アトリエでは爆音でキャンバスに向かう。
ー 浜辺から、横浜のShoさんのアトリエ兼ショップに来ました。ここは、ショウさんの好きなもので埋め尽くされていますね。


Sho:この場所の名前は「THE SHOW room」。〈クローバル〉のショールームでもあり、僕の名前がSho Watanabeだから、自分の部屋でもあるというね。
ー 絵もこちらで描かれていると。
Sho:店舗としては、火曜日から土曜日まで開けているんだけど、お店を開けながら朝から描いていますよ(笑)。


ー 影響を受けたものや、好きな作品はありますか?
Sho:特にこれといったアーティストはいないけど、若い頃にアメリカに住んでいたことがあって、現地のアーティストたちのリアルな生活を見て、家族を大事にするオフの過ごし方とか平屋のガレージでシルクスクリーンでTシャツとかにプリントしたりとか、DIYカルチャーには影響を受けたかな。そういうスタイルは、やっぱりかっこいいし、雑草魂を感じられる作品が好きですね。それと、いまでも先輩や周りのアーティストの個展に行っては衝撃を受けて、本気で絵に向き合わなきゃいけないなと思わせられてます。
ー いまも結構な音量で音楽が流れていますが(笑)、普段はどんな音楽を聴きますか?
Sho:大丈夫? 音下げようか?(笑) コロナでなかなか旅行に行けないなか、ある先輩が「どこかに行けなくても、音楽だけは最新を聴いておかなきゃ」って言ってて、ポップスやビルボードはチェックしてる。基本的にはロックが好きだけど、クラシックもジャズも聴くし、ここでは、パンテラとかゴリゴリしたもの、(ヒップホップの)サイプレスヒルもかける(笑)。キャンバスに相対すると、メンタルが負けて食われちゃうときもあるんだよね。そういうときには、反骨精神を感じるような、パンクやハードコアといった音楽を聴いていると、掻き立てられるんだよね。

腕の部分はすべて、アメリカのビンテージコミックスを切り貼りして作られている。Shoさんの特徴的な技法。
ー 音楽が作品に与える影響は大きいですか?
Sho:そうだね。例えば今日はサーフィンからこの空間に戻ってきて、メロウな曲をかけて、ちょっと飲みながら、ああ、疲れたなとふと考えたときに、優しい絵とか、ゆるいTシャツを思いついたりするね。
ー ミュージシャンにも友達が多いと伺いました。
Sho:ミュージシャンはリスペクトしてます。若い頃に好きだった音楽を聴くと、急にその当時の記憶が戻るじゃない? つまりは、それが心に響いてるってことだなと。僕は音楽奏者じゃないけど、絵としては残せる。絵はたくさんの人に見てもらいたいし、応援してくれる友達もいっぱいいる。そういう人たちを、いい意味で裏切るような爆弾や刺激になるような作品を残したいし、自分の生きざまというか、Shoっぽいよねと言われるような、オリジナルの作品を描いていきたいと思うんだよね。