設営や焚き火をするときに足元がブーツだと安心する。
「それに加えてストレスがないものを選んでいますね。ハイスペック過ぎるものにはあまり関心がなくて。キャンプ中はできるだけリラックスをしていたいから、まずは着心地を重視しています。デザインに関しては都会で着られるというのもひとつポイントとしてありますね。というのも、子供を迎えに行ってから、そのままキャンプへ行くということもよくあるんですよ。だから着心地がよくて、シンプルなもので、ある程度スペックがあれば十分ですね」
この日はオールブラックのウェアに、〈レッドウィング〉の「アイリッシュセッター」を合わせていた剣星さん。スマートなテクニカルウェアとは対照的な無骨なブーツがコーディネートを引き立てています。
「キャンプでブーツ、よく履くんですよ。タープやテントを設営するときとか、焚き火をするときに足元がブーツだと安心するんです。スニーカーやサンダルだとちょっと心もとないというか、そもそもキャンプでサンダルを履くこと自体間違っているんですけど(笑)。それである程度作業がひと段落したら、ラクなシューズに履き替えることが多いですね」
そもそも「アイリッシュセッター」は、〈レッドウィング〉がハンティング用に開発した8インチ丈のブーツ「#877」がルーツ。クッション性に優れたトラクショントレッド・ソールは、靴底に泥がたまりにくく、沼地を歩くのに適していたり、落ち葉の上などを歩いても足音が立ちにくい構造。だからキャンプなどのシーンにもハマるというわけです。
「『アイリッシュセッター』ってファッションアイテムとして認知されていますけど、そもそもそういう目的で開発されたものだから、冷静に考えればキャンプに合わないわけがないですよね。この他に2足、〈レッドウィング〉のブーツを持っているんですが、これはサイズが合っているのか足が全然遊ばなくて安定感がありました。キャンプ中って膝をついたりとか、ちょっと足場が悪いところがあったりするじゃないですか、そういうときにグッと踏ん張れるんですよ。足首までギュッと靴紐で縛れるのも安心しますよね」
この日、剣星さんが履いていた「アイリッシュセッター」は「#1907」というモデル。他のブーツとは異なり、フットベッドを入れることを前提につくられていて、木型もそれ専用のものを使用。だから、フィット感や履き心地が違うのです。
さらにアッパーに採用されているレザーは「カッパー・ラフアンドタフ」というもので、表面を擦ってかすかに起毛させ、そこにオイルやワックスを染み込ませたもの。その上ウェルトもストームウェルトを採用しているので、耐水性も向上しています。
「浅い川の上を歩いても水が全然入ってきませんでした。もちろんずっと浸かっていたら入ってくると思うんですけど、まずそんなことする人はいないでしょうし、これくらいならへっちゃら。苔がたくさん生えてたりしたら話は別ですけど、地面が濡れた場所でも滑りそうな心配もなかったし、安心感がありました」