スタイリストの2人が見出すフューズの特異性。
ー 小松さんが気になるアイテムはどの辺でしょう?

小松:このカーゴパンツ。本来、男くさいアイテムなのに、素材と色で繊細なムードに仕上げているのがとてもいい。優しいミリタリーです。探してもなかなか見つからないですよ。
鈴木:これはまず、マイクロリップストップの生地と色から選んだんです。後から、それをカーゴパンツにしようと決めました。素材によって、そのものがまったく違う表情になるから面白いですよね。

小松:このピンクのアウターも、気になってます。デザインモチーフはアノラックだけどディティールはミリタリーですよね? そこにこのペールトーンのパープル。グッと綺麗な印象になっているし、メンズではあまり見ない色。
鈴木:シュリンクさせたシワ感の加工も、優しい雰囲気の理由になっているかと思います。
小松:全体的に、アウトドアやミリタリーの印象を覆すような素材選びをされていますよね。あえて真逆の要素を持ってくることで、モダンな印象に仕上がっているというか。
ー 片貝さんはどうでしょう?

片貝:この柄が断然、気になります。
ー たしかに、片貝さんっぽいです(笑)。
鈴木:これはバティック柄をモチーフに、色味やディティールに手を加えながらデザインしました。
片貝:ほかのアイテムがフラットな分かなり個性的に感じます。
鈴木:たまには柄を着たくなりませんか? 自分が着たいと思った柄は、少量だけコレクションに取り入れるようにしているんです。かといって特別なシーンを想定しているわけではなく、気が向いた日にさらっと着られるように。

片貝:日常の中で、突然やってくるピリッとしたい感、わかってしまいました。「毎日同じ服がいい」なんて言いましたが、単調になっていると突然、柄が着たくなることがあるんですよね。ぼくも最近、一癖ある柄物に飛びついてしまうことがあるし、なんなら豹柄も好きになりましたからね(笑)。