それぞれの個性。
ー ところで、フリマを開催するには販売するものが必要になりますよね。アイテムを買いにみんなでバイイングに行くこともあるんですか?
西野:パリや国内に行きました。あとは、単純に自分が欲しいものを買いに行くこともあります。
金子:「ウィークエンド」を始めて気づいたんですが、私物だけだとすぐになくなってしまうので、買いに行かないとものがないんです。なので、私物を買いに行くというスタイルのバイイングですよね。自分たちが着たいものを買いに行く。あくまで私物の古着を売りますという体で、買い付けしたいんですよね。

西野:そのとき、金子さんがこう言ってましたよね、「バイイングじゃなくて、ショッパーだ」と。僕らは地方に行っても、フリマの売上以上にそこの買い付けで散財しちゃったりしますから(笑)。
ー それぞれの買う傾向や特徴ってありますか?
金子:わりと個性がはっきりしていますね。
西野:僕の場合はジャンキーというか、ポップですね。基本はアメリカものですが、ロゴものとかチームものとか、色も蛍光色とか派手なものも入っていたりします。
金子:僕はオーセンティックなものの中に、ちょっとヴィンテージが入ってますね。やはりヴィンテージが好きなので。

大島:僕はもので選んだり、コーディネートで選んだり…。
金子:カシミアのニットだらけとかありますよね。
西野:大島さんはここのつくりがすごいからって選んだりもします。デザイナーだからものづくりの視点ですよね。
金子:みんなバラバラなので、見るひともわかりやすく選べていいのかなと思ってます。

ー 逆に共通点はいかがでしょう。
西野:アメリカのおじさん的なことは、共通だと思います。そこからそれぞれ発展しているとは思いますが…。
大島:でも、金子さんは自分のスタイルをおじさんスタイルだと思ったことはないですよね?
金子:ないです。
西野:金子さんは基本的にべーシックなものを選んで、その合わせ方やサイズでスタイルをつくっているのかなと。その辺りがアメリカのおじさんっぽいというか。若い子が同じことをやってもそうは見えないんじゃないかな。
ー オリジナルのアイテムをつくるときの進め方はどうやってるんですか? 全員でブラッシュアップしていくんですか?
金子:そのつもりだったんですけど、企画を決めるときは忙しいのか、いつも西野さんはいないんですよね(笑)。大島さんがとにかくつくることが好きで、これいいねってなったら、もう手が動いている。大島さんと僕の間で、アイデアがポンポン行き交うので、2人だけで進んじゃうんですよね。
西野:僕はいないんですよ(笑)。

ー 本業とのすみ分けはどう意識しているのでしょう。
西野:仕事感も強制感もないですね。
金子:3人の友達って感じで、遠征に行くのが単純に楽しいんです。地方に行って、大島さんはお昼から飲むし、同じ古着屋さんに3時間いたりとかしてますよ(笑)。
西野:小旅行みたいで楽しいですね。地方の古着屋に行くのも面白いですし。
ー 地方の古着屋は何か特別だったりするんですかね?
西野:場所によっては、東京に勝るともくらいの古着屋さんもありますよ。個人的には子供が小さいこともあり、最近は東京で町田とかの古着をひとりで巡るということがなくなりました。
ー 3人揃って遠征することが息抜きになっているのかもしれないですね。趣味の友達というか。
西野:話は変わりますが、大島さんともうひとりと昨日飲んでいて、色々と話しているうちにこれは回しておこうとインスタのライブ始めまして。その最後に、観ている人から「金子さんは何がすごいんですか?」という質問が来たんです。色々と真面目な答えも言っていたんですが、結局、金子さんは24時間服のことを考えていると思うんですよ。47歳という年齢で、服バカというか服好きというか…。それくらい、趣味と仕事の境目がないと思うんですよね。