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今年のダウンはナンガが正解!? 3名のスタイリストと考える、街で着るダウンの法則。
3 Styles with NANGA.

今年のダウンはナンガが正解!?
3名のスタイリストと考える、街で着るダウンの法則。

“機能”を一番のプライオリティに据え、アウトドアフリークにファンの多い国産寝袋メーカーにして、日本随一のダウンブランドである〈ナンガ(NANGA)〉。真似したくてもできない高品質のダウンを生み出すその技術をベースに、ファッションという価値を上乗せして、近年は多くのブランドやショップの別注アイテムを展開しています。では、実際にどう合わせたらいいの...? というわけで、3名の人気スタイリストに、〈ナンガ〉のこと、そしてダウンジャケットを街で着こなす時のコツを教えてもらいました。

Ryota Yamada with TAKIBI DOWN JACKET

PROFILE

山田陵太

1980年生まれ。小沢宏氏に師事後、2007年に独立。雑誌やタレント、ブランドのカタログやショーでスタイリングを手掛けるなど、業界から厚い信頼を集める。プライベートではバスケが趣味、二児の父親。
instagram@ryotayamada______

オーバースペックもひとつのデザインとして考える。

ー 最初に〈ナンガ〉のことを知ったのはいつ頃ですか?

山田: 2、3年前だと思います。〈エフシーイー(F/CE.®)〉など、いろいろなブランドと別注アイテムを作っていて、知り合いとの話の中でも当たり前のように〈ナンガ〉の名前が出ていたので、国産ブランドであることも含めて、自然と耳に入っていました。ブランド自体はいつからはじまってるんですか?

ー 1941年に羽毛布団作りからスタートし、70年代からは寝袋をメインとしたアウトドアアイテムに移行したそうです。ダウンには日本の羽毛メーカーとして知られる「河田フェザー」の羽毛を使用し、自社工場も持っています。

山田: 1941年って戦前じゃないですか! れっきとした老舗ですね。寝袋が70年代ってことは、いわゆる第一次キャンプブームに合わせて作られたのかな。そもそも〈ナンガ〉って日本語ですか?

ー “人喰い山”“死の山”として恐れられている「ナンガ・パルバット」という世界で最も登頂が困難な山から引用しているみたいです。〈ナンガ〉にどんなイメージを持っていましたか?

山田: すごく売れているイメージがあります。先ほど話した〈エフシーイー〉だけでなく、セレクトショップとも結構コラボしていますしね。デザインもいわゆるアウトドア然としすぎず、ちゃんとファッション性も考えて作っているんだなって印象を受けました。劇画タッチのロゴもいまに合ってる気がします。

ー この「タキビ ダウンジャケット」は難燃性、つまり焚き火の火の粉に強い素材・アラミド繊維を使用しています。アラミド100%だと生地がゴワゴワしてしまうので、〈ナンガ〉では着心地も考えた配合にしているそうです。

山田: たしかにナイロン系の素材だと、火に当たるとすぐ穴が空いてしまいますしね。770フィルパワーもあるのにかなりコンパクトですし、いい意味でそこまでボリューム感がないのは街でも着やすいと思います。

ー 街と山で両用できそうですよね。ところで、キャンプはされますか?

山田: したことはありますっていう程度で、本格的にギアを揃えてやるまではいってないですね。結構してるって思われてるんですよ。髭=キャンパーみたいな(笑)。

ー (笑)。ここ数年、暖冬の年も多いですが、ダウンの必要性についてはどう思いますか?

山田: スタイリストという職業柄、外でのロケ撮影もあるのでダウンは必需品ですね。やっぱりダウンってスタイルを問わない部分があると思うんです。Bボーイからサラリーマンまで着るわけですから。でも、2、3年前のダウンブームは少し落ち着いてきた感がありますよね。

ー ひとえにダウンと言っても、ファッションブランドの提案とアウトドアブランドでは違いがあります。仕事柄両方を見る機会が多いと思うのですが、それぞれの違いをどう感じますか?

