PROFILE

“King Of Diggin’”の異名を持つ、日本を代表するDJ。90年代に巻き起こったヒップホップムーブメントの中心人物であり、アンダーグラウンドからメジャーまでと幅広いフィールドで長年一線で活躍し続けている。またその知見を活かし、アパレルでも辣腕を振るう。かつて渋谷区宇田川にあった「SAVAGE!」は伝説のショップとしていまも語り継がれている。
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セレクトショップのバイヤーやヴィンテージショップでの企画、生産を経験した後に2017年に独立。自身が影響を受けたスタイルや90’sカルチャーを落とし込んだブランド〈バウワウ(BOW WOW)〉を始動させる。2019年には原宿にフラッグショップ「C30」をオープン。〈レコグナイズ〉ではMUROさんのパートナーとしてサポート役に。
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“土着と渡来”をコンセプトに掲げた独自のミクスチャースタイルが支持される渋谷区神南のセレクトショップ「吾亦紅」のディレクター。また、同エリアと大阪の2店舗を展開する「GARDEN」のディレクターも兼任する。ジャンルの垣根を超えたバイイングセンスや新進ブランドのピックアップに定評がある、業界きっての目利きとして知られている。
MUROさんのやることをなんでも追っかけてました(権守)

ー 先ずはこのタイミングで〈レコグナイズ〉をスタートさせた経緯を教えて頂けますか?
MURO:カセットテープを集めている共通の友人と「C30」に訪れて、そのときゴンちゃんを紹介してもらったのがはじめての出会い。で、カセットテープにはじまり、「凄いTシャツも持ってるね~」みたいに古着の話で盛りあがって。音楽や服の話の流れから、ゴンちゃんは服作りをしていたんで、一緒にブランドできれば良いねってなったんですけど、そこからは凄い急ピッチ(笑)。いまだに自分でもビックリしているくらいなんですよね(笑)。
ー それはいつくらいのことなんですか?
MURO:昨年とかですね。
ー その短期間で進行されたのは、権守さん的にMUROさんと服作りがしたい! という強い気持ちがあったからですよね?
権守:そうですね。そういう思いから、自分からオファーさせて頂きました。それからはもうテンションが上がっちゃって、気付いたらハイペースで物事が進んでいっちゃって(笑)。
MURO:ゴンちゃんのお店(C30)はいつからやってるの?
権守:昨年の3月からですね。
MURO:じゃあもうすぐ1年なんだね。そういうタイミングとかもあったのかもね。

ー 権守さんからMUROさんにお声がけした時点で、どのようなブランドにしたいというイメージは既にあったんですか?
権守:そうですね。MUROさんのイメージが自分の中でも色々あるので、そこをベースに。そもそも昔からMUROさんへの憧れが強くあって、自分の会社名をDITC(Diggin’ In The Cratesの略称)と付けたほどです。服は勿論、色々なことすべてにおいて“掘る”ということをしっかりやる会社にしたいという思いを込めました。とにかく、MUROさんのやることを何でも追っかけていましたね。
レコード屋さんに行っては色んなヒントを見つけたりして、服に繋げていく(MURO)

ー 具体的にどのような形で服の製作は進めていったんですか?
MURO:グラフィックに関しては、レコードのジャケットから色々なヒントを得て服に繋げていくやり方です。その辺は昔からあまり変わってないですね。
ー MUROさんがご自身で服を手掛けられるも久々ですよね。
MURO:以前やっていたお店「DIGOT」は、アメリカの「HOME DEPOT」みたいな感じで、ぼくが掘り集めて来たものを、そこに倉庫っぽく保管したイメージ。そのお店では〈カーハート〉や〈ステューシー〉とコラボしていたので、それ以来ですね。
ー 楽しいお店でしたよね。
MURO:ここ3、4年くらいですかね、色々なアパレルブランドさんからアプローチを貰うようになって。パリで行われた〈ホワイトマウンテニアリング〉のランウェイショーの音を任せて貰ったり、いわゆるコラボレーションだったり。良い展示会にも色々誘ってもらったりして、また服に対して再燃して来た感じがありますね。で、ふと街を見てみると、割と若い子たちが自分たちが昔着ていたような服を着ているっていう面白さもあったりして。

ー そういうお互いの想いを〈レコグナイズ〉としてまとめていったんですね。〈レコグナイズ〉というブランド名はどのように決められたんですか?
MURO:ブランド名は、ニュージャージーに住んでいる一番の掘り仲間、K-Princeに相談しました。90’sっぽい雰囲気を出したかったんですが、その頃のHip Hopのレコードには、”Recognize”っていうワードがたくさん出て来るんですよ。新たに再生させて蘇らせるっていうのは、自分のサウンドプロダクションと一緒で。自分たちらしいものが、若い子達に新たに響いてくれたら良いなと思って付けました。
ー MUROさんからすると、ずっと在るもの、ずっと好きだったものなどを、若い子達にとってはフレッシュなものとして気付いて欲しいということですよね?
MURO:そうですね。

ー MUROさんからみて、いまの90年代のテイストを取り入れたファッションのブームってどう見えていますか?
MURO:混ぜ方が面白いですよね。90年代はそういう風には着ていなかったけどなって思う一方、新たな発見があります。それといまの若い子たちは何をするにしても表現の仕方が上手ですよね、DJもそうなんですよ、昔の物の混ぜ方が凄い上手なんです。