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ぼくらが焚き火に夢中になるワケ。焚き火マイスター猪野正哉かく語りき。
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ぼくらが焚き火に夢中になるワケ。
焚き火マイスター猪野正哉かく語りき。

いま、キャンプが大流行中。空前の焚き火ブームでもあります。そんななか、焚き火マイスターこと猪野正哉さんが、自身初の著書となる「焚き火の本」を上梓。なぜ人は揺らめく炎に魅せられるのか? 猪野さんとは旧知の仲であり、同じく焚き火好きでもあるライターの榎本一生が、焚き火を囲みつつ、焚き火にまつわるあれこれについて話を聞いてみました。

最初は何が面白いのかわからなかった。

ー そもそも猪野さんが焚き火を始めた時期ときっかけは?

猪野:5年ほど前、知り合いの元ポパイの編集者と話しているなかで、「猪野の実家、土地余っているんでしょ? だったら焚き火でもやりなよ、それでYouTubeとかやりなよ、そしてそれをビジネスにしなよ」と言われて。

ー すごい。かなり予言されていますね。

猪野:そのときはあまりにも唐突すぎて、まったくピンと来ませんでした。でも、言われてみれば、実家に土地が余っていたのは事実だったし、当時はなによりヒマだった。ちょっとやってみるかと思い立ち、父親といっしょに実家の雑木林を手入れして、ウッドデッキをつくって、ハンモックをつけて、焚き火ができるスペースを開設。で、試しにそこでキャンプしてみたけれど、正直なところ、なにが面白いのか最初は全然わからなかった。寝るなら家のほうが快適じゃん、と。

ー その後、なぜそんなに焚き火にのめり込んでいったんですか?

猪野:自分から積極的にのめり込んでいったというよりも、まわりからのリクエストにただ応えていっただけ、というのが実際のところ。知り合いの編集者から「ここで撮影をしたい」と相談を受けたら場所を貸したり、友だちから「焚き火できるんだったらやろうよ」と言われたらいっしょにやったり。

ー 自ら主体的に焚き火道に邁進していったわけではなく、まわりの人からの影響が大きかった、と。

猪野:焚き火に限らずだけど、ぼくはこれまでの人生において、何か行動を起こすとき、自分がああしたい、こうしたい、とか考えたことがあまりなくて。
強い意思と行動力を持った人がまわりにいて、その人の期待や要望に応えることばかりを考えて生きていました。焚き火に関しても、自分の意思云々ではなく、周囲に求められるままに、その期待に応えていったら、いつのまにかこうなっていた、という感じかな。

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