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和田彩花、はじめてのZINEづくり。Vol.01
I make latte.

和田彩花、はじめてのZINEづくり。Vol.01

誰もが自分の思想や趣味嗜好を、思い思いのカタチで表現し、発信できる現代。その中にあってアナログ回帰と自由度の高さから注目されている表現手段が“ZINE”。要は、個人の趣味でつくる本のこと。その歴史は古く、一説には18世紀に遡るとか。そんな歴史あるカルチャーの扉を新たに叩いたのが、アイドル・和田彩花さん。本連載は、アイドル×ファッションをテーマに“いまのアイドル”を切り取る、新感覚アイドルカルチャー誌『オーバーチュア』と『フイナム』の連動企画。彼女が興味のあるもの・知りたいものを ZINE という形でアウトプットし、和田彩花の“いま”を伝えます。

  • Photo_Fumihiko Ikemoto
  • Text_Tommy
  • Edit_Yosuke Ishii

最初だから、本当に自分の好きなモノをまずは伝えたいな! って。

まずは完成したページをご覧あれ。第一回目ということでテーマは和田さんが大好きな“美術”。左ページのテキストは打ち出したもので、右ページは手書き。描かれたイラストはそれぞれ、光の魔術師と称されるフェルメールと黒の画家とも呼ばれるマネの作品が元ネタ。左右で分かれた明確な対比構造と自由な文字のレイアウトが興味深い。透けて見えるのは裏に印刷された『オーバーチュア』サイド。こちらは発売中の徳間書店刊『オーバーチュア No.021』をチェック!

ー この度、『フイナム』と『オーバーチュア』の連動企画として和田さんの連載がスタートすることとなりました。で、そのテーマは“ZINE”。簡単に説明すると、和田さんに好きなようにページをつくってもらい、それをまとめて1冊の本に出来ればなと。

和田:ありがとうございます! でも、どんな内容がイイですかねぇ…。

ー ちなみに和田さんは美術がお好きだと聞いていますが、それは昔から?

和田:私と美術との出会いは高校一年生の頃。当時、お仕事の際はいつも群馬から通っていたんですが、ある時、集合時間を間違えて数時間早く到着したことがあって。で、ヒマ潰しに入った美術館で開催されていたのが「マネとモダン・パリ」展。それまで自然の風景や静物を描くのが絵画だと思っていたから、人が倒れているだけの絵(「死せる闘牛士」)を見て衝撃を受けて! そこからマネの作品で描かれる色んな“黒”に魅せられ、綺麗なものを描くだけが絵画じゃないと気付いてハマっていきました。そんな偶然の出会いから美術に興味が生まれ、色んな展覧会に行き、宗教画から印象派まで見ていく中で、もっと美術史を勉強したいと思うように。そしていまは大学院で美術史を勉強しています。

ー となれば、まずはご自身のパーソナルの中でも、最も大きな存在“美術”をテーマにしてみるといいかもしれませんね。あとは追い追いって感じで。

……という打ち合わせからはじまった和田彩花さんの連載。決まりごとは以下の3点。

・テーマは“和田さんが興味のあるもの、知りたいもの”。その内容は毎回変わる。
・基本構成は写真やイラストと文章の組み合わせ。だがそれも自由。
・『フイナム』と『オーバーチュア』で2ページずつの計4ページで、年4回掲載。

ー 「で、それ以外は自由にやってください!」という半ば投げっぱなしの打ち合わせから、約1ヶ月半。記念すべき第1回目が完成しました! まずは出来上がった作品についての感想をお聞きしたいなと。どうでしたか? 初めてのZINEづくりは。

和田:楽しかったです! 最初だから本当に自分の好きなモノをまずは伝えたいと思って。今回は文字もイラストも手描きの部分が多かったけど、今後は写真を貼ってみたりも出来るだろし、そう考えると楽しみで仕方がないですね!

ー たしかにZINEの醍醐味であるハンドメイド感がよく伝わってきます。ちなみに2媒体での連動企画ですが、どちらが前か後ろかってありますか?

