CLOSE
FEATURE
Extreme Sauna Trip 絶景外気浴を求め、東北へ。サウナ旅2021秋 Vol.1
MONTHLY JOURNAL OCT. 2021

Extreme Sauna Trip 絶景外気浴を求め、東北へ。サウナ旅2021秋 Vol.1

旅に出たい。我慢はもう限界スレスレだ。コロナが落ち着いたら、鎖から解き放たれた犬のように、どこかへ弾けて飛んでいきたい。ではどこに行く? 漫然と旅するよりは、何か明確な目的があった方が楽しい。そこで編集部が出した答えは、東北のサウナを巡る旅、通称“サ旅”。事前にリサーチしてみたところ、東北のサウナはあまり詳しく紹介されていないようだったが、むしろその方が好奇心をくすぐられる。よし、東北ならではのサウナへ繰り出そう。これは一泊二日で計5箇所、総移動距離1000kmオーバーという、サ旅強行軍の記録だ。

東北の自然を体で味わうアウトドアサウナ。

MARUMORI-SAUNA

宮城県伊具郡丸森町不動64-1
www.marumori-sauna.jp
料金:¥24,000(4名の場合)、¥36,000(6名の場合)

6種類のアロマが用意されており、セルフブレンドしたロウリュを楽しめる

サウナーの端くれとして言わせてもらえれば、美しい自然を目の前にした外気浴こそぶっちぎりの優勝である。異論は認めない。いまがいくら多様性の時代と言っても、だ。

だからこそ、アウトドアでのテントサウナは、室内サウナとはまったく別物で、単純に気持ちがいい。その一方で、テントサウナにも欠点はある。強風では温まりにくいし、隙間風のせいで足元が少しだけ冷える。

じゃあ二つを合体させればいいじゃない、と思いつつも、なかなかどうして、室内サウナと大自然での外気浴を兼ね備えたサウナ施設はあまり多くない。そんな希少な黄金タッグを宮城県で実現したのが、「MARUMORI-SAUNA」だ。

「MARUMORI-SAUNA」は、宮城県最南端の山奥にある。小屋内のフィンランド式サウナでじっくり体の芯まで温めたら、水風呂代わりにすぐ横の渓流にダイブ! 外気浴は、渓流のど真ん中にある岩の上でも、小屋の脇にある焚き火スペースでもいい。水上がりは程よく体に重力を感じつつ、覚醒しながら目にする東北の自然は、いつもより高解像度で迫ってくるはずだ。

オーナーさんいわく、「MARUMORI-SAUNA」はアウトドアサウナの入門として最適な場所だそう。たしかに、サウナマットやバスタオルなど必要なものは全て用意されているし、腹が空いたら隣接するキャンプ場のカフェで食事もオーダーできる。yogiboやハンモック付きのリラックススペースもあるから、サウナ後のチルタイムも充実する。限りなく手ぶらで楽しめるのが、ここの長所の一つだ。

リラックススペースに飾られたボードには、クラウドファンディングの支援者たちの名前が。

自然のなかにあるから、時には雨風にもさらされる。それでも、気まぐれな天気や四季折々の自然の姿を、アウトドアサウナを通じて体全体で味わうのも、“らしい”楽しみ方だと思う。東北の自然を求めてか、近隣県だけでなく関東からの来客も多いんだとか。確かに全国にファンがいるようで、台風19号により床上浸水という憂き目にあったこの施設を、サウナー有志がクラウドファンディングで援助してくれたそうだ。このことからも、この場所がいかに愛されているかがわかる。

体だけでなく、心もしっかり温まるようなエピソードを聞いたところで、「どの時間帯に入るサウナがオススメですか?」とオーナーさんに聞いてみた。すると迷いなく、「早朝の朝靄の中で、起き始めたばかりの鳥たちのさえずりを聞きながら入るサウナ&外気浴が最高です」 と教えてくれた。

そんな美しい景色を夢見ながら、シバヤマにけつを叩かれて、次のサウナへと向かうのだった。

このエントリーをはてなブックマークに追加