FEATURE
映像作家・清野正孝にとっての、 サーフィンとクリエイティブ。
For Vans Checkerboard Day.

映像作家・清野正孝にとっての、
サーフィンとクリエイティブ。

絵を描く、デザインする、文章を書く、写真を撮る…。何かを創造するというのは、自分の心が整理されたり、いわれのない満足感があったりします。〈ヴァンズ〉が毎年開催している「チェッカーボードデー」も、クリエイティブがいかにメンタルウェルネスにとって大切かを伝える取り組み。今年は11月18日(木)に開催です。でも実際どうなの?ってことで、実践者である映像作家・清野正孝さんにインタビュー。彼はガチのガチのドキュメンタリー映像作家。清野さん、クリエイティブって、心の健康にとって大事ですか?

  • Photo Hiroyuki Takenouchi
  • Edit Keisuke Kimura

PROFILE

清野 正孝さん
映像作家

埼玉県出身、41歳。湘南在住。ロサンゼルスで映像制作を学んでいた際、サーフィンに魅せられる。帰国後はテレビドラマ制作会社の助監督を経て、フリーランスの映像作家に。その後、フジテレビ『ザ・ノンフィクショ ン』をはじめ、CMやミュージックビデオのディレクターを務める。2018年、ハワイで暮らすサーファー家族に密着した自身初の長編ドキュメンタリー作品『WAKITA PEAK』 が全国で上映される。
Instagram:masatakakiyono

ガチな映像スキルで、サーフィンのコアを描く。

ー つい先日まで、アメリカにいらっしゃったんですよね。

そうなんですよ。ユタ州で、全盲のクライマーを撮影していました。

ー いきなり強烈です。そちらもご自身が監督をされているんですか?

いえ、それはフィルマーとして参加していまして。なので自分の作品ってわけではなくて。

ー 清野さんはフジテレビ『ザ・ノンフィクション』でディレクターを務めてらっしゃると伺いました。

実はぼく、不幸な人を描きたいとは思わないんです。あの番組は結構不幸じゃないですか(笑)。だけど師匠から「人間を描くことはなんなのかを知るために、やってみろ」って言われてはじめたんです。

あの番組ってディレクターが20人くらい在籍してるんですよ。それぞれが常にネタを探していていて、企画書作って、いいねってなったらゴーサインが出るんです。オンエアできるかできないかを最初に見極められるんですけど、途中でダメそうになったら打ち切り。オンエアされるものは、だいたい半年くらい撮影しているのかな。

ー そもそもなぜ映像の世界に進まれたんでしょうか?

高校卒業後に、なんとなく映画の勉強をしたくてロサンゼルスに留学したんです。遊び半分で。で、日本に帰ってきて、まずTBSのドラマを作る会社に就職したんです。それが超ハードワークで速攻ドロップアウトして。でも映像はやりたかったし、サーフィンがとにかく好きだったから、湘南に移住したんです。

ー サーフィンにはまったのはロサンゼルスで?

そうですね。知っての通り、カリフォルニアってサーファーがめちゃくちゃいるんですよ。そしてある日、友達に連れてってもらったんです。最初は全然楽しくなかったんですけど、一度だけいい波に出会えた日があって。長ーく波に乗っていられたんです。それでもう、一発でやられましたね。あと、自由なカルチャーを含め、サーフィン最高にかっけーなって思ったんです。

清野さんが、ドキュメンタリーでサーフィン撮ろうと思ったきっかけのひとつが、ジャック・ジョンソンが手がけたドキュメンタリーサーフ映画『Thicker Than Water』。

ー 湘南に越されてからの生活はどうだったんでしょうか?

まったくツテもなかったんですけど、サーフィンのDVDを作る会社に入れたんです。月収5万円。ちなみに当時の家賃は4万3千円(笑)。そこで繋がりがどんどんできて、ワールドサーフリーグっていう世界ツアーのオフィシャルカメラマンになれたんです。この頃からずっと、サーフィンの楽しさだったり自由さを伝えたい思いがあって。だったら自分は映像も勉強したし、映画作れるじゃんってことで、究極のサーフィン映画を作ろうと思ったんです。ガチな映像スキルで、サーフィンのコアなとこを描きたいと。

ー その究極の映画が、2018年に公開された『WAKITA PEAK』だったと。

そうですね。でも『WAKITA PEAK』を作り終わったときには、次のものを作りたくなってるんですけど(笑)。

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