テクノロジーの発展が、走る活力になる。
ー ギアを選ぶときのポイントはありますか?
井田:ぼくは自分が服を着るときと一緒で、自分の気分とかマインドみたいに影響されることが多くてその時々で選ぶことが多いですね。例えば〈アディダス〉のランニングウェアを着る時はスタイリッシュに走りたいときに選ぶことが多いけど、そうじゃない時は、機能性とかを無視してロッキーみたいに、スウェットとかを選ぶことだってあります。
ー なんだかスタイリストらしい直感的な選び方ですね。小澤さんはいかがですか?
小澤:基本的には「トレンド」を意識しています。シューズもそうですしアパレルもそうなんですけど長いこと走り続けてると趣味も変わってくるというか。1年半前にダサいと思っていたスタイルも、いま見るとかっこよく感じたり。あとは自分が憧れているメンター的な人の装いを見て、「ああこういうのもありなんだ」という気づきがあったり。
ー 普段ランニングシューズを私服に取り入れたりしますか?
井田:そういうことを意識せずに履けるようになっているかもしれないですね。ランニングシューズも自分の気持ちに素直に履いているだけというか。
小澤:機能面を意識したりはしないの?
井田:機能面の進化はもちろんあると思うんですけど、やっぱりデザインの面を意識することの方が多いです。少し前までは、ギアを外しとしてコーディネートに組み込むひとがいたけれど、ここ何年かではランウェイのコレクションでランニングシューズをはいたり、コレクション会場に集まるお洒落な若者がモードな格好に合わせたりが普通になってきてファッションシーンに溶け込んだ印象がありますよね。
小澤:ぼくがおもしろいなと思うのはテクノロジーの発展がデザインに影響してきているところですかね。例えば、一昔前までは速さを追求するために薄いソールが主流だったものが、いまではこの「4D」だったり機能面からくるボリューム感がデザインとしても受け入れられているという点が興味深い。テクノロジーが発展することで、デザインの幅が広がって視覚的に新しい印象をランナーに与えられるというか。
ー ファッションやテクノロジーの側面からランニングに興味を持つことも、走る理由は人それぞれというこのグローバルキャンペーンに繋がっているかもしれませんね。
小澤:このキャンペーンで振り返って、改めて思うのはランニングが偏差値教育と一緒になってはいけないなと。いまの時代、“高い学歴を求めるために勉強するのではなくて自分に必要なものがゆくゆく身につく” という考えで学業に励むという時代になってきていると思うんです。なので、ランニングも自分にプラスになることが何か、ということを考えるという過程が大事なのかなと。
井田:ぼくもレースに出場してたこともあるので、タイム、結果を求めることもランニングの一つの楽しみ方だというのはたしかです。ただ、ランニングは何か一つに特化するスポーツではではないから、何か新しい自分を見つけるためのきっかけには最適じゃないかって思うんですよね。
小澤:走ったことによる成果は近年の学業と一緒で、後々自分が気づかないところに活きているのでは。だからこのキャンペーンは、“気づき” や “きっかけ” を与えることで狭い入り口を広げてくれる、意義のあるものだなってやっぱり思うんですよね。
Coordinate Sample
スタイリスト井田さんがオススメするランニングシューズの取り入れ方。- 1
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