グレーへのこだわりがすごく伝わってくるアイテム。
ー 今回私物を持ってきてもらいましたが、もともと「2002」をずっと愛用されていたと先ほど話されていました。
金子： これが大好きすぎて（笑）。2010年にリリースされて以来、ずっと大切に履いていたんです。自分の周りにもちょこちょこファンがいて、スタイリストの長谷川昭雄さんとも「2002」の話題で盛り上がったんですよ。また再発してほしいなんて話をして、インスタでも勝手に「#nb2002復刻希望の会」っていうハッシュタグを打って写真を投稿していたほどなんです（笑）。その投稿も過去最高のいいね数でした。それは関係ないと思うんですけど、その後復刻モデル「2002R」が発売されて無事に新しいのを買うことができました。ぼくが〈ニューバランス〉を履いているのをみなさんに認知していただけたのもこのモデルがきっかけなんです。
ー 「2002」のどんなところがお好きなんですか？
金子： あまり〈ニューバランス〉っぽくない面構えをしているところですね。いい意味でどこか野暮ったさがあるのにハイテクなテクノロジーが搭載されていて、ぼくの好きな要素が詰まっているんです（笑）。スタンダードなモデルはアメリカっぽい格好によく合うんですけど、なぜか「2002」はフレンチワークなど、いろんなファッションに合わせやすい。ぼくはいろんな格好をするので、これが一番履きやすいんです。
ー 色も独特のグレーですよね。
金子： メッシュ部分の鉄っぽいグレーもいい色ですよね。一度海水をびちゃびちゃに浴びてしまったことがあったんですが、変なやれ方もせず、いい感じに経年変化もして、革質も本当にいいんだなと思いますね。
ー 一方でこちらのモデルが先ほど話にあった「KITH」の別注アイテムですか？
金子： そうです。「990」シリーズを持っていなかったので、とりあえず買わなきゃと思っていた矢先にこのモデルが発売されて真っ先に購入しました。
こちらの「RC1300」はこの絶妙な色味に惹かれましたね。青みがかったグレーというか、インラインには見られないカラーリングがいいなと思って。
ー 5月15日の「Grey Day」にちなんで、定番モデルである「574」をフィーチャーし、さらにその後継モデルである「57/40（フィフティセブン/フォティ）」が同日に発売されます。ご覧になられていかがでしょうか？
左から、〈New Balance〉「ML574 EGG」 ¥10,890、「M5740 TA」¥16,500＋TAX
金子： ぼくが高校生のときに履いていたモデルは、もしかしたらこの「ML574」かもしれないですね。
ー もともと「576」というモデルがMADE IN USAでつくられていたんですが、それをもっと幅広い人に履いてもらうために、「574」というモデルが開発されました。手に取りやすい価格で、カラーバリエーションも豊富なので、世界で最も履かれている〈ニューバランス〉のアイテムなんです。
金子： 〈ニューバランス〉らしいアイテムというか、みなさんが想像するいわゆるなシューズってまさにこれだと思うんですよ。
ー その「574」をもとに今季新しくリリースされたのが「57/40」です。クラシックなイメージを刷新して、かなり大胆なアレンジを加えました。
金子： グレーへのこだわりがすごく伝わってきます。一体何色のグレーを使っているんだっていう（笑）。あと、進化の過程がわかりやすいですね。従来のアイデンティティを大切にしながら、それをきちんとブラッシュアップするというのは大事なことだと思うんです。安易な方法でデザインをガラッと変えるブランドも少なくないなかで、〈ニューバランス〉は軸がしっかりしていて、そこがやっぱり魅力的に感じます。このハイブリッドな感じはすごいですね、デザイナーさんがよほど優秀なんだなと思います。