和田:一応、『フイナム』→『オーバーチュア』の順番で、左から右にページを読み進めてもらうという想定です。なんか作業しているうちに小・中学校時代を思い出しちゃいました。よく大きな画用紙に色々と調べた学習結果をまとめるという授業があって、私はそれが得意で凝ったデコレーションをしたりして、すごく先生に褒められていたんですよ。あの時のアレに似ているな~って(笑)

ー 社会科見学とかグループ学習の後につくるアレですね。今回のテーマは“美術”ということで、和田さんが最も好きな画家、エドゥアール・マネなどを取り挙げています。

和田:まずは最初なので自己紹介を兼ねた内容に。私が美術を好きな理由である“モノの見方や感じ方は人それぞれ違う”という部分を左のページでは示しつつ、とはいえ「どこを見ればいいのか分からない」という人のために、その見方のポイントを解説したのが右ページ。続く『オーバーチュア』サイドでは、自分が絵を通して感じとったことや思ったことを表現しました。なので“美術”というテーマは同じですが、それぞれで視点を変えています。

ー どういう流れで制作したのかも気になります。テキスト部分から考えたんですか?

和田:最初にイラストのラフを紙に書いて、その上からどのように文字を載せるのかを考えてから、パソコンでテキストを打って印刷し、手書きの文字とイラストはサインペンで。全体の構成さえ決まってしまえば、あとは意外に早かったです。

ー 実際、完成までに要した期間は?

和田:う~ん、そんなには掛かってないと思います。はじめてということで本当に楽しくって、気が付いたら完成! みたいな感じで。文章に関しては、いま作詞をしていて、そっちで今回と同じテーマで自分が考えたことをまとめていたので、それをベースに出来たから初回はラクだったというのもありますが。

ー 文字の組み方、級数(文字の大きさ)にもこだわりがありそうですね。

和田:文章の途中で大きくなっている部分は、より伝えたい言葉を大きくしただけ。文字の組み方には特に意味があるわけではなく、イラスト部分を避けながら文字をページ内に収めるために試行錯誤した結果。なので、単純に“やってみたら、こうなった!”という(笑)

ー フォントに関しては?

和田:(悔しそうに)わぁ~、そこにもこだわれば良かった! っていま気付きました…。私、学校でレポートを書くのも基本これなので、普段の感覚でやっちゃいましたね。次はそこも考えておきます!

ー 制作過程で難しさを感じた部分もあったのでは。

和田:難しさはあまり無かったように感じました。今後、ネタが尽きちゃったら壁にぶち当たるかもしれないけど、いまのところは大丈夫ですし…あっ、でもひとつ。私、この文字を1枚の紙に印刷して、それをハサミでチョキチョキ切っていったんですけど、あとから再び並べて貼るということを忘れていて…。どうにかパズルを解くように並べ終わったところで、元データを見れば良かったって気付いて(苦笑)。そこが今回、苦労した点ですね。

ー では、どんな意図が隠されているかを知るべく、和田さん本人のページ解説をお願いします!

和田:まず左ページのイラスト。これはフェルメール作の「牛乳を注ぐ女」がモチーフになっていて、壺に注がれる牛乳を水色の折り紙をちぎって貼って表現しています。手でちぎったエッジ部分が糊の水分を吸うと面白い表情になるんですよね。あと裏面と表面を組み合わせることで、変化を付けつつ。

色折り紙をちぎって貼って表現したのは牛乳。白い裏面を表使いしつつ、あえて部分的に水色を織り交ぜることによって立体的感を強調。エッジ部分を糊の水分で際立たせたのも効果的だ。

ー 右ページに描かれたのはマネ作の「菫の花束をつけたベルト・モリゾ」。菫と書いて〈すみれ〉と読むんですね。背景のマスキングテープは修正ですか?

和田:修正じゃないですよ! 元の絵を見れば分かると思いますが、これは光!黒が印象的な画面の中にあって、ここだけすごく繊細な光が感じられる重要なポイントなので、マスキングテープで表現しているんです。

ー なるほど。胸元のこれは……ネックレスですか?

右ページには和田さんのフェイバリット絵画である、マネ作の『菫の花束をつけたベルト・モリゾ』のイラストが。指差しているのが黒い画面の中にあって繊細な光を表現している箇所。

和田:ちょっと~、もぉ! 違いますよ! 白いシャツと菫の花束です! とはいえ、元の絵を見ても、これが菫の花束だって分かりづらく、それがまたイイところでもあるんですけどね。

ー 重ね重ね失礼いたしました(汗)。でも逆に元の絵を見てみたくなりました。

和田:あくまで私のフィルターを通して見て感じた印象をイラストにしているので、気になったら元の絵を画像検索してみたり、もし機会があれば展覧会で実物を見るなどして「あ~、本物はこういう感じなんだな」って、知ってもらえると嬉しいです!