山田: ダウンのアイテムってそれなりに値段がするものなので、1シーズンで買い換えるものではないですし、買ったら何年も着続けるもの。そういう意味では、ファッションブランドのダウンはいまの気分が反映されている分、シーズン物になりがちですよね。個人的には着るものをころころ変えるよりも、ひとつのものを長く着たい派なので、この「タキビ ダウンジャケット」は普遍的なデザインだなと。そして、このクオリティでここまで値段を下げられることにも魅力を感じます。おそらくファッションブランドでこれを作ると軽く10万円を超えてしまうと思うので。

ー たしかにアウトドアブランドで、素材開発から縫製まで、すべて自社で完結させられるのは大きな強みです。ただ、アウトドアベースなだけあって、街着としてはオーバースペックかもしれません。

山田: 個人的には、最近よく耳にする“リラックス”とか“着心地がいい”っていう服に対して、そんなに魅力を感じていなくて、それこそコートも重い方が好きだったりするんです。軽いのもいいんですが、重い分“着てる”っていうのをより感じられるというか。備えあればじゃないですけど、このダウンは難燃性の素材を使っている分、いい意味で雑に扱っても大丈夫なように、フリをしている服、つまりそれとなく機能を持ちあわせたものより、オーバースペックでもしっかり備わっていると安心感があります。

ー とくに難燃素材って、街で着る分にはほぼ活躍する機会がないですしね(笑)。

山田: 火の粉に遭遇することはまずないですからね(笑)。ですが、機能はさておき、素材が生み出す質感もひとつのデザインになってると思います。〈ナイキ〉のエアーも最初はスポーツ目線だったのが、いまやデザインのひとつとして捉えられているわけですから。「なんでランニングシューズを街で履いてるの?」なんて言う人はもういませんし、このダウンも同じですよ。オーバースペックかどうかではなく、ひとつのデザインとして見たときに面白いかどうか。ギアっぽいからこそ、そうでないものと合わせたときのミスマッチ感が面白かったりすると思います。

ー 今日の着こなしにおけるポイントはありますか?

山田: 僕がアウトドアアイテムを着るときは、スラックスとか機能的にハイ&ローみたいな合わせ方をすることが多いですね。同じトーンというよりは、違うカテゴリーのものを差し込みたくなるんです。これは仕事でも同じですね。ジャージに革靴を合わせるみたいな。

ー チェックのスラックスって意外な合わせの気がします。

山田: ダウンって一枚着るとそれだけで上半身が完結してしまいがちなので、パンツに柄を入れたり、丈の違うトップスをレイヤードして寂しくならないようにしてます。ジップを開けて着るのも街着ならではで、首元だけ閉めるのも面白いですよね。サイドのスリットからインナーをチラッと見せるのもポイントです。レイヤード感がわかるように、ダウンの下に薄いコートを着ようとも考えていました。

ー 細かなところに気を使った上級者ならではの考えですね。

山田: モノトーンでもいいんですけど、できれば色味のあるものをレイヤードしたり、丈感の違いで遊ぶのを意識するといいと思いますよ。僕はTシャツとかクルーネックのアイテムが多い分、下は上品にっていうのがマイルールです。

TAKIBI DOWN JACKET 各¥60,000+TAX(ONLINE STORE

難燃性の高いアラミドを配合しながらも、ナチュラルかつ着心地も担保した、火に強く防寒性の高いヘビーデューティなダウンジャケット。770フィルパワーある〈ナンガ〉独自の高品質ダウン・UDD(超撥水ダウン)を採用しており、雨天時でも保温力の低下を防いでくれる。手ぶらでのタウンユース時にも便利な収納力のある10個のポケットやサイドベンツなど、機能的なディテールを搭載しており、ユーティリティ性も高い。ボリューミーなフードは気分によって取り外せる着脱式。全5色展開。

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