上田瑠偉を支える3つのギア。
2019年、輝かしい成績を残した上田さん。彼の努力がその結果をもたらしたのは言うまでもないことですが、そこには審美眼とも言える道具のセレクトがあったことも伝えておかねばならぬことです。スポーツに限らず、アウトドアアクティビティをおこなう上で、ギアの選定はパフォーマンスに大きな影響をもたらします。特にそれが山を走るアクティビティであれば尚更のこと。ということで、ここからは彼を支える3つのギアをご紹介します。
GEAR No.01
Train Running Shoesまずはじめに紹介するのは、ランニングの要とも言えるシューズ。上田さんは「コロンビアスポーツウェアジャパン」に所属しており、履いているシューズも〈コロンビア モントレイル〉のもの。

「軽さとグリップ力が選ぶ基準になっています。軽さはあくまで短い距離を走る場合に必要です。走行距離が長い場合は安定を求めるので、オールマイティな靴を履くこともありますが、基本的には軽くてエリート向けの靴を履くことが多いです。 アウトソールに関しては、スカイランニングは急斜面を走るので、グリップがしっかりしていたほうが安心。走っていると地面からの突き上げもあるので、ある程度ミッドソールに厚みがあって硬いほうが負荷も少ないです。やっぱりレースによってきちんとセレクトすることが大事ですね」

「優勝したときに履いてたのは〈コロンビア モントレイル〉の中でも2番目に軽いアイテムです(左)。ソールパターンが特長的で、アウトソールの突起の感覚が広く泥などの目詰まりが起こしにくくなっています。これは2015年にアメリカの本社へ行ったときに、開発者に伝えたアドバイスが反映されたものなんです。だからこそ思い入れもあったし、使ってて納得のいくシューズでもあります。2015年にこのモデルがリリースされて、一度アップデートがあったんですけど、ずっと履き続けて慣れていたからこそ、今回優勝できたのかなと思います」
GEAR No.02
Vestpack続いてはベストパック。険しい道を何十キロも走る上で、道具類をコンパクトに収納するのは必要不可欠。とはいえ、そこに使い勝手がプラスされないとレースにおいて遅れをとってしまいます。こちらも〈コロンビア モントレイル〉のアイテムです。

「ベストパックに関しては収納のしやすさと、スカイレースに関しては、フロント部分である程度のモノができる収納力があるものが必要です。着脱回数は極力すくなくしたいので、よく使うドリンクとジェルはフロント部分に。あとシェルなどの上着やライトなどの道具類は背中に詰め込みます。このモデルはぼくが監修したアイテムで、2、3年ほどの開発期間を経て完成しました」


「特長はドリンクホルダーを肩付近に設置しているので、首に負担をかけずにそのままドリンクを飲めるところ。あと、伸縮性のある素材を使っているのでフィット感がものすごくいいです。だから走りに集中できるというのがポイントですね。そしてメインの収納部も工夫しています。上下で収納を分けていて、シェルなどは大きな部屋に、エイドなどの小物類は下にある小さな部屋に入れています。そうすることで遊びがすくなくなり、走っているときに揺れが軽減されるんです。
GEAR No.03
RENAULT Kangooそして最後は〈ルノー〉の「カングー」。前述の通り上田さんはこのカーブランドのアンバサダーを務めており、これまでに「カジャー」から「カングー」へと乗り継いできました。競技そのものへは直接的に関係はしませんが、「カングー」はどのように上田さんの活動をサポートしているのでしょうか?



「〈ルノー〉のアンバサダーになる前はクルマがなかったので山に行きやすくなったし、合宿へも自転車とか大きい荷物をたくさん持っていけるようになりました。ワールドシリーズの1戦目、新潟の三条市で開催された試合にもこのクルマで行きましたね」

「運転しているときは音楽を聴きながらリラックスして目的地に向かってます。レースに行くときはとくにですけど、あまり考えごとをせずに気持ちをフラットにできるというのもいいですね。いままではレースに出るときに電車で向かっていたんですが、このクルマがあることによって行き帰りの疲労もすくなく済むので、それもうれしいです。プライベートな空間なので移動中も自分のペースをキープできるのはクルマあってこそですよね」


「『カングー』は視界が広くて運転がしやすい。だからこそ疲れにくいというのがあると思います。距離感が掴みやすいのと、車内空間が広いので快適性も抜群ですね。賞品をたくさんもらっても、『カングー』なら積載力があるので困らないですし(笑)、観音開きのバックドアで荷物の出し入れがラクなところもいい」

「昨シーズン優勝できたのは、このクルマがあってこそだと思ってます。練習がはかどるようになったのは『カングー』のお陰だし、間違いなくぼくの移動をサポートしてくれています。電車に乗るのとはわけがちがいますね。時間の余裕度もそうだし、渋滞とかは気にしますが、ある程度自分の思うようにスケジュールをアレンジできるのは大きい。『カングー』に乗ってなかったら、もしかしたら優勝してなかったかもしれないですね(笑)」