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FEATURE|COLUMBIA BLACK LABEL × MOUNTAIN RESEARCH 〈コロンビア〉のフィッシングベストを徹底リサーチ。

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COLUMBIA BLACK LABEL × MOUNTAIN RESEARCH

コロンビアのフィッシングベストを徹底リサーチ。

〈マウンテンリサーチ〉の小林節正氏が特別な思い入れを抱き続けている〈コロンビア〉のフィッシングベスト。長年にわたり数々のアーカイブを収集し、このアイテムに対するリサーチ(研究)をつづけてきた彼が、この度、昨年スタートしたばかりの〈コロンビア ブラックレーベル〉と手を組み、ついにスペシャルコラボレーションを実現。小林氏独自の感性を取り入れながら、新たに生み出されたフィッシングベスト。それに対する想いやエピソードをうかがいつつ、秘蔵のアーカイブの数々も拝見しました。

  • Photo_Toyoaki Masada
  • Text_Tetsu Takasuka
  • Edit_Yosuke Ishii

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小林節正
1961年生まれ。「…… Research」代表。山部門である〈マウンテンリサーチ〉では、アイビー、パンク、ミリタリーなどの要素をアメリカンカジュアルにミックスした独自目線の山暮らしスタイルを提案している。

小林氏を魅了し続ける〈コロンビア〉のフィッシングベスト

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―小林さんと〈コロンビア〉のフィッシングベストとの出会いについて教えて下さい。

小林:最初にフィッシングベストを手に入れたのは、80年代の頃です。現代アートの作家、ヨーゼフ・ボイスがフィッシングベストを着ている姿がカッコよくて同じようなものを手に入れたいと思ったのがきっかけです。そこで、釣具屋に探しに行き、いろんなメーカーのものを吟味したところ、〈コロンビア〉のフィッシングベストの品質が格段に良かった。60/40クロスのしっかりした素材感、肩周りの負担を軽減するクッション、そして数々のポケットと、あらゆる点で優れていました。それで、そのベストをすぐに購入。それが、数あるフィッシングベストのコレクションの最初の一枚です。

―当時、それをどのように着こなしていたのですか?

小林:僕は釣りをやりませんから、あくまで街着として着ていました。ポケットがたくさん付いたフィッシングベストは、ものを持ち運ぶラゲッジウェアとして最適。だから、海外を回っていた時は、ポケットに荷物を詰め込んでずっと愛用していました。当時は、そういう服を日常に取り入れるスタイルもありませんでしたから、街中で釣り好きの人に声をかけられるなんてこともよくありました(笑)

―〈コロンビア〉のフィッシングベストを収集するほど、魅了された理由はどこにあるのでしょうか?

小林:この服は、いわば普通じゃないディテールの集合体なんです。“このパーツは何のために付いているのか?”、“このポケットはどんな風に使うのか?”見ているとそういう疑問が次々に湧いてくる。非日常のあるいは異次元への扉が一枚の服の中に開いている。言ってみればファンタジーのある服。それが、僕にとって、〈コロンビア〉のフィッシングベストの最大の魅力です。また、ディテールの面白さだけでなく、プロダクト全体としての完成度が素晴らしい。ここまで徹底したものづくりは、長年積み重ねてきた技術と経験、そしていいものを作ろうというプライドが無いとできない。そういう点では、〈コロンビア〉という企業そのものにも魅力を感じます。

COLUMBIA FISHING VEST COLLECTION

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小林氏を魅了してきた〈コロンビア〉のフィッシングベスト。これまで収集してきた数々の中から、特に面白いモデルをピックアップしてもらいました。わずかなディテールの差や色違いまで、一口に〈コロンビア〉のベストといってもそのバリエーションは様々。見れば見るほど奥が深いアイテムです。

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「これが80年代に初めて買った〈コロンビア〉のフィッシングベストです。ゴアテックスの肩当てが張られていて、それがポケットのフラップも兼ねている。機能性を徹底的に追求した作りを見て、一気に虜になりました」

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「今回のコラボレーションアイテムは、この80年代のアメリカ製のフィッシングベストをベースにしています。洋服を上下で分割して使うという柔軟な発想は〈コロンビア〉ならではです。2つとも一見同じモデルに見えますが、胸ポケットのD環の位置が違うんですね。この微妙な差にコレクション欲を刺激されます」

