想像を超えた特別な展開になった。
ー 今回の「ソルトアンドペッパー」のポップアップショップはどういう経緯で実現することになったんですか?
佐藤:〈ビームスT〉はロンドンのセレクトショップ「ザ グッドフッド ストア(THE GOODHOOD STORE)」と定期的にコラボレーションプロジェクトを行っていて、アートショーやアイテムの販売をしてきました。回数を重ねていく中で、より斬新で新しいプレゼンテーションを行いたいと考えるようになったんです。そこで、「ソルトアンドペッパー」と何かプロジェクトを行えないかと、大北さんにご相談させていただいたのが始まりでしたね。
大北:たしか2年前の1月だったよね。「ソルトアンドペッパー」ができて少し立ったぐらいのころに、一緒にロンドンへ行って。
佐藤:そうですね。ロンドンの「オフプリント(Offprint)」というアートブックフェアのイベントに「ソルトアンドペッパー」×〈ビームスT〉で出展しようという話になって。そのタイミングに「ウッドウッド(Wood Wood)」でも関連グッズなどの販売もしようと。
大北:すごく楽しかったよね。ロンドンの道場に柔道の練習へ行ったり、時差ボケで全然起きれず食事会を欠席しちゃったりして(笑)。
佐藤:いろいろありましたよね、鮮明に覚えています(笑)。今回のポップアップも当初は、ロンドンでやった内容を逆輸入するような形で「ビームスT 原宿」に持ってこようと考えていたんですよ。それがコロナ禍によって延期になってしまい、このタイミングになったんです。その分、時間が空いたので、ロンドンで開催しようとしていたものから変更が加わり、今回の形になっていきました。
ー そもそもなんですが、〈ビームスT〉が「ソルトアンドペッパー」のようなアートギャラリー兼ショップとコラボレーションするのは、よくあることなんですか?
佐藤:かなり珍しいケースになると思います。個店さんとの取り組みは定期的にあるのですが、ギャラリーと謳っているショップさんとはパッと思い出せないぐらいなので。基本的にアーティストやブランドと組んでやることが多いですからね。
大北:そういった意味もあり、どういう展開にするか悩む部分もありましたね。「ソルトアンドペッパー」の2階、3階で提示している空間をうまく持っていきたいと考えたんですが、どんな見せ方がよいのかが難しくて。考えているうちに二転三転しちゃうタイプなんで、どんどん変わっていっちゃって。
佐藤:変わりましたよね。途中から議事録を作成するようにして、どう変わっていくかを遡れるようにもしました。
大北:メールのCcもどんどん増えていったよね。
佐藤:ぼくが心配性なんです(笑)。
一同:(笑)。
大北:しかも、今回のポップアップストアは開催期間が8月13日から29日までと長いんですよ。開催期間中、来てくれた人を飽きさせずに楽しんでもらえるものが何かを考えるのが大変でした。
佐藤:いままでにないぐらいのロングスパンですからね。でも、周りから「大北さんは、当日に想像の斜め上を行ってくれる人だから絶対に大丈夫だ」と聞いていたので、楽しみにしていました。
大北:配置も設営時の様子を見ながら変えるつもりでしたからね。実は展開アイテムも、今回つくったTシャツも、ポップアップ開始1週間まで粘っていたんです。