PROFILE

1984年生まれ。10代の頃からモデルとして活躍し、18歳からニューヨークへ渡りバイイングなどアパレル関係の仕事をはじめる。帰国後はファッション誌をはじめ、ドラマや映画にも出演し、俳優としてのキャリアもスタート。2016年にキッズブランド〈himher〉を立ち上げ、2021年よりアウトドアをベースとした〈CLIMBERS CLIMAX〉の商品企画にも携わっている。
Instagram : @kenseimikami、@climbers_climax
極力モノを減らしてキャンプ場へ行くようにしている。



自然の中に身を置くことで、五感が研ぎ澄まされるということをよく聞きます。狭い都会での生活は、多くの情報に溢れ、スピーディな街の動きに身体が疲弊し、本来人間が持つパフォーマンスを十分に発揮できているとはいえません。でも、ひとたびキャンプ場に訪れると、人工物の少ない自然の豊かな姿に圧倒され、そこに溢れる光や音、匂いにカラダが反応し人間の原始的な力が蘇ってくるのです。
「父がキャンプ好きで小さな頃からよく自然の中に来ていました。大人になってからはそうした営みからは遠ざかっていたんですけど、6年くらい前にフェスに行ってからまたその魅力を思い出して、いまでは月に1回くらいは家族でキャンプにでかけていますね」

そう語るのは俳優の水上剣星さん。彼もまたひとりのキャンパーとして、自然の魅力に取り憑かれた人物。キャンプ道具が入った重たい荷物を背負い、その日自分が過ごすための最適なスペースを探します。
「キャンプの魅力って、道具を使う楽しさもあると思うんです。ぼくが小さい頃はアメリカの大手メーカーのギアがほとんどだったんですけど、大人になってハマってからは、北欧ブランドのアイテムとかもたくさん出てきていて、その機能美に惹かれていろいろ調べたりするようになりました」



気になるのは、そんな剣星さんがどんな視点でギア選びをしているか、ということ。彼が持参したギアの数々を眺めていると、シンプルなもの選びをしていることが見てとれます。
「服と一緒でできる限り人と被らないように、みんなが持ってないものを探すようにしていますね。そのあたりはひねくれているんですよ(笑)。だいたいネットで調べて、実際にお店で見られるものは実物をチェックしたり。やっぱり実物を見てみないと、本当のスペックはわからないですからね。だけど海外のガレージブランドのアイテムだと、日本に入ってきてないものも多いから、それは届くまでちょっとドキドキしながら待っています」



「だけど、基本的には余計なモノは買わないようにしていますね。便利になりすぎないようにしているというか。キャンプギアって、AとBを組み合わせてより機能的になるっていうアイテムが多いですけど、『じゃあ本当にBの機能って必要なの?』ってきちんと考えるようにしていて。もちろんそうやって新しい発見があるのはうれしいことなんですけど、モノが多いと逆にそれに気を取られてしまって、準備の段階から時間を食ってしまったりするじゃないですか。それでいざキャンプへ持ってきたとしても、結局使わなかったりして。だから最近は極力モノを減らしてキャンプ場へ行くようにしています」