PROFILE

左:谷尻誠
1974年広島県生まれ。2000年に「SUPPOSE DESIGN OFFICE」を設立。2014年より吉田愛と共同主宰に。住宅、商業空間、ランドスケープ、インスタレーションなど、仕事の範囲は多岐にわたる。広島・東京の2ヵ所を拠点とし、インテリアから住宅、複合施設など国内外合わせ多数のプロジェクトが進行中。
右:又吉直樹
1980年大阪府生まれ。お笑い芸人。綾部祐二とコンビ「ピース」として活動する傍ら、2015年に『火花』で芥川賞を受賞。2019年10月には、初の長編小説となる『人間』を発表した。エッセイに『第2図書係補佐』『東京百景』などがある。
社食堂が生んだ2人の接点。
ー お2人は今回が初対面になりますか?
谷尻:直接は今日が初なんですけど、又吉さんが以前、ぼくらの会社のオフィスでもある「※社食堂」に遊びに来てくださったことがあって。
※谷尻さんと吉田愛さんが共同主宰する建築設計事務所「サポーズデザインオフィス」の東京事務所に併設された食堂。自分たちで運営しスタッフが社食として使うほか、一般客も利用できる。
又吉:たしかにお邪魔しました。若木信吾さんのつながりで。

谷尻:そうでしたよね。スタッフみんなと写真を撮ってもらったそうで。その節はお世話になりました。
又吉:とんでもないです。ぼく「社食堂」もそうなんですけど、建物がすごく好きなんですよ。
谷尻:そうだったんですか。知らなかった。
又吉:子供の頃に寺社仏閣とかから入ったんですけど、大人になって、ひとが住んでる建物も好きになりまして。すべては存じ上げないんですけど、谷尻さんの「ONOMICHI U2」とかもすごく面白いですよね。
谷尻:ありがとうございます。建築のどこに惹かれます?
又吉:「住んだらどうなるんやろ?」みたいなことを考えるのがワクワクしますね。不動産情報とか、お風呂に入ってるときにずっと見てます(笑)。
谷尻:空き物件を探すのは楽しいですよね。ぼくも移動中とかにずっと見てますよ。
又吉:どうやって施工しようかっていうのも考えることありますか?
谷尻:めちゃくちゃありますね。この立地だったらこういうふうになるなとか、勝手に想像してます。
又吉:ちょっと1回飲みにいって、ぼくのイメージする内装を具現化してもらいたいです(笑)。
谷尻:ぜひぜひ。行きましょうよ。

又吉:なんかこう、自分の頭で考えていたものを設計に落とし込もうとすると、途端につまらなくなるんですよね。もっといいイメージがあったはずなのに、って。
谷尻:それはイメージを図面に書き起こすことに慣れてないだけで。ぼくは逆に文章にすることはできないですもん。