PROFILE

ファッション誌やカタログ、広告を中心に、モデル業や執筆業で活躍。その一方で、さまざまな作家やクリエイターたちとの企画にも取り組むなど、縦横無尽な活動で注目を集める。昭和と純喫茶をこよなく愛し、自身のインスタグラム(@omiyuno)にて「#喫茶部」や「#花壇ウォッチャー」のハッシュタグを用いて、昭和や喫茶に対する気持ちを発信中。愛称はおみゆ。
映画好きをうならす、ニューシネマパラダイス。

SPOT.1アップリンク京都
「レッド」「レインボー」「抹茶」「ストライプ」というテーマを持った4つのスクリーンで構成されたミニシアター。ハイクオリティな映像美や音響設備が整っているだけでなく、ギャラリーや雑貨なども豊富に取り扱う。
場所:新風館B1
電話:075-600-7890
kyoto.uplink.co.jp

ー まずはじめに小谷さんを連れてきたかったのが、「アップリンク京都」です。映画好きな小谷さんですが、いつ頃からお好きなんですか?
小さい頃から好きだったんですけど、映画館でアルバイトをするようになってからより好きになりました。
ー 映画館でバイトしてたんですね! いまはネットを通じて自宅で気軽に過去の名作や最新作が観れますが、やっぱり劇場派ですか?
絶対に劇場派ですね。 自宅でも観るんですが、チケットを買って、ポップコーンを抱えて、パンフレットで予習してっていう過程がすごく楽しいんですよね。


〈WRYHT〉ワンピース¥48,000、タンクトップ¥12,000(BRIGHT LIGHT)、〈sellenatela〉サンダル¥34,000(HALL by sellenatela)、リングはスタイリスト私物
それに知らない人たちと同じ作品を観ているって改めて考えてみると不思議なことじゃないですか。言葉を交わしたことがない人なのに、映画が始まると同じところで笑ったり泣いてたり。最近思ったのは『スターウォーズ』の最新作を観ていたときで。昔から観てきたファンだからわかるあるあるネタが散りばめられていて、いま何人か「ハッ!」って息呑んだよねって瞬間があったんです(笑)。私はそれがわからなかったんですけど、後になって調べたら、どういう意味かわかって。それが間接的に共有されていくのが劇場のいいところだなって思います。家で観ていたら、きっとそこに気付けなかったでしょうし。それに、こういったミニシアター系の劇場ってそれぞれの個性があるのがいいですよね。
ー この「アップリンク京都」にはシアターだけじゃなく、ギャラリーが併設されていたり、映画に関する書籍や雑貨がセレクトされていたりとこちらならではの取り組みがされています。
はい、来るたびに違った楽しみ方ができるというか、映画好きはもちろん、あまり詳しくないって人も楽しめそうですね。
ー 内装は、“レトロフューチャー”というコンセプトだそうです。
素敵ですね、レトロフューチャーは好きなテイストです。新しい施設なのにどこか懐かしさを感じる雰囲気。このネオンサインも可愛い!

ー それではシアターのなかにも行ってみましょう。

「レッド」がテーマのこのスクリーンは文字通り、真っ赤っ赤! 座り心地のいいシートなので、ゆったり寛ぎながら作品世界に没頭できる。
真っ赤なシートがかわいいですね、しかもふっかふか! これはじっくり集中できるやつです。
ー こちらは支配人さんがフランスのシアターチェアメーカーの「キネット・ギャレー」の工場に出向き、セレクトされたそうです。
すごいこだわり! だからこの座り心地なんですね、納得しました。改めて劇場の中に入ってみると、居心地の良い空間だからこそ感動を共有できるんだと思います。
ー そういった映画を観た感情の起伏だったりを、最近ではレビューサイトやSNSで済ます方も多いですよね。
実際私もレビューを参考にするときもあります。でもレビューを読むとどうしても自分の主観がベースになってしまって、書き手の気持ちが100%汲み取れるわけじゃないなって。それなら瞬間的に笑うとかハッと息を呑むとか、その場に居合わせて見受けるリアクションの方が私は魅力的に感じますね。
ー 確かに瞬間、瞬間の感情の動きが伝わってきますよね。上映中って結構無防備な状態で観ていますし。
そうなんですよ。自分を飾ってないというか。それって普通に会話するより本心がわかるかもしれないなと思っています。大きいスクリーンや音響機器、映画館の雰囲気、そこに行くまでのプロセスなど、全部が合わさって作品の世界観に没頭できるんだなって思います。やっぱり映画館は心が動く場所ですね。