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FEATURE|JOURNAL STANDARD meets Delicious vol.01 ジャーナル スタンダードが出会う、これまでにないほどインディペンデントなアメリカンユースカルチャー。

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LAをホームとし、先日行われた〈ナイキ(NIKE)〉の「ヴォート フォワード」にも、世界を牽引するデザイナーのひとりとして参加していたカイル NG(以下、カイル)と、メルボルンを拠点に様々なブランドやプロジェクトにおいてグラフィックを提供しているエド・デイビス(以下、エド)。いまや世界的な人気ブランドとなった〈ブレイン デッド(BRAIN DEAD)〉を手がける彼らが、この春夏から新たにスタートしたプロジェクトが〈イレース プロジェクト〉です。一体どのような位置付けのブランドなのか。主催者であるカイルに話を聞きました。

まず最初に、〈イレース プロジェクト(Erase Project)〉について教えてください。

カイル〈イレース プロジェクト〉は、ぼくとパートナーのエド・デイビスでやっているブランドだよ。フリーのものをリリースするためにモノづくりをするというアイデアがきっかけでスタートしたんだ。何か別の物をつくるためのサポートとしてプロダクトをつくるというか。例えば、あるコレクションをつくって、それをショップで売って、同時にフリーでZINEやスケートデッキをあげるみたいな。そうやって人々の興味を掻き立てるというか。ブランドって単にプロダクトを売る以上の存在なんだ。わかるかな?

はい、分かります。ちなみにフリーのスケートデッキやZINEの話が出ましたが、〈イレース プロジェクト〉がInstagramで展開している「フリーデッキプロジェクト」について教えてください。

カイル「フリーデッキプロジェクト」はスケートボードをつくって世界に向けてリリースするプロジェクトだよ。ある場所につくったデッキを置いて、写真をInstagramにアップして、それを実際に見つけた人がゲットできるっていうものなんだ。ブランド名にもある「Erase」という単語には、テンポラリー(一時の)という意味が込められている。要は消されてしまうかもしれないってことだね。ぼくらの取り組みには経験するってことが核になっているんだ。いつまでもそこにあるわけじゃないっていうね。

それがプロジェクトのコンセプトということですね?

カイルその通り。ぼくたちはプロダクトもテンポラリーなものだと思っていて、たくさんの人がトレンドをすごく気にしてるでしょ。だからこそ、どこかにいたり、何かをしたりっていう経験が大事なんだ。

モノを売らずに、タダであげるっていうのはなぜですか?

カイルそこに興味があったんだ。「どうやれば売れるか?」「どこをターゲットにすれば良いか?」など、常に売ることばかりを考えていると興味が失せちゃうんだよね。ビジネスとフリーでモノをあげるということは対極でしょ。お金を稼ぐためじゃないことをするってビジネスに反するかもしれないけど、そこに興味を惹かれるんだ。お金がすべてではないからね。そういうスタンスが好きなんだよ。もっと何かを生み出すことにフォーカスしたいというか。もちろん〈ブレイン デッド(BRAIN DEAD)〉があるからこそ出来ることなんだけどね(笑)。マスブランドというか、メインストリームでありながらも、おもしろいことをやろうとした結果、フリーで色々なものをつくろうってことになったんだ。

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なるほど。〈イレース プロジェクト〉におけるグラフィックやデザインのプロセスはどのように?

カイルエドは本当にグラフィックに精通したやつなんだ。2人でいろんなことを話しながら、彼がアイデアを形にしていく。服のデザインに関しては2人共大好きな分野で、カットソー類をたくさんつくってるよ。近々大きなコレクションをリリースするんだけど、楽しくてシンプルなものが多いかな。プレーンなフーディやカスタムを加えたフーディ、ちょっと変わったフリースなんかもあるよ。基本的には自分たちが着たいものだね。どれも大好きなものばかりさ。

音楽やアートをはじめ、とにかく好奇心が旺盛だと聞きました。デザインやつくるものとの関係性は?

カイル確かに好奇心は旺盛だね。いろんなものを見たいと思っているよ。何かに足を踏み入れること、それにのめり込むことは、人生における最大の楽しみさ。「なんで、みんなこれに興味を持っているの?」「これのどの辺がクールなの?」って考えるのが良いんだよ。表層的なことが大嫌いでさ。うわべだけを見るっていうのは最悪なことだと思うんだよね。何かをデザインするときは、まずアイデアがあって、ブランドを通してそのアイデアを試すっていう流れ。ブランドのコンセプトも、常に「なんでこのブランドが存在しているのか?」ってことを考えているよ。ちょっと手を加えるだけみたいなことはしたく無いし、何か新しいものをつくるときも、どうすればよりぼくらの興味がそそられるかを考えるんだ。例えばZINEを付けようみたいにね。そのためにもマス向けのブランドをつくって、ぼくたちが見たいもの、見せたいものをフリーで配るって感じさ。もちろん、デザインには音楽やアートからのインスピレーションを反映させているよ。

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若いころは、どんなことに影響を受けていたんですか?

