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FEATURE
ヒップなあのひと。Vol.6 LOBSTERR
What the hip think about?

ヒップなあのひと。
Vol.6 LOBSTERR

ジャンルを問わず、フイナムがいま、最も話を聞きたい人たちへインタビューする連載企画。2年ぶりにカムバックしての第6回で話を聞くのは、世界中の情報を集めキュレートするウィークリーニュースレター『LOBSTERR』を運営するお三方。動画やSNSが最盛期を迎え、ビジュアルが特に重視される時代において、ニュースレターというプラットフォームと文字だけで情報を届ける意味とは。登録者を着実に伸ばし続ける、古くも新しいメディアの在り方に迫ります。

PROFILE

LOBSTERR

世界中のメディアから「変化の種」となるようなストーリーをキュレートするウィークリーニュースレター。コンパクトな文量で、 ロングスパンの視座を。 皮肉や批判よりも、分析と考察を。ファストフードのようなニュースではなく、 心と頭の栄養となるようなインサイトを。目まぐるしく進む社会のなかで、考えるためのきっかけを週1回、届けてくれる。
www.lobsterr.co

メディアよりも個人をフォローする時代。

左から宮本裕人さん、発起人の佐々木康裕さん、岡橋惇さん。宮本さんはフリーランスの編集者、佐々木さんは「Takram」のビジネスデザイナー、岡橋さんはストラテジックデザイナーと、普段はそれぞれ別の場所で活動している。

ー 最近、まわりからもよく「『LOBSTERR』って知ってる?」って言われたりするんです。

佐々木:うれしい限りです。ありがとうございます。

ー ただ、どこにも情報が出ていないので、本日はいろいろ聞かせていただきます。よろしくお願いします。普段はみなさん、別の場所で働かれてるんですよね?

岡橋:僕はコンサルティングファームで新規事業の仕事などをしています。そちらが本業で、『LOBSTERR』はサイドでやっていて。あと、大学院で教えたりもしていますね。

宮本:僕はフリーランスで編集の仕事をしていて、媒体だと『AXIS』とか早川書房の『SFマガジン』、『WORK MILL』などに携わっています。あと、佐々木さんのおかげでTakramのお仕事もさせてもらっています(笑)。

ー Takramといえば、デジタルなイメージがとても強いのですが、佐々木さんはそこでどんなことを?

佐々木:リサーチとかを結構やっていますね。なので、そういった意味だと『LOBSTERR』と似てはいるんです。岡橋さんもリサーチとかしますよね?

岡橋:そうですね。10年先の未来がどうなるかとか、新しいトレンドが何かについては本業でもリサーチしています。『LOBSTERR』で考えたり、書いていることが仕事に役立っていることはありますね。

ー なるほど。そもそも3人の出会いはなんだったんですか?

佐々木:岡橋さんに関しては、まずお兄さんと知り合いだったんです。2013年の夏にぼくがデンマークに2週間滞在していた時期があって、そのときにお兄さんもちょうどデンマークに留学されていて。そこから5年後くらいに、岡橋さんのお兄さんから突然連絡がきて「弟と会ってほしい」と。初めて会ったのは仕事関連でしたが、すごく印象に残っていたので、このプロジェクトに取り組もうと思ったときにすぐに声をかけました。

宮本さんのことは、前から一方的にTwitterでフォローをしていて。それで、『LOBSTERR』を立ち上げようと思ったときに仲間を集めたかったので、声をかけさせてもらいました。

岡橋:宮本さんは、ぼくのfacebookの友達候補としてよく出てきてたんですよ。共通の知人が多かったんです。なので、最初佐々木さんから宮本さんの名前を聞いたときも「あの人ね!」という感じで。

ー ということは、宮本さんは突然の連絡だったんですか?

宮本:突然でしたね。ただ、前から佐々木さんのことは知っていましたし「Takram」のPodcastもよく聞いていました。なので会ったときに、声だけは聴き馴染みがあったんです(笑)。

ー 不思議な感じですね(笑)。佐々木さんがデンマークへ行かれたのは、どういった理由で?

佐々木:シカゴのデザイン学校に1年間留学していたことがあるんですけど、その前に1ヶ月暇がありまして。で、ヨーロッパをプラプラしていたんですけど、旅行をしていてもなと思って、岡橋さんのお兄さんが行っていた学校のサマースクールへ。

ー デンマークはいろいろと進んでいるイメージがあります。

佐々木:デンマークのネタはよく『LOBSTERR』でも取り上げますよね。

宮本:そうですね。「NOMA」とか食の分野もそうですし、ジェンダーイコーリティとか、クオリティ・オブ・ライフなんかも進んでいるし。

岡橋:デンマークに限らず、北欧のトピックスは結構多いですよね。

ー 『LOBSTERR』のニュースレターは、世界各地のニュース記事をもとに、そこに各人の考察が書かれています。その元となるトピックス自体はどのように集めてるんですか?

岡橋:ニュースレターを何十個も登録しているので、朝起きると受信箱にドバッと溜まっていて。それが主ですかね。あと、僕は『MONOCLE』という雑誌で働いていたこともあって、雑誌も好きです。今でも紙の雑誌は買ってます。

佐々木:ぼくはTwitterが多いですかね。あと、フォローしている方のニュースレターも購読していますね。直接ウェブサイトをフォローしているというのはあまりなくて。

宮本:ぼくはミックスという感じです。ニュースレターもたくさん購読しているし、RSSでメディアを30個くらい登録しています。

佐々木:あと、3人ともが好きで見ているのがダン・フロマーのニュースレターです。昔「Recode」というテック系メディアの編集長をやっていた人で、いまは年間200ドルで週2本届くニュースレターをやっています。ネタも『LOBSTERR』と親和性が高いものが多くて。前、来日したときに、ぼくは行けなかったんですが、2人が会って取材してくれたんです。

宮本:突撃メールをしてね。

岡橋:インタビューとは言わずにコーヒーでも飲まない?と誘って。話している途中に、ちょっとインタビューしていい?ってゲリラ的に(笑)。そのときの様子が今年の一発目のPodcastに収録されているので、ぜひ聴いてみてください。

『LOBSTERR』のポッドキャスト。おすすめの映画や本、買ったものなど、パーソナルなネタも多い。

佐々木:なので、メディアというよりも、そういう個人をたくさんフォローしている感じですね。基本は人ベースです。

INFORMATION

LOBSTERR

www.lobsterr.co

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