ファッションは専門外。
だからこそ、かっこいいものを身につけたい。
PROFILE
1991年生まれ、東京都出身。学生時代からの友人たちと結成したロックバンド「OKAMOTO’S」のドラマーとして2010年にデビュー。幅広い音楽的素養を活かし、DJとしても活動中。自身でエキシビションを手がけるなど、クロスジャンルな活躍で現代のカルチャーシーンを牽引している。4月7日には2021年第4弾デジタルリリース『M』の配信がスタート。
Instagram:@okamotoreiji
ー 本日は、古着をメインに扱う渋谷のショップ「BOY」で撮影させていただきました。こちらには、プライベートでもよくいらっしゃるようですね。
店主のTOMMYくん(奥冨直人)とは、もう10年以上の付き合いなんです。一緒にイベントをやったり、同じイベントでDJをやったりすることもあって、店の外でもかなり頻繁に会っていますよ。
ー 渋谷に来ると決まって洋服を買いに立ち寄る店のひとつ?
洋服を買いに来るというよりは、TOMMYくんやここに集まるひとたちに会いに、という感じ。決まった店で洋服を買ったり、特定のブランドを常に追いかけたりといったことは、あまりしないかもしれません。
ー OKAMOTO’Sのバンドメンバーのみなさんは、ファッションスタイルについても注目される機会が多いように思います。レイジさん自身がファッションに目覚めたのは、いつ頃のことですか?
それこそ、TOMMYくんが10年前くらいにやっていたイベントに遊びに行ったときです。その頃は、洋服なんて少しも興味なくて、レコードばかり買い漁っていました。でも、そのイベントに来ていた同い年くらいの子たちが、みんなオシャレで、いい雰囲気だったんですよね。それでふと、「俺はこのまま頑なに音楽だけやっていたら、ただ音楽に詳しいだけのおっさんになっちゃうんじゃ……」って思ったんです。どれだけ音楽の知識があっても、ほかのも伴ってないとまったく説得力がない。そういう意味で、なかば音楽のために、ファッションについてきちんと考えるようになりました。
ー あくまで本業の音楽のため、と。ファッションへの目覚めとしては、かなり冷静な視点ですね(笑)。レイジさんは、そんな風に自分をいつも客観視していて、世間からの見え方には人一倍気をつかっている印象があります。
そのときどきのイメージコントロールは、たしかに大切にしています。着る服ひとつとっても、今日はどんなひとに会うのか、どういったイベントに出演するのか、そうしたことを念頭に置いたうえで決めるようにしています。
ー そのこだわりはライブステージでのパフォーマンスにも通底していますか?
いや、そこだけは偽らずにいられるんですよ。ロックバンドをやっているときの自分だけは、100パーセント、素の状態。ファッションにしてもSNSにしても、俺の人生にとっては、最悪無くても成立するものです。俺のやるべきことは音楽であって、たくさんの音楽を聴いて、よりよいアウトプットをすること。音楽以外のことは、必須要素じゃない。でも、だからこそ、着こなしがかっこいいに越したことはない。SNSにしても、やるからには努力しておもしろいコンテンツを届けたい。そんな風に思っています。
ローテクとハイテクのちょうど中間。
ー 〈カルフ〉のことは知っていましたか?
たしか、うちのメンバーも履いてたんじゃないかな。最初に〈カルフ〉を知ったのは、小袋成彬が履いてたのを見たとき。「珍しいの履いてるね。どこの?」って話をしたのを覚えています。身近に、けっこう履いてるひとが多くて気になってました。
ー そうなんですね。どんなイメージを持たれていましたか?
印象としては、ポップだけど、決してチープじゃない感じ。100年以上続いているブランドとは知りませんでしたが、その歴史の長さにはうなずけますね。
ー 実際に履いてみていかがですか?
デザインだけじゃなくて、クッション性もいいですね。走れそうな感じ。今日履かせてもらったカラフルなモデルだけじゃなくて、モノトーンのものもあるそうで、それも気になります。こういうローテクとハイテクの中間みたいなスニーカーが個人的には好きです。
ー 今年30歳(早生まれのため31歳)になったそうですね。人生の大きな節目のひとつと言えますが、30歳になってから新しくはじめたことなどはありますか?
最近、フットサルを始めたんですよ。体を動かしたくて「試しに」くらいの気持ちではじめたら、かなりハマっちゃって。ずっと音楽一筋でやってきたので、まともにスポーツしたことなかったんです。感情を高ぶらせて大声を出すみたいなのって、ライブでダイブしてる感覚とも似ていて、そこもいいのかも。ハードコアで、パンクですよね(笑)。スライディングとかすると、チームメンバーから「いまのは間に合わなかったけど、めちゃくちゃ意味のあるスライディングだよ! チームの士気につながるから、そういうのどんどんやってこう!」なんて言われる(笑) 週に1回20人くらいが集まって、けっこう真剣にやっていますよ。