カイルインディーズのDIYカルチャーとかインディーズロック的なデザインやパンクとかかな。もちろん、ZINEやアートにもね。ミュージシャンともつるんでたし、ロボット好きみたいなやつらとも遊んでたよ。みんなただそれをやりたいからやってたんだ。お金のためだけじゃなくてね。そういうスタンスが焼き付いているから、何かをつくるときも、お金のことや正しいか正しくないかとかを考えずに、純粋にやる。とにかくやるんだよ。

思いついたことはとにかくやってみると。

カイル「ぼくにできるかな?」「ぼくにやる資格はあるのかな?」なんて思ったとしても、そこに何か自分独自の工夫を加えれば良いんだよ。そうすることで実現に近づくし、ユニークなことができるのさ。仮にレシピみたいなものに倣っても、結局誰かと同じものができるだけだし、自分の視点でつくった方が良いでしょ。

デザインに夢中になるようになったきっかけは?

カイル友達を通してかな。ずっとアートのフィルムをつくりたいと思ってて。だからぼくにとっては、ストーリーテリングが重要なんだ。デザインもストーリーを伝えるための手段のひとつ。ストーリーを伝えるにあたって、フィルムが直接的なのに対し、いまやっていることは誰かの人生に入り込み、その人のストーリーの一部になるっていう感覚かな。

デザインソースや知識、もしくは古い本やアートだったり、アイデアの源はどこで見つけてくるんですか?

カイル正直言うと、友達からだよ。もちろんネットで本を買ったり、映画をたくさん見たりもするけど、結局は実際に接する人たちだね。ぼくよりスマートな人たち。何かに長けた人たちとか。そうやっていろんな分野のエキスパートと接することで知識を蓄えるんだ。でも、結局は何でも屋みたいな感じで、何のマスターでもないっていうね。多くのことを知ってはいるけどプロじゃないっていう。ただ、いろんなものを見てたいだけなんだ。

最近は多くのインディペンデントなストリートブランドがトレンドになっているけど、そういう状況についてどう思いますか?

カイルまずヘイトはしたくない。みんながいろんなものをリリースしているのはクールだと思うけど、同時に怖くもある。たくさんつくりすぎると、徐々に骨抜きにされていっちゃうというか。何かをつくって、それが当たると、やっぱりお金に走っちゃうことが多いと思うんだ。これは、メインストリームに限ったことではなく、小さなブランドにも言えることだよね。たくさんのブランドがあるなかで、いかに自分のブランドを他とは違うものにするかに興味があるよ。

トレンドは気にしないんですか?

カイルまぁグラフィックが乗ったTシャツをつくっているわけだから、イエスでもノーでもあるんだけど、やっぱり周りとは違うものをつくりたいよね。ビジュアルに関しても、巷で見かけるような若いキッズを起用したルックブックは嫌かな。

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違うことをしたいっていうのは、デザインやグラフィックに限ったことではないということですか?

カイルもちろん。アーティストの本をリリースしたって、別にキッズのことを気にしてなんかいないんだ。ぼくたちがおもしろいと思うからやるだけ。トレンドとは関係ないことをプッシュしていくよ。だからって、あえてクールじゃないものをつくるわけではないよ(笑)。ただ、自分たちが自分たちであり続けることが大事なのさ。

いまいちばん好きなアーティストは誰ですか?

カイル音楽で言えば、レディオヘッドのジョニー・グリーンウッドかな。彼はマスターだよ。レディオヘッドみたいな超メインストリームのバンドにいながら、いつだって新しいことにチャレンジしてるからね。だけど、映画『ジュヌン』でインドの人たちとコラボレーションしたり、映画のスコアを作曲したり、あらゆるレベルでチャレンジングな活動をしているんだ。レディオヘッドをやってる限り問題なく快適でいられるのにさ。彼がプレイしているのを見れば、いろんなことを試験的にやっているのがわかるよ。ディストーションペダルを使ったり、カオスパッドを使ったり、彼はいろんなことにトライするのが好きなんだろうね。しかもそれを長年続けてるっていう。あの人はヤバイよ! 見ていて本当に楽しい人だね。あとは、ニュージーランドのロバート・ロブソンっていうアウトサイダーアーティストにもハマってる。もしかしたら彼は知的障害を抱えているのかもしれないんだけど、作品がすごくオーガニックなんだよね。お金を稼ぐことなんて考えてないというかさ。100%ピュアなんだ。

ロサンゼルスでのお気に入りスポットは?

カイル「John & Vinny’s」かな。友達も働いてるし、ご飯は美味しいし、ファミリーみたいな感じで、雰囲気も最高さ。あとは「Virgil Normal」かな。エネルギーに溢れていて、コミュニティもある。ライブもよくやっているし。やっぱり周りを気にせず、自分たちが好きなことをやるっていうスタンスがいいよね。

毎日どんな風に過ごしているの?

カイル起きて、セックスして(ジュルズ/カイルの彼女が「よく言うわ!」)、ジーザス… そうセックスしてまた寝る。

(笑)。

カイルちゃんと言うと、仕事して、デザインして、ご飯食べて、スケートして、音楽聴いて…。まぁ13歳のキッズみたいな生活をしているよ(笑)。大人だけどキッズみたいな。変だよね。

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開催期間:4月28日〜

JOURNAL STANDARD 表参道
住所:東京都渋谷区神宮前6-7-1
電話:03-6418-7961(メンズ)

JOURNAL STANDARD 新宿店
住所:東京都新宿区新宿4-1-7
電話: 03-5367-0175(メンズ)

展開ブランド】
FUNCULT
ERASE PROJECTS
TALL CAN BOYZ
Tino Razo “Party in the Back”
Paradis3
Hardies Hardware
Onyx Collective
Kamil Abbas
Dime
BRONZE56K
など

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