Case 1 Town by 豊島 猛

PROFILE
1983年生まれ。甲斐弘之氏に師事した後、2009年に独立。メンズファッション誌を中心に、ブランドのカタログや広告など幅広い分野で活躍する。
都会的なシンプルモノトーンコーデの中に、仕掛けあり。



アウター:〈ジャック・ウルフスキン〉、インナー:〈クレプスキュール〉、パンツ:〈ジル サンダー〉、靴:〈ニューバランス〉、キャップ:ノーブランド
ー さまざまなアウターが〈ジャック・ウルフスキン〉(以下、JW)から出ていますが、そのアウターをチョイスされたのはなぜですか?
豊島:街での着用を考えた時に一番使いやすそうだなって思ったのがこのコートでした。余計な装飾がなく、ミニマルで都会的なスタイルが目に付きましたね。いい意味でボクの中のJWのイメージを覆してくれる一着というか。
ー 豊島さんの中でJWはどのようなブランドイメージでしたか?
豊島:ガッチガチのアウトドアブランドです。ぼくらの世代だと、イメージが完全に登山ブランドなんです。登山やトレッキングで使えるタフで無骨なブランドって感じでしょうか。なのでこの都会的なコートのギャップは結構衝撃的でした。
ー JWに対するイメージと、実際のアイテムとが乖離している中、どのように着こなしていただきましたか?
豊島:スタイリングするにあたって、まずはブランドに対する先入観を捨てました(笑)。見た目の衝撃とともにもうひとつ衝撃だったのが手に取った時の“軽さ”です。パッと見は文字通り重衣料なのですが何しろ軽くて。軽い、重いって意外と街着として使うにあたって重要で。その軽さを表現したくてコーディネートの色使いに気を使いましたね。

ー モノトーンでうまくまとめられているなという印象でした。
豊島:そうですね。ただコーディネート全体のグラデーションを意識しています。とはいえそんなにムズかしい話ではないですが。ジャケットとキャップは濃いグレー。トップスとシューズは薄いグレー。パンツは白。濃淡で3色使い分けました。単純に白黒のモノトーンだとアウターは重たくなるのですが、この色合わせなら軽やかに見せることができます。
ー アウター以外にキーとなるアイテムとかはありますか?
豊島:パンツですね。スタイリングって割とパンツで決まってくるところがあって。今回のアウターは都会的な見た目で、なおかつ少し細身でシュッとしています。だからパンツは太目を選んでシルエットのバランスをとりました。あとはコーディネートの中で一番明るい色にすることで、アウターに負けない存在感を持たせています。白黒はっきりしたモノトーンではなくグレーと白のモノトーンは、全体がボヤけてしまいがちです。メリハリある着こなしを意識するのなら、上半身と下半身それぞれにアクセントを置いてあげるのがキモですね。


ー コート自体は実際に着てみていかがでしたか?
豊島:まず先ほども言った通り軽い。そして暖かいですね。700フィルパワーというスペックも街着として程よく感じています。あと気になったのは、テキサポールエコスフィアというJWオリジナルのリサイクル機能素材です。防水性や透湿性などあまり求められる環境に行かないですが、男としてやはりそういう機能性って気になっちゃいますね。

Jack Wolfskin
RSD基準を満たした700FPの高品質ダウンがたっぷりと封入されながらも、すっきりとした都会的なデザインに仕上がったダウンコート。メンブレンが100%リサイクル素材というアウトドア業界初のオリジナル防水透湿素材「TEXAPORE ECOSPHERE(テキサポールエコスフィア)」を採用しており、フィールドにも十分対応する。街でも山でも着られて、サスティナブルに対するこだわりが随所に見られる。
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