コラボバッグを通じて、ストリートバサーが増えて欲しい。
古家:以前に別レーベルの〈プランビーマスターピース〉として、〈ザ モンゴリアンチョップス〉のお2人がやっている別レーベル〈ボクハタノシイ(BOKU HA TANOSII)〉とショッパーや店舗全体を赤く染めるコラボをさせていただきました。今回は「お互いが本気のカバンをつくろう」と。
山本:「それやったら」と、マッドに提案させてもらったのが〈タスフ〉。ぼくらの中でも釣りはひとつのライフワークになってて、「絶対に面白いもんが出来る」と思って提案させてもらってん。
安藤:ブランドネームの“TASF”は“ツール・アシスト・スーパー・フィッシング”の略で、その名の通り“素晴らしい釣りをサポートする道具”って意味で。
古家:〈タスフ〉って最初は〈ザ モンゴリアンチョップ〉の1アイテムから始まりましたよね。その頃のコーチジャケットとか持ってます。
山本:嬉しい、ありがとう。最初は〈ザ モンゴリアンチョップス〉で釣りをモチーフとしたアイテムをつくったときに、“タスフ”っていうキーワードをグラフィックに載せてて。2シーズンくらい経った頃にちゃんとタグをつくって、ブランドとしてスタートしたのが2018年の秋冬からかな。
安藤:その頃はバス釣りもまったく流行ってなかったし、いまより〈ザ モンゴリアンチョップス〉の知名度も低くて。〈タスフ〉の最初はまったく売れへんくて、ぼくらも「どうしたらええねん」ってなってて。
山本:そうやったな。何をしていいのか分からんシーズンが続いたけど、“バスヌード”ていうグラフィックをきっかけにブランドを知ってもらえて。
古家:女体と魚体が並んだ名作的なデザインですよね!?
山本:知っててくれてたんや。その“バスヌード”のTシャツをリリースしてから、ぼくらがやるべき方向性が見えてきてん。
安藤:〈タスフ〉は当初アウトドアに寄ったアウトプットやってんけど、ここから釣りを軸としたストリート色のあるプロダクトを出していこうと。
山本:釣り業界が生み出すアパレルとファッションブランドがつくるフィッシングウエアって、同じようでいてまったく別のものやん。ぼくらが思うのは後者。もっと自然に持てて、テンションが上がるものにしたくて。今回のコラボバッグも「これを持ったら釣れそう」と思ってもらえるようなものにしたかってん。
古家:だからこそ普段でも持ち運べるようなデザインがベースになっていたんですね。
安藤:バックパックもショルダーバッグもデザイン的にはベーシック。そこにぼくらの思う釣りに役立つディテールを落とし込んだ感じかな。
山本:ぼくらの釣りスタイルって小学生の頃から、いわゆる“陸っぱり”といわれる気軽に野池に行くような感じやってん。その軽い乗りがストリートなんちゃうかと。
安藤:それがデザインに出てるんちゃうかな。でもその“陸っぱり”って言葉がダサいよな。
山本:それが釣りの人口が増えないひとつの理由なんちゃうかなと。だからこそ“ストリートバサー”って言葉をもっと普及させたいねん。バサーって“ブラックバスを釣るひと”っていう意味やけど、それをストリートに置き換えることで、もっとバス釣りが身近な存在になってくれるのかなと思って。
古家:今回のコラボバッグを通じて、釣り人口が増えるお手伝いができたら最高ですね。
山本:また一緒に釣り行こうや。ぼくらもやけど、1回ハマると毎日のように釣りのことばっかり考えてまうから。
安藤:ホンマにそう。最初は仕事の息抜き程度で釣りしてたけど、いまは年に数回のペースで琵琶湖に足を運んでて、また週に必ず1回は淀川に行ってるし。釣りが好きすぎてオリジナルでワームまでつくってん。それもフィールドでテストしてみたいし。
古家:以前に一度連れて行っていただいたときは、何から何まで準備してもらって「釣らせていただいた」って感じでした。お邪魔になってしまうかもですが、またぜひ連れて行って欲しいです。〈ザ モンゴリアンチョップス〉はぼくらと同じ大阪を拠点にしていて、しかもデザインしているお2人はとってもユニーク。ブランド的にも人間的にも魅力があふれるお2人とコラボレーションができて本当に楽しかったです。
安藤:やっぱりお互い関西人やから、“おもろい”って感覚が似てるんやろな。
山本:しかもマッドとはプライベートな時間も一緒に過ごすことも多いし。
古家:〈マスターピース〉のものづくりの一つに“グローバルニッチ”というテーマがあるんですが、まだ発見されていない当たり前を提供したいという考えがあるんです。そんなテーマにふさわしい、ブランドの名前を越えて気持ち的なところで繋がったコラボだと思っています。今回は本当にありがとうございました。