スケボーをトレーニングみたいにしたくない。

PROFILE
2004年、東京都品川生まれ。スケボーを始めたのは3才。現在は実家で父、母、妹と暮らす。スポンサーは、〈G-SHOCK〉〈プリミティブ〉〈ラカイ〉など多数。Instagramのフォロワー数は規格外の38.5万人。日本にとどまらず、世界レベルでの活躍が期待される18才。IG:@_kyonosuke_
ー Instagramのフォロワー38.5万人(2022年6月時点)ってすごいですね。どんな世界なんでしょうか。例えば毎日メッセージが来る、みたいな?
京之助:来ますけど、知らない人からは通知が来ない設定になっているんで、大丈夫です(笑)。
ー それだけフォロワーが増えたのは、何がきっかけなんですか?
京之助:Luisっていう、スケボーYouTuberのSNSに出たのがきっかけですね。彼が来日したタイミングに同じパークで滑っていて、友達が何か映像を撮ってもらおうと話しかけて、そっからですね。交流ができて仲良くなって、一緒に滑ってるのを動画にしてもらったことで増えたんです。
ー LuisさんのYouTube登録者数は、163万人(2022年6月時点)。さすがスケボー大国アメリカですね。さて、それも大きな出来事だったと思うんですが、スケートブランド〈プリミティブ(Primitive)〉との契約もターニングポイントの一つになるんでしょうか?
京之助:はい。人生で一番大きな出来事かもしれないですね。急な話で全然予想もしてなかったので、驚きました。
ー 契約に至る経緯を教えてください。
京之助:中学2年でアメリカに行ったときに、日本に「プリミティブジャパン」みたいなものを作るという話があったそうなんです。で、そのときにたまたま向こうのスケートパークに行っていて、そこに〈プリミティブ〉の人たちがいて、「あいつ、〈プリミティブ〉に入れたらどう」と話してくれていたみたいで。そのあとに、もう一度アメリカに行ったら、代理店を通じて〈プリミティブ〉のライダーたちと滑ることができて、そのあとに向こうから契約の話がありました。
ー お父さんやお母さんなど家族は、その辺のすごさみたいなのって、理解されているんですか?


京之助:いや、たぶん、理解してないんじゃないかなと。でも、父から「あんま調子乗んなよ」って言われました(笑)。
ー いい親ですね(笑)。ご自宅を拝見すると、お父さん、お母さん所蔵のスケートビデオや映画、音楽の作品が数多く見られます。やっぱりこういうカルチャーを通ってきたんですか?
京之助:正直なところあまり観てないんですよ。観たなかで言うと、『ドラムライン』(2002年)が一番好きです。あとは、『DOGTOWN & Z-BOYS』(2001年)ですね。スケボーを始めたきっかけの一つです。
ー そもそもスケボーを始めるきっかけはなんだったんですか?
京之助:僕自身は記憶がなくて、後から親に聞いたんですが、3歳の頃にクレーンゲームで小さな子供用のスケートボードが取れたので、そこから始めたんです。
ー 親にやるように勧められたわけじゃないんですね。あくまで偶然というか。
京之助:そうですね。遊んでいるうちに、いつの間にか始めてました。
ー スケボーは年齢差も関係ないし、国籍も性別も超えて繋がることができるし、うまい年上の人たちを間近で見れるのは、他のスポーツとちょっと違うところかもしれませんね。
京之助:そうですね。『DOGTOWN & Z-BOYS』を観た時に、スケーター同士の繋がり方や連帯感に憧れました。


ー 他のスポーツみたいに「苦しいけど頑張る」って感じでもないんですか?
京之助:スケボーをやっていてつらいと思ったことはないですね。大会で負けて悔しい、はありますけど。スケボーがしたくないってことは一度もないですね。スケボーはいつも楽しいし、いつもやりたいもの。トレーニングみたいにはしたくなくて、ただ本当に遊んでるだけっていう感じ。トレーニングをすると、それはスケボーじゃなくて、スポーツになっちゃう気がするんです。
ー なるほど。今は、18才で高校生。在籍しているバンタン高等学院ではどんな勉強を?
京之助:スケートボードと映像制作のコースです。スケボーのコースは、スケートパークに行って、先生と一緒に滑ります。映像はいわゆるスケボーの映像を撮って、編集して、という映像制作に関する技術やノウハウを学びます。残念ながら、映像を撮る才能がないんですよね。
ー (笑)。今はどっちかっていうと、滑り手としてどんどんスキルをアップしていくのが目標ですか?
京之助:そうですね。かっこいいスケーターになりたいです。上手くてかっこいいスケーターに。正直、上手いだけのスケーターはいっぱいいるんですよね。
ー そのかっこよさっていうのは具体的なイメージはありますか?
京之助:佇まいがかっこいいスケーターってのがいるんですよね。顔がかっこいいとかそういうのは別にして、立ち姿や全身がかっこいいみたいな人がいるじゃないですか、オーラというか。そういうスケーターになりたいですね。