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「このレッドとライトブルーの発色は本当にきれいですね。ポケット類のレイアウトも完成されてきたようで、同じ作りで色違いのアイテムがリリースされています。完成型になる前後の、ディテールにわずかな違いを持った完成型前後のバリエーションが、一番わくわくさせてくれます。ライトブルーはフィッシングベストとほとんど同じデザインのカメラマンベスト。背中には三脚を入れる筒状のポケットがついています」

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「グレーのベストはとても珍しく、僕自身これしか見たことありません。ポケットのフラップは、角張っているものと丸みがあるものと2種類あります。どちらも甲乙つけがたいのですが、今回のコラボでは、丸みのあるフラップを採用しました」

コラボレーションにかける想い

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―今回のコラボレーションはどのような経緯で成立したのでしょうか?

小林:初めて〈コロンビア〉のフィッシングベストを買った後も、気になって新品や古着を探していたのですが、出会うアイテムどれを見てもすべてディテールが異なるんです。買っても買っても同じものに巡り合わない。こうなったら全部集めてやろうって、意地になって買い続けていたら、かなりの数のコレクションになっていました。そんな甲斐もあってか、今回〈コロンビア〉さんから〈コロンビア ブラックレーベル〉の立ち上げにあたり、コラボレーションのお声掛けをいただいたのですが、昔からリスペクトしていたブランドだけに嬉しかったですね。お引き受けした時点で、特にディテールがユニークな80年代のアメリカ製のフィッシングベストをベースにしようと決めていました。水に濡れないように着丈を短くすると同時に、切り離した部分をバッグとして体に装着できるように、ジッパーで上下が分割できるようになっているのですが、その面白さを現代に伝えたいと思ったんです。

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ベスト下部をジップで切り離すと、ご覧の通りポケットフルなショルダーバッグへと様変わり

―そのモデルをリプロダクトするにあたり、どのようなアレンジをほどこしたのでしょうか?

小林:ポケットやD環といったオリジナルのディテールは、ほぼそのまま踏襲しています。変更した点は、まず、現代の着こなしに似合うように、着丈を短めに調整したこと。また、本来はフライボックスなどを入れるためにポケットに大きくマチが取られているのですが、それをミリ単位で調整してマチ幅を減らし、よりシャープに見えるようにアレンジしています。原型にはムートンのフライホルダーも付いているのですが、洗濯したら縮んでしまうため、今回は省略しました。釣りで実用的に使える機能性は確保していますが、あくまで街着として着てもらいたいので。

―4色のカラーバリエーションはどのように決めたのでしょうか?

小林:ベージュは絶対に外せない基本色として押さえました。ネイビーはコーディネイトのしやすさを考えてオリジナルで作りました。また、ずっと探していながら未だに出会えないブラックもここぞとばかりに作らせてもらいました。レッドは僕の還暦祝いに着ようかなと(笑)。

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―具体的な着こなし方の提案はありますか?

小林:春先ならスプリングコートのインナーとして着るのもいいですし、もちろん、表に出して存在感を主張するのもいいでしょう。日常のカジュアルなスタイルの中に、機能性に満ちたフィッシングベストを合わせた時に生まれる異物感とか違和感みたいなものは面白いですよね。これこそが、こういったウェアの魅力なので、ミスマッチな感覚をあえて楽しんでもらえれば嬉しいですね。

SPECIAL COLLABORATION

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COLUMBIA BLACK LABEL × MOUNTAIN RESEARCH SalmonTrout Butte™ Vest ¥22,000

80年代のアメリカ製フィッシングベストをベースに、小林氏がディテールを調整してモダナイズ。前後、表裏に備えた合計18個のポケットやD環などのディテールはそのままに、着丈を今の着こなしに合うように短めに設定したり、ポケットのマチを薄くしてすっきりした印象に見せるなどのアレンジをほどこしています。特徴的なのが、ウエスト部分で上下を分割できるジッパー。他では決して見られない秀逸なアクセントになっています。

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次のページでは〈コロンビア ブラックレーベル〉の2017SS注目アイテムを紹介!
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