別注だらけの意味とは。

                

〈ナンガ ホワイトレーベル〉もそうですが、そもそもなぜ、こんなにも別注が多いんでしょうか?

新明「ムーンロイド」をスタートするときに、普通の商品でお店をやっていても大手には勝てないと思いました。じゃあ、この業界で勝負していくためには何をしなければいけないか考えたときに、やっぱりどこにも置いてないものを扱うべきだなと思いまして。

新明最初はブランドを立ち上げようとも思ったんですが、そうすると特定の色がついてしまうし、寿命があるなと。別注という形だったら、時代やニーズに合わせて変化していけるのかなと思ったんです。

新しいビジネスフォーマットのようにも感じますね。だって、こんなにモノに溢れた東京で、そこまで人を惹きつけるっていうのは単純にすごいと思います。

新明最近は京都や福岡、名古屋、札幌なんかからもポップアップのお誘いをいただくようになったんです。ありがたいことなんですが、少数で会社を経営しているので、スタッフをそっちに回すと、当麻町の実店舗をクローズしなきゃいけなくなってしまう。もちろん多くの人に実物を見ていただきたいんですけど、なかなか難しくて。

気軽に手に入るものではないけど、足を運んで買う価値が“最強”シリーズにはあるワケですね。

新明観測史上最低気温の記録を持ってる場所にいるぼくらなので、信じてもらって大丈夫です。ぼくらは普段からマイナス20度の中で生活しているので(笑)。

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