PROFILE
2004年より原宿の古着屋「ベルベルジンアール」のスタッフとして勤務。接客はもちろん、買い付けやさまざまなプロジェクトに関与。同店に所属しながら、2017年には自身がオーナーを務める「オフショア」をオープン。新品とブランド古着を上手にブレンドする一方、コーヒーショップやアートギャラリーとしての側面も持ち合わせ、同店の運営にも尽力している。
影響を受けたもの、好きなものをミックスしたお店。
ー 的場さんは20歳の頃からずっと原宿にいらっしゃるそうですね。
的場:そうなんです。いまは「ラボラトリー/ベルベルジンアール」という店名に変わっていますが、20歳のときに「ベルベルジンアール」というお店で働きはじめて、現在もそのスタッフとしてお店に立ったり、さまざまな企画に関わりながら仕事をしています。もう17年勤めていますね。一方で4年前にこの「オフショア」をオープンして、こちらは完全に自分のお店としてやっています。
ー 「オフショア」は、「ラボラトリー/ベルベルジンアール」とはまったく異なる雰囲気がありますよね。店内構成もハイブランドのアーカイブや、新品の取り扱い、あとはコーヒーショップも併設されています。
的場:そうですね。自分が影響を受けたもの、好きなものをうまくミックスしながら、自分らしいお店にしたいと思っていて。でも、ベースにはやっぱり古着が好きという気持ちがありますね。

ー このお店を立ち上げたのはどうしてなんですか?
的場:「いつか自分のお店をやりたい」という漠然とした思いがあったんですが、いろんなタイミングが重なってそれを実行に移したのが2017年でした。ぼくのなかでは「ラボラトリー/ベルベルジンアール」に所属しながら、自分のお店を開くというのがひとつのミッションだったんです。
いまでこそダブルワークは当たり前になっていますが、当時のファッション業界で、それはある種の禁じ手のようなムードがありました。それを打破したかったというか、自分が率先して体現したかったんです。
ー オープンから4年が経過して、なにか変化はありましたか?
的場:いろんなことが起こった4年でした。それはお店としてもそうだし、社会も4年前とはまったく異なっていますよね。そうしたなかで、続けることの難しさと大切さを学ぶことができました。この4年間、当たり前ですけど順風満帆とは言えなかったんですよ。いろんな失敗も経験しましたし。でもそうした困難を乗り越えながら地道にできることをやっていったんです。昨年、コロナウイルスによってたくさんのお店が打撃を受けました。うちも例外ではなかったんですが、この4年でいろんな苦難を経験してきたからこそ、コロナ禍のなかでもやっていけているのかなと思います。