PROFILE

セレクトショップ「エディフィス」にてバイヤーを務めた後に独立。 自身の活動を経て、2015年に「レショップ」を立ち上げる。2019年 NEATの西野氏、HERILLの大島氏とともに「WEEKEND」をスタート。
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株式会社アンシングス代表。〈HERILL〉〈WEEKEND〉〈DAIWA PIER39〉などドメスティックブランドやスポーツブランドのプロデュース、セールスを行う。
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国内外のファッションブランドやスポーツブランドのPR、ブランディングを行う「muroffice」のディレクター。ブランドやセレクトショップのディレクションやプロデュースも手がける。
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デザイン事務所「ナカムラグラフ」を経て、2016年に「白い立体」として独立。雑誌・書籍のデザインや展覧会ビジュアルのアートディレクションなどを中心に活動。そのかたわら、アーティストとして紙や本を主な素材・テーマとしたコラージュ作品を数多く制作発表する。
ー 今回は「International Association of Creators(以下IAC)」という組織についてお話を伺えればと思います。なにやらすごいメンバーが集まって、ごそごそやっていると聞いています。手元の資料にはこうあります。
「IAC」は、洋服や家具、生活雑貨など私たちの身の周りの様々なものを創る気鋭なクリエイターたちが会員となって構成される協会です。 「本当に価値のあるものに対して消費したい」と思う全ての “誰か” のために IAC は自らの審美眼のもとクリエイター(創造者)たちとともに本当に良いものを創り、世の中の人々の「価値あるもの」の基準値を上げる活動をしていきます。
そもそもこれはどんなプロジェクトなんですか?

中室:発起人というか、きっかけは金子さんですよね?
金子:そうだね。でも「IAC」ができる前に前段がありまして。最近自分が「レショップ」をやっているなかで、若い子と知り合う機会が増えてきたんです。地方でポップアップとかをやると、知り合う子たちがほぼ20歳くらいだったりして。で、彼らといろんな話をするなかで、懐事情の話も聞いたんです。
ー 学生だとそんなにお金も使えないですよね。
金子:はい。けど、ファッションに対してすごく熱のある子たちが多いんですよね。なおかつ自分がやってることにすごく興味を持ってくれていて。
中室:金子さんのインスタとかをものすごくちゃんと見てるらしいんですよ。
金子:そうそう。その頃(オリジナルレーベルの)〈LE〉を始めてお店の敷居が少し下がったんです。それでどんどん若い子がお店に来てくれました。自分では大人向けの洋服を扱っているつもりだったんだけど、若い子でも同じように興味があるんだなっていう発見があったんです。けど、どうしても値段とかが障壁になって買えないという服もあって。だから顕在化してないニーズがあるんじゃないかなって思ったんです。
重松:あとは学生のサークルの話もあるんですよね。
金子:あ、そうそう。うちのお客さんの学生さんに、いろんな大学から学生が集まったファッションのサークルがあるっていうことを聞いたんです。

ー インカレ(インターカレッジ・サークル – 複数大学の学生から構成されるサークル)みたいな感じなんですか?
金子:そうだと思います。なんか何百人もいるらしくて。彼らがプロ顔負けの企画書を作ってるんですよね。それでファッションショーをしたり、アメリカへ買い付けに行って、その後フリマを開催したりとか。
ー かなり本格的ですね。
金子:はい。そういう彼らに対して、なにかできないかなと考え始めたのがそもそものきっかけです。
重松:最初は学割をやろうとしたんですよね。
金子:そう、まずは価格のハードルを下げることが大事だなって思ったので、学割ができないかなって考えました。安く買えるっていうのが一番効果的だと思ったので。けど、実際問題それはなかなか難しいだろうなとなって、それならば学生向けに商品を企画して、それを販売するっていうことならできるんじゃないかって。
中室:それで生協(生活協同組合)、つまり「THE CO-OP」っていうのはどうかなっていう話になったんです。
ー なるほど。「IAC」の前に「THE CO-OP」があったわけですね。
重松:そうなんです。それでこういう活動をするなら、デザインとかアートディレクションっていうのが絶対必要になってくると思ったので、僕から吉田くんに声をかけました。
ー 重松さんと吉田さんは、以前からブランド〈scair〉などでご一緒してたんですよね。
重松:そうですね。金子さんからは、意思がはっきりしている人がいいっていうお話があったので、吉田くんはぴったりだなって。

吉田:そんな話だったんですね(笑)。
重松:ノリだけで進めるひとって結構いると思うんですが、それをクリエイションでストップかけてくれるひとがいた方が、むしろ質が上がるだろうなって思ったんです。
ー 良い意味で安易に進めないってことですか?
重松:はい。で、本当に安易には進めてはくれませんでした(笑)。
金子:本当そうですよね(笑)。絶対いったんちょっと待ってください、っていうのが入るんです。
吉田:打ち合わせとかも出れてないこともあったので、しっかり聞いてからやりたいなって思ったんです。
重松:今回とにかくいろんなやりとりをしていて、メッセージのやりとりとかも膨大な量なんですけど、だいたいどんどんずれていくんですよね。脱線していくというか。で、戻れなくなる。そういうのを吉田くんが冷静に見てくれたのでありがたかったですね。