フェスを盛り上げる、ローカルスタッフとの繋がり。
本イベントの魅力は何と言っても、その土地のショップスタッフたちが実行委員となり、出店ブースやコンテンツまで、彼らの発案を元につくり上げていること。
今回は、プレスの小林さん、出店ブースの1つである「レショップ(L’ECHOPPE)」のコンセプター金子さん、京都フェスの実行委員である水野さんの、それぞれ立場の違う3人からフェス開催に至るまでの話を伺いました。
Interview01_PRESS STAFFローカルスタッフが主体となった新しいプロジェクト。

小林美紀 / プレス
「イエナ」「エディフィス」などベイクルーズの基幹ブランドを抱えるルドーム社のプレスマネージャー。
このベイクルーズ フェスティバルでも、プレス代表として運営に携わる。
ベイクルーズ史上初となった全4都市でのフェスの開催は、地方活性化を踏まえたプロジェクトの一環からだと、プレスの小林さんは話します。
「会社の40周年記念もあり、地方の活性化に繋がることをやりたいと話し合っていました。エリアごとにショップスタッフの意見を聞いていくうちに、『お客様と体験型で何かやりたい!』という声が上がり、今回のフェスという形にたどり着いたんです。お客様との距離が近い方が、より自分たちらしさも出せるだろうなと」

本フェスにおいて、企画立案から当日のブース在廊まで、すべて京都のスタッフが中心となって行なっていましたが、そこまでローカルスタッフにこだわる理由とはなんだったのでしょう。
「地方のスタッフって、東京や大阪のスタッフたちより異動が少なくて、キャリアビジョンを描きにくいかなと思うんです。だからこのフェスを通して、新しい刺激を受けてほしい。モチベーションを上げるきっかけになればと思っています。みんなのこだわりが強くて色々なことがギリギリでしたけど(笑)。『10月の京都といえばベイクルーズフェスだよね』と言われるくらい、継続していきたいですね」
Interview02_BRAND CONCEPTER“再生”されたファッションを考えるきっかけに。

金子恵治 / L’ECHOPPEコンセプター
フイナムでもおなじみのセレクトショップ「レショップ」の仕掛け人。
今回のフェスは「エディフィス」と共に出店。再生をテーマにアイテムを取り揃えた。
「京都フェスのテーマである“ファッション”をぼくらなりに解釈して、勝手に“再生”というキーワードでアイテムを集めました。新しいモノを生み出していくことも必要だけど、いまあるものを活用していくのはもっと必要なのではと考えたんです」。自らしっかりとコンセプトを持ってブースに在廊していた「レショップ」の金子さん。出店が決まったのはわずか2週間前と言うから驚きです。
難航するかと思いきや、いざキーワードを意識してみるとそこには沢山の“再生”が見つかったと言います。
「〈セブン バイ セブン〉にプレゼントでもらったデニムポーチが、デニムの端切れを再構築したもので、まさに再生じゃん!となって、その場でフェス用にオーダーしたり、古着屋に行ったらお店で染めて加工してるパンツがあったり!」

「個人アカウントで宣伝しただけでもすごい反応があったなと実感してますし、気にし出したら身近なところに“再生”ってモノがいっぱいありましたね。あとはぼく自身フェスを通して、京都の人たちのライフスタイルが洗練されていることに驚きました。ファッションに、ライフスタイルが透けて見えるようで刺激を受けましたよ」
当日は〈NEAT〉のパンツが30分で完売するほどの大盛況。NEAT代表の西野さんは、昔の軍モノの生地を使って自分のデザインに置き換えたパンツも出品していました。
Interview03_LOCAL STAFF京都文化をしっかりと伝えるフェスにしたかった

水野弘之 /ジャーナル スタンダード 店長
今回の京都フェスでは、ローカル代表として指揮をとった水野さん。
地元スタッフと手を取りながら、京都ならではの会場選びや出店店舗の誘致に尽力した。
京都のフェスならではの見どころや注力した点について、リーダーを務めた水野さんに話を伺いました。
「一つに絞るのは難しいですね。相対的に見ていただけるのであればこのフェスには“衣食住美”が揃っているので、それを京都で体感してもらえるってところでしょうか。あとは小嶋商店の提灯屋さんは他にはないワークショップですよね。地元の繋がりがないと絶対に成し得なかったことだと思います」

続けて、今日に至るまでを振り返ってくれました。
「京都界隈の店舗スタッフとは年明けから月1回のペースでミーティングを重ねました。フェスが近づくにつれ、お店で働く以外での仕事の面白さを感じたり、働いている従業員の士気が高まり、横のパイプがさらに太くなっていくのを感じましたね。同時に、何かあったときは助け合える間柄だと再認識できた気がします」
ローカルスタッフを鼓舞する新しい挑戦。


ファッションを重視したイベントは多くありますが、地方活性化につながるこのフェスはまさに地元のパイプがないと作り上げることはできません。そんなローカルスタッフの尽力があってこそ、今日のいまでしか味わえないフェスをつくり上げることができたに違いありません。
そして、地方を盛り上げると言う名目のフェスでありながら、運営を任されているローカルスタッフたちの結束力をも、ぐっと高めるイベントでもあるように感じました。大手セレクトショップが、いまの時代に地方各地でフェスをやる意味はそこにもあるのかもしれません。
次の舞台は11月2日、仙台。“プレイ”をテーマにどんなフェスを開催してくれるのか。そのあとに続く福岡も合わせて期待しましょう。
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