CLOSE
FEATURE | TIE UP
フラグスタフのディレクターが語る、フォーストアに込めた意味とクリエイティブについて。
FOUR STORE By F-LAGSTUF-F

フラグスタフのディレクターが語る、フォーストアに込めた意味とクリエイティブについて。

“An uncategorizable genre”をコンセプトに2014年に誕生したブランド〈フラグスタF-LAGSTUF-F)〉が、4月5日に初の旗艦店「フォーストア(Four Store)」を中目黒にオープンさせたという朗報が。ファンらは「待ってました!」と破顔一笑、よく知る人々からしたら「なぜいままでなかったの?」と不思議顔。なぜ、いまこのタイミングで? で、どんなショップなの? オープン記念アイテムとかないんですか? など気になるアレやコレやを、〈フラグスタフ〉のディレクターである村山さんに聞いてきました。

  • Photo_Cho Ongo
  • Text_Tommy
  • Edit_Yosuke Ishii

PROFILE

村山靖行
F-LAGSTUF-Fディレクター

原宿にあるヴィンテージショップのバイヤーとして活躍したのちに〈フラグスタフ〉を2014年にスタート。音楽やストリートカルチャーを背景にクリエイションを展開する。
www.flagstuff.jp

グラフィックだけじゃないと知ってもらえる場所が作りたかった。

ー いきなりですが、なぜ、このタイミングで旗艦店をオープンさせることに?

そもそも、実店舗を持つという考え自体はあまりなかったんですが、たまたまこの場所を通りがかった際に、ちょうど店舗の解体をしている場面に遭遇したのがキッカケでした。工事業者の方に聞いたら「次はまだ決まっていないようです」と。じゃあ、試しに応募してみようと思ったら案外スンナリ決まっちゃって。というのがオープンの経緯になります。

ー なるほど、たまたまこのタイミングだったと。しかし、大手セレクトショップを皮切りにディーラーも沢山あって、自社ECサイトもあるなかで、実店舗を持つメリットって何ですか?

ウチの場合、セレクトショップでの展開が多かったこともあって、〈フラグスタフ〉=グラフィックというイメージが先行しがちで。だからこそ、それ以外のアイテムもしっかりとつくり込んでいるということを実際に手に取って知っていただく。そんな場所をつくりたかったというのはあります。また、フルラインアップが揃う実店舗を持つことで、より深くブランドの世界観を知ってもらえるんじゃないかなという狙いもあります。

ー ショップのコンセプトを改めて教えていただけますか?

グレーとホワイトを基調とした内装のコンセプトは“クリーン”。いわゆる什器と呼ばれるものを移動可能なボックスだけにして、あとは天井からワイヤーで吊るされたバーで構成。これらは全部取り外せますし、逆にレールにスポットライトを付けたりと自由なレイアウトが可能となっており、フォトエキシビジョンやポップアップなどにもフレキシブルに対応可能。ある種のギャラリー的空間としても機能するようなイメージですね。あとは、開放感のある天井の高さもポイントです。

ー シンプルなように見えますが、実は細部に至るまでのこだわりがすごいですね。

入り口のドアに描かれたショップサインや店内の“PRIVATE”の文字などは、すべてマサスカルプ(MASA SCULP)さんによるもの。それとレザーのキャッシュトレーは〈ブラックミーンズ(blackmeans)〉につくってもらった特注品。音響設備としては約50年前に〈ジェイビーエル(JBL)〉を模して製造されたスピーカーを使っています。本家が合板で作られていたのに対して、こちらは一枚板。なので、より厚みのある音を鳴らすこと出来ます。レコードプレーヤーは〈ガラード (Garrard)〉の名機「401」で、アンプはアメリカ西海岸の教会なんかでも、よく使われている〈アルテック(ALTEC)〉を置いています。

ー ところで「Four Store(フォーストア)」という店名の由来は?

ぼくの人生において“4”という数字にまつわることが多いんですよね。例えば、自分が14日生まれで、ブラック・フラッグ(※バンドのロゴに4本のライン)や〈エイフェックス・ツイン(※『4』という楽曲がある)が好きだったり、色んなものを重ねていったときに浮かび上がってきたキーワードが“4”。また、ショップでは〈フラグスタフ〉と〈デリバリーヘルス(Delivery Hells)〉とヴィンテージアーカイブ、それともうひとつ計画進行中のネタを展開するんですが、それらを合わせると4本の柱となる。そういった意味もありますね。

ー このショップの特徴のひとつでもあるのが、入ってすぐ右側に並ぶヴィンテジアーカイブ。そのどれもがマニア垂涎のお宝だとか。

いま並んでいるバンドTシャツは、自分が個人的にコレクションしていたものや、ショップオープンに合わせてイギリスやアメリカで探して買い付けてきたものなんですが、正直どれも売りたくないものばかり(笑)。中でも〈バットホール・サーファーズ(BUTTHOLE SURFERS)〉と〈レッドクロス(Redd Kross)の2枚(※写真の上段右から3枚目&4枚目)は、この機会を逃したら2度と出てこないんじゃないですかね。今回は音楽ですが、今後は映画やミリタリーなど、物づくりにおけるインスピレーションソースとなったヴィンテージアーカイブを、その時々で入れ替えて販売していく予定です。

ー そしてもうひとつの目玉が、ショップオープンに合わせて販売される限定アイテムです。

ひとつはロンドンのセレクトショップ「グッドフッド(GOODHOOD)」で1月に開催されたポップアップストアの際に、コラージュアーティスト・河村康輔さんとつくったトリプルコラボのシャツ。ここ日本でも販売して欲しいという要望も多かったので、パリコレのタイミングに合わせて展開することに。同じくTシャツは、そのときにライブコラージュで河村さんが即興でつくったグラフィックをプリントしています。もうひとつはカタログの撮影で訪れたハワイ島でフォトグラファー・澤田(健太)くんが空撮した火山の写真を使用したロンT。あともう1型、伝説のスケートビデオ『アニマル・チン(Animal Chin)』のロケ地を撮影した写真を使ってTシャツもつくりました。そして今回のオープン記念アイテムの中でも注目頂きたいのが、実際の商品やアーカイブのサンプル、自分が所有していたけど不要になった古着などを分解してコラージュしたジャケットです。なのでひとつひとつ異なるデザインになっており、数も11着限定となっています。

INFORMATION

Four Store

電話:03-6455-0448
東京都目黒区青葉台1-21-9
定休日:不定休 12:00~20:00
flagstuff.shop-pro.jp

このエントリーをはてなブックマークに追加