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西野大士と西又潤一が語る “脱構築”を目指すダンヒルの軌跡とこれから。
Restructuring the past for the future.

西野大士と西又潤一が語る
“脱構築”を目指すダンヒルの軌跡とこれから。

イギリスを代表するラグジュアリーブランド、〈ダンヒル(dunhill)〉。今シーズンのSSではクラシックなメンズウェアのルールを「脱構築」し、インスピレーションから創作に至るプロセスを新たに「構築」したコレクションを展開。さらに2021AWでは、今までにない斬新なルックを公開し、ファッションワイズにも大きな衝撃を与えている。今回は同年代という〈ニート(NEAT)〉の西野大士さんと、スタイリスト西又潤一さんに〈ダンヒル〉のこれまでのイメージとこれからの展開に関して、対談形式で語っていただきました。

  • Photo_Hiroshi Nakamura
  • Text_Yasuyuki Ushijima
  • Edit_Yuri Sudo

新たな価値観を生み出した2021AWは若年層にもしっかり刺さる。

ー お二人には2021AWのルックとイメージビデオを見ていただきましたが、どういった感想を持たれましたか?

西又:なんとなく、殻を破ったというか……。今まではダンディズムを追求して男らしい孤高なイメージがあったし、色使いもモノトーンやネイビーとかダーク系のカラーが多かったような印象でした。ただ、この2021AWをみて純粋に驚きましたね。かなりモダンになったというか。いい意味で“今っぽい”感じになった。

西野:そうですね。ルックでもキャップを被ったり、フローラル柄みたいな色鮮やかなアイテムをアクセントに入れたりして……。本当に同じブランドなのかなと思うぐらい、ガラッと印象が変わりました。

西又:クリエイティブ・ディレクターは変わってないですよね?

西野:変わってないですよ。マーク・ウェストンのままです。ホント、心境の変化があったような変わりよう(笑)。

西又:もちろん、千鳥格子柄やテーラリングの技術など伝統とかクラシックという部分を残しつつもモダンなアプローチを入れてきたところは、かなり勇気がいることだったと思います。でも、いい意味で伝統から脱却できたんじゃないかな。

西野:これまでのユーザーを置き去りにするような感じではなく、伝統的な良さも残しつつクラシックとモダンがいい割合で調和した感じですね。ストリート感を足したような感じっていうのかな……。これは素直にお洒落だなと思います。

西又:たしかに、ストリート感は出ましたね。パンツのシルエットとか、裾部分のあしらいとかモダンなデザインですよ。

西野:これで“紳士を極めるダンディズム”といった敷居の高さが、少しは緩和された感じがします。

ー 敷居の高さはなんとなく払拭できたと思いますが、もっと若年層へアピールするためにはどんなアプローチが必要だと思いますか?

西又:ランウェイを含めたショーピースで考えるとアクセント的なデザインやカラーに目が行きがちですが、オーセンティックというかベーシックなアイテムも完成度は高いんですよ。

西野:なるほど。2021SSのアイテムでもみたように、みんなに馴染みのあるミリタリーとかハンティングとかのアイテムもラインナップされていますからね。

西又:そこなんですよね。象徴的だったりアイコニックなアイテムが際立つんですけど、デイリーに使えるベーシックなデザインのアイテムでは“他ではありそうでなかったもの”も展開されているんですよ。なかなかスポットライトが当たらない部分なので、〈ダンヒル〉に興味を持った人はそういうところもチェックしてほしい。色使いも繊細でキレイなんですよ。

西野:2021AWのルックだとブルーグレーとか繊細でいいですよね。

西又:2021AWのアイテムもルックだけじゃなく、実際に手に取ってチェックしてみたいですね。シルエットとかサイズ感とか。

西野:確かに。モデルさんが着た感じと、実際に単品でみたときのイメージはかなり違ってきますからね。

西又:スーツやテーラリングにはイギリスブランドとしての誇りがあると思うので、それは継続しつつもスーツの生地を使ったカジュアルなアイテムを作っていけば、面白いかもしれないですよね。

西野:実際、SSのアイテムでも裏地を表地に使うみたいなデザインは出ているので、そういった方向性もありだと思います。服好きな人のポイントをおさえたデザインは取り入れられているので、細部まで注目してほしいです。

西又:ルックでみたキャップやロゴを使ったTシャツなどアイコニックなアイテムも登場しているので、そういったアイテムなら今まで〈ダンヒル〉に触れてこなかった世代や若年層も着やすいのかな。

西野:なるほど。確かに〈ダンヒル〉からは“シグネチャーコレクション”というロゴのデザインを使用したロープライスのレザーアイテムも展開されていますよね。そういうわかりやすいアイテムのほうが、若い世代には響くような気がします。もちろん〈ダンヒル〉はブランドとしての信用性も十分担保されているので、手に取って見ればモノづくりのクオリティの高さも感じられるはずですね。

西又:そういったラインだと手に取りやすいですよね。ただ“イイモノ”は価格帯が少し高くても買うと思います。価格が安くてもいらないものは買わないし。アイテムのクオリティやモノづくりの基本はしっかり押さえられているので、2021AWのルックをきっかけに、若い層にも“〈ダンヒル〉ってこんな感じだったんだ”というのが広まると面白いかな。

西野:2021AWを見た人に新たな価値観が芽生えることを期待したいですね。

INFORMATION

dunhill

公式ブランドサイト
公式インスタグラム

問い合わせ先:ダンヒル
電話番号:0120-914-675

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