PROFILE
セレクトショップ「エディフィス」にてバイヤーを務めた後に独立。自身の活動を経て、2015年に「レショップ」を立ち上げる。2019年よりオリジナルレーベル〈LE〉を始動した。
PROFILE
セレクトショップで、デザイナーとして活躍。その後独立し、フリーランスのデザイナーとしていくつかのブランドの立ち上げなどを経験しながら、2011年に〈コモリ〉を立ち上げる。〈LE〉では監修役を務める。
時代がまた戻ってきている気がする。
ー 今回は〈LE〉でダウンジャケットをつくられたということで、その経緯を教えてください。
金子: ダウンはやってみたかったんです。ちょうど昨年、久しぶりにダウンを買って。長い間着てなかったんですけど、着てみるとやっぱり便利なんですよ。一度袖を通してしまうと、冬はそれだけで過ごしちゃうというか。だから〈LE〉としても一着つくりたいな、と。
ー 今回もいつものように元ネタがあるのでしょうか?
金子: そうですね。フランスの某ダウンブランドの名品「P」をモデルにしています。僕のなかでダウンの定番といえばこれで。20年以上前かな? 「エディフィス」で扱ってたんですよ。小森さんと話していて、ダウンの定番といえばコレだよねっていう共通の認識があって。
小森: 当時、テーラードジャケットの上にこれを羽織るっていうスタイリングが流行ってましたよね。〈フェリージ〉のカバンとか持って。


金子: 今、ダウンを買おうとすると、意外と選択肢が狭いことに気づいたんですよ。アウトドアブランドのスポーティなものが多いし、あとは高級ダウンブランドのアイテムしかなくて。そういう意味でこの「P」はすごくバランスのいいアイテムだったんです。スーツの上からも着られるし、カジュアルにも着られる。あれ以上のダウンはないって小森さんと話してました。
ー カジュアルなアイテムというよりも、ドレスに合わせるようなアイテムだったんですか?
金子: というより、ドレスにも着られるし、カジュアルにも着られるアイテムでした。ワークジャケットに合わせる人もいれば、クラシコ・イタリアみたいに合わせる人もいましたし。ちゃんと高品質で、おそらく山でも使えるくらいのクオリティなんだけど、それが日常に落とし込まれていて。
ー 日本でそういう着方をされていたんですか?
金子: そうですね。海外ではそういうのをあまり見なかったです。
ー 当時はお二人とも着ていたんですか?
小森: 着てました。緑色のやつでした。

金子: 僕は同じブランドの別モデルを着ていました。立ち襟でフードがないやつ。生地に光沢があってビカビカのやつでしたね。「P」はもうちょっと洗練されたアイテムでした。ミリタリーのM-47(フランス軍のパンツ)に合わせて提案しているショップもあったりして、お洒落でしたね。実はいま、M-47って古着市場で価格が高騰してたりするんですよ。だからまた時代が一周して戻ってきてる感覚もあるんです。