「ここで真っ赤なコートを着てバックテールしたら渋いな。でも飲み屋に着いたときはベロアのカットソー1枚で暴れたいな。しかもエメラルドのベロアで」みたいな超感覚でつくってる。(上野)

中井:いま伸平君は東京にいて、ファッションという面でも世界トップレベルの人と触れ合う機会があると思うんですが、どう? やっぱりすごいの?
上野:やっぱり凄いよ。俺らはスケートに対するこだわりっていっぱい持ってるやん? 例えば着地の時の膝の入りかただったり、1オーリーの登り方だったり、そういった細部のこだわりを服に落とし込んでいるプロフェッショナルな人達がいる。
中井:伸平君はそのスケートの撮影の時のこだわりをファッションにも落とし込めてる?
上野:まだまだ届かない部分もあるし、レベルは違えど同じくらい好きな感覚でやれてる。好きじゃないと出来ないし、楽しんでる。
中井:アイデアはどうやって湧いてきているんですか?
上野:ブランドによって服のつくり方は様々やと思うけど、俺は自分が着てスケートしたくなる物をつくってる。「ここで真っ赤なコートを着てバックテールしたら渋いな。でも飲み屋に着いたときは脱いで楽なベロアのカットソー1枚で暴れたいな。しかもエメラルドのベロアで」みたいな超感覚でつくってる。ビンテージの服とか和服とかからもインスパイアはされてるし、アートブックで綺麗だと思ったカラーの配色とかも反映させたり。要はアイデアって普段自分がどれだけインプットしてるかによるんやと思う。
中井:結局、ファッションってスケーターにとってのバトル・ドレスなんですね。それを着てスケボーする事でスケーターがかっこよく見える。で、その構図が正にファッション。
上野:俺にとってスケートボーディングはファッションで言うランウェイやと思っていて、ファッションをスケートボードで体現してる。スケートを信じる俺らにとってはそれが1番カッコいい。そうやって初めてスケートをしない人の手に取ってもらえると思うから。
中井:うわ、最後に鳥肌たった。忙しい中ありがとうございました。またすぐ会いましょう!
上野:こちらこそありがとう!
