FEATURE
ヒップなあのひと。Vol.6 LOBSTERR
What the hip think about?

ヒップなあのひと。
Vol.6 LOBSTERR

ジャンルを問わず、フイナムがいま、最も話を聞きたい人たちへインタビューする連載企画。2年ぶりにカムバックしての第6回で話を聞くのは、世界中の情報を集めキュレートするウィークリーニュースレター『LOBSTERR』を運営するお三方。動画やSNSが最盛期を迎え、ビジュアルが特に重視される時代において、ニュースレターというプラットフォームと文字だけで情報を届ける意味とは。登録者を着実に伸ばし続ける、古くも新しいメディアの在り方に迫ります。

たまに読むとか、読み返すとか、関わり方はそれぞれでいい。

ー ちなみに、コロナ禍で何か変化はありましたか?

宮本:ひとつ面白かったのが、コロナが始まってからすぐのタイミングで、韓国の読者がハングルで「日本のこのニュースレターが面白い」とツイートしてくれたことでした。「コロナが始まってからのキュレーションが特にいい」と。

佐々木:あれはうれしかったですよね。彼はおそらくグーグル翻訳で読んでるんですよ。どこで知ったのか謎だけど。

岡橋:コロナになって、みんな何が正解なのかとか、どうなるのかがわからない状態になりました。そうなったときに、新しいトレンドやバズワードにただ飛びつくだけじゃなくて、その周りや背景にどんなことが起きているのかとか、歴史的な文脈から紐解いてみようとか、そういう意識が大事だと思うし、ぼくらもやってきたつもりです。だから、そのツイートは、自分たちは何のためにやっているのか、というのをより意識させられる体験でした。

ー 『LOBSTERR』でこんなことをしたいとか、アイデアはありますか?

佐々木:本を出したいとか、コマースやりたいとか、場所を持ちたいとか、妄想はいろいろあります。『MONOCLE』はストアがあったりするし、「SPBS」みたいに売り場があって奥に編集部がいて、そこにぼくらがいるとかもいい。2,3年後にそういうことができたらいいですね。

岡橋:でも、そのためには資金やリソースが必要になるので、そういうこともあってまずはコミュニティを作ったり、徐々に広げてやっていくという感じですかね。

ー まずはコミュニティからということですね。そもそも、なんのためにやっているかという目的みたいなものはあったりするのでしょうか?

佐々木:楽しいからやっている。それにつきますね。

岡橋:無理せず、楽しくやるっていうのが一番。

佐々木:高邁な精神があるかというとそういうわけではないですけど、1年半やって思うのは、ちょっと責任みたいなところが出てきた感じもあって。これやめられないなと(笑)。マイクロコミュニティも、募集のときに参加のモチベーションみたいなのを書いてもらってるんですけど、長いのとかもあって。あと、月曜日が毎週楽しみです、という意見もたくさんいただいてます。先ほどスイッチャーの話をしましたが、月曜の朝と『LOBSTERR』の朝が分かち難く紐づけられているなと感じる部分もある。あまり義務感を感じるのは良くないんですけど、とにかく自分たちが楽しいというのが一番大事ですね。

岡橋:僕はそれを行き来している感じです。読者からの期待があるというのももちろんわかるしうれしい。ただ、それを一旦横に置いて、いま自分が何を書きたいのか、どういうことに興味があるのかというのを、まずは自分モードに戻してやるという。

佐々木:今週こういうの取り上げられるのが求められているんだろうな、と思うこともあるけど、それは書かないようにするとかもあります。あまのじゃくでいたいというか。

宮本:僕はメディアの仕事もやっているので、読者からの声をもらえるのが一番うれしいですね。

ー それでは最後に、読者に向けたメッセージがあればお願いします。

佐々木:いつもありがとうございます、ということと、あとはみなさんにとって心地よい関わり方を見つけてほしいです。仕事のスイッチャー的に読んでくれてもいいし、あえて読まずに貯めておいて、まとまった時間があるときに読んでくれてもいいし。

岡橋:それに加えると、毎週読んでくれるのもうれしいし、Podcastを聴いてくれるのもうれしいです。でも無理せずに、時々読むとか、読み返すとか、そういう関わり方でもいいなと。

宮本:そうですね。ぼくも、全部は読まなくてもいいと思っています。毎週長いので。10個のネタの中で、興味あるネタが1つでもあって、それが読者のひとたちのインスピレーションになってくれたらすごくうれしいなと思います。

INFORMATION

LOBSTERR

www.lobsterr.co