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リーボックと、ルーズソックスと、トレランと。
Reebok×MOUNTAIN RESEARCH Special Talk

リーボックと、ルーズソックスと、トレランと。

これまでに3つのモデルをリリースし、多くのスニーカーフリークを惹きつけてきた〈マウンテンリサーチ(MOUNTAIN RESEARCH)〉と〈リーボック(Reebok)〉のコラボレーション。待望の最新作は、「DMX Trail Shadow」の新色・アイスグレー! なんですが、ちょっとルックで使われている「ソックス」の方も気になってきました。というのも、今回のスタイリングはフイナムでもお馴染みの石川顕さん。そして、石川さんといえば“クシュクシュのソックス”で。そんな石川さんの洒落心で実現した〈リーボック〉と「あるソックス」の邂逅。これがなかなかに興味深くて。そこで、〈マウンテンリサーチ〉デザイナーの安倍さんを聞き手に、石川さんに秘めた想いを語っていただきました。

  • Photo_Yuya Wada, Yuma Yoshitsugu (look)
  • Text_Satoru Kanai
  • Edit_Hiroshi Yamamoto

ぼくらは走らないから、
履くための言い訳が必要。

石川:これ、いまのシューズじゃん、トレイルランの。全然関係ないんだけど、ちょっとリンクとしては正しいかなと思って。履き古した登山靴とウールのソックスみたいな感じ。

石川:〈マウンテンリサーチ〉と〈リーボック〉。ぜんぜん関係なさそうで、なんかあるかな。(ルックを見ながら)ほら、かわいいでしょ。クシュッとさせるとさ。

安倍:いいですよね。張りのあるものにこういうのが入ると。

石川:ウォーホールの〈リーボック〉の履き方、ちょっとカッコよかったなあ。テニスシューズだと思うんだけどね。真っ白で。でも、このグレー(のDMX Trail Shadow)は売れるでしょ。

Reebok×MOUNTAIN RESEARCH DMX Trail Shadow ¥18,000+TAX

安倍:ちょうど一週間前、「真っ白をつくればよかったな」って小林(節正)と話してたんですよ。このモデルはもともとがトレラン用なので、ベースがすごい派手で。自分だったらどんなカラーを履きたいかって考えて、派手なのはやめようよと。それで一切合切を排除していって、且つ同色にしました。

石川:走ってるひとは、言うべきなんですよ。「こうしてほしい、ああしてほしい」って。でも、ぼくら走りもしないから言い訳がほしいわけでしょ。

安倍:カルチャーが好きなんだって言い方ですよね(笑)。そういえばルーズソックスって、女子高生が学校が休みの週末でも制服着てわざわざ街にくり出したりしたじゃないですか。。それって、服を喰っちゃったっていうか、ルーズソックスを履きたいがために制服を着る。後にも先にもないですよね。

安倍さんの足元は以前リリースされた「DMX Trail Shadow」。

石川:あの頃、ぼくの行ってる歯医者さんの若い子みんな、ルーズソックスだった。もう社会人ですよ。白衣だけどルーズソックス。じゃないとね、ダメらしいんですよ。落ち着かないの。

安倍:そうなっちゃうんですか!

石川:そうなっちゃうの。しつこいようですけど、ルーズソックスは〈イージースミス〉が元祖と言っていいんですよね。これじゃなきゃダメだったんだ。で、ソックスはクシュクシュですよ。いまでもその癖が残ってて、絶対にクシュクシュさせるもん。

ー 『フイナム・アンプラグド』のスポーツ号も、クシュクシュさせていませんでしたか?

石川:してます(笑)。あと昔のフイナムのフリーペーパーでスポーツ特集やったときも、クシュクシュさせました。

安倍:この撮影のときもやってましたね。

石川:テニスのアンドレ・アガシもクシュっとしてたんですよ。ぼく、よく言うんですけど、あれってキッズの履き方ですよ。アガシをヘビメタとかパンクとか言うじゃない。違う、ただのキッズなの。

安倍:キッズ、いいっすね。

石川:80年代の映画なんかクシュッとさせてるもんね。まあ、今回のメインは〈リーボック〉と〈マウンテンリサーチ〉なんで。ぼくのはあくまで「実はさあ」って話ですから。なんとなく昔話したいだけです。今回、小林くんをインタビューに入れたくないって言ったのは、あいつルーズソックスちょっとわかったりするんで。「顕、あったなそれ」って言われたくないんです。恥ずかしいから。

安倍くんに「なんすか、それ」って言われて、「だろ!」っていうのがいいわけ。ぼくの話をたのしく聞いてくれるんで。まあ、たのしい話。与太話なんで。別に〈イージースミス〉を履いてくださいってわけじゃないからね。ぜんぜんそんなこと思ってないんですけど。

安倍:このルックでは、ルーズソックスじゃなかったですね。

石川:蛍光色のソックスだったでしょ。大冒険。あっちが普通なんだけどね。

ー すごく興味深い話でしたけど、〈リーボック〉を通してルーズソックスの歴史に気づくひとは、なかなかいないでしょうね。

安倍:ぼくら世代だと〈リーボック〉といえば、ポンプフューリーを履いている90年代のビョークなんですよね。

石川:そうだね。世界で俺だけかもしれない(笑)。フィットネスブームなんて、みんなわかんないもん。で、W浅野なんです。でも、ちょっとおもしろい話なんですよ。最終的にはこれの宣伝です。ここ(ヒール部分)、カッコいいんです。だから最初、プレスの石井くんに「後ろだけ撮って、あとは一切撮らないことにしない?」って言ったんだけど、大却下でしたけどね。

右のモデルはコラボレーションの第3弾として先頃リリースされた「CL LEATHER MR」。

ー ベクターロゴもないですよね。

安倍:もともとあったものをすべて排除させていただいて……。ダメだろうなって思いながら聞いたら、意外とすんなり通って。こっちも「えっ!? OKなの!」って。

ー 「クラシックレザー」はモノがモノだけに〈リーボック〉らしさを保っていますが、「DMX Trail Shadow」の方は、パッと見ただけでは〈リーボック〉ってわからないデザインですよね。

石川:コラボでここまでやんないよね。あと、サイズはぴったりを買ってください。なぜなら、ヒールがデカくみえるから。俺も安倍くんも買い直してるんです。走らないから、サイズでかく買うじゃん。大失敗。

でもさ、トレイルランって日本独特のストリートなもんだよね。いま一番日本でストリートな感じがする。スケートボードはオリンピックになった段階で、ただのメディアになっちゃったでしょ。オリンピックに出したい一生懸命な親、嫌いなんですよ。だって、子どもの遊びだぜ。

石川:ぼくの古い友達の有名スノーボーダーがいってたんだけど、「俺、ヘルメットをスノーボードでかぶんないのは、遊びだからです。かぶった段階でスポーツなんですよ、それ」って言っててさ。「どんな技を決めるかじゃなくて、山で一番カッコいいひとになりたいから、俺はヘルメットかぶんないんです」って。それ、すんげえカッコいいなと思って。

だから、トレイルラン、ちょっといい感じ。しかも、(石川)弘樹みたいなひともいるし。あと、アメリカ人でちょっとカッコいいやついるもんな。アントン・クルピチカとか、カッコいいもんな。だから、ぼくはいまトレイルランすきなんです。

INFORMATION

. . . . . Research GENERAL STORE

sett.co.jp/general_store/
※10月8日(木)正午より「. . . . . Research GENERAL STORE」のオンラインストアのみで先行販売。

〈リーボック〉の直営店舗では10月15日(木)に発売予定。

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