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価値のあるものを創り、届け、広げる。 粋な大人たちが興した秘密結社の全貌。
What is IAC?

価値のあるものを創り、届け、広げる。
粋な大人たちが興した秘密結社の全貌。

3月下旬、突如インスタグラムに「i.a.c._official」というアカウントが現れました。プロフィールにはIAC / Internatinal Association of Creatorsの文字が。さっぱりわからない。そのアカウントには、次第に気鋭のファッションクリエイターたちが次々にアップされていきました。この団体はいったいなんなのか? 首謀者の4人に早速話を聞きに行ってきました。…と言いたいところですが、実は話を伺ったのは3月の中旬。コロナ禍の影響で公開が少し遅くなりました。業界激震の素晴らしいプロジェクトの一部始終をお届けします。

ー 今挙がったようなブランドはフイナムでもご紹介させてもらってますし、ぜひ応援したいですね。詳しいアイテムの話は、第二弾の記事でご紹介したいと思います。

ー 「IAC」のリリースには、“洋服や家具、生活雑貨など私たちの身の周りの様々なものを創っていく”とあります。

重松:はい、服以外もやっていくつもりです。

中室:若いうちに自分の目を養わせてくれるいいものに出会うということは大事だと思うんです。それを自発的に見つけてくれたらいいんですけど、たとえ偶発的にでも僕たちが作った機会を通して、出会ってくれるといいなって。

ー 服以外もというのは面白いですね。よく言われる話ですが、服って昔に比べると平均値が上がってるので、すごくダサいひととか、とんでもなくダサい服ってそんなにないですけど、例えば「デザイン」って正直いろんなものがあるので、そこはもうちょっと改善の余地があるのかなって思います。デザインに対してみんなの意識が向上すると、もっと街中も美しくなるのかなと。

吉田:たしかにそうですね。けどデザインって難しいところもあって。例えば昔ながらの定食屋とかそういうお店をいまっぽく綺麗にデザインするのがいいかっていうと、また微妙だったりするじゃないですか。

ー 確かに。

重松:クライアントワークのときにそういうのよくありますね。例えばこっちは旧ロゴを使いたいんだけど、先方は是が非でも新しくしたいとか。いや、絶対今までのロゴの方がいいのに、、みたいな。でもどんなジャンルでも、ある一定の美の基準ってありますよね。

中室:そうなんです。けどそういう美意識って理論的なものではなくて精神的なものだったりするじゃないですか。だから若いときにいいものを浴びることで、潜在的な部分が喚起されて、美意識の基準値が上がってくればいいなって思うんです。なので、服だけではないいろいろなものを提示していきたいし、今後の活動のなかで、幅とか広さを見せていければいいなって思っています。

重松:「THE CO-OP」に関しても、あくまで学生向けのプロジェクトであるだけで、今後は服以外も全然あるわけなので。

ー 確かに。文房具とかもいいですよね。

中室:そういえば、今日の朝アイロンかけながら思ったんですけど、アイロンのかけ方って、今の子はそんなに知らないんじゃないかなって。自分が「エディフィス」で働いてるときって、ドレスのスタッフって、朝アイロン台の取り合いだったんですよ。

金子:そういえばそうだったね。

中室:だから例えば、帝国ホテルのクリーニングの方を呼んできて、アイロンのかけ方を教えるイベントをやったら、シャツのことをもっと好きになるんじゃないかなって。なので、もしかしたら“モノ”だけじゃなくて、“コト”でなにか企画を考えてもいいかもしれないですよね。

金子:ムロのアイロン教室(笑)。でも、そういうベーシックで基礎的なことを学ぶ場になればいいよね。ファッションでいうと、基本を押さえておけばいろいろな考え方ができるようになりますよね。例えばTシャツをつくるときにあえて〈ギルダン〉のボディを使う、というような選択ができるようになると思うんです。つまりストーリーをもってモノを作れる。ファッションを楽しむためにもこういうのを知っておいて損はないと思うんです。

ー たしかに服はそういうことができますよね。音楽とかになると膨大すぎちゃってなかなか難しいですし。

重松:そう、だから服が一番やりやすかったんです。

金子:体感しやすいんですよね。人からの見られ方も変わるし、周りとの付き合いも変わるし、一番顕著だと思うんです。

中室:今回、僕たちのなかでは「服育」っていう言葉を使っています。

ー 食育ならぬ「服育」ですね。

中室:はい。育てるなんていうと、ちょっとおこがましい感じもするんですけど、きっと若い世代に対して、僕らにできることってあるんじゃないかなって思うんです。

ー このプロジェクトも11月くらいにスタートして、本当は4月にイベントを開催する予定がコロナの影響で随分伸びてしまいましたね。「IAC」の今後はどういう予定なんですか?

重松:まずは最初の企画である「THE CO-OP」を6月頭に開催して、2回目の「THE CO-OP」を11月くらいにできたらいいなって思ってます。そのときは東京だけじゃなくて、4都市くらいでやれたらと。「THE CO-OP」は可能であれば、半年に一回くらいのペースで継続していきたいと思っています。

ー いいですね。日本全国津々浦々。

重松:はい。あとは学生さんに来てもらうイベントなので、アパレル企業の方に協賛いただいて、就職的な企画もできないかなと考えています。トークショーをしてもいいかなと、いろいろアイデアはありますよ。

ー なるほど。様々なテーマを掲げながら、それぞれのテーマに沿った 「価値のあるもの」を創り出していくという「IAC」には今後も注視していきたいと思います。

次回の記事は「THE CO-OP」で制作されたアイテムについてご紹介します。

INFORMATION

IAC(International Association of Creators)

instagram.com/i.a.c._official/