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FEATURE|JOURNAL STANDARD meets Delicious vol.01 ジャーナル スタンダードが出会う、これまでにないほどインディペンデントなアメリカンユースカルチャー。

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JOURNAL STANDARD meets Delicious vol.01

ジャーナル スタンダードが出会う、これまでにないほどインディペンデントなアメリカンユースカルチャー。

ここ最近「ジャーナル スタンダード」の動向がおもしろい。元来、アメリカンカジュアルやスポーツ、アウトドアを主軸としたオーセンティックな印象が強かった同ショップですが、ここ数シーズンの展開には、新しい指針のようなものが見受けられます。特に、20周年を迎えた今シーズンはよりそれが顕著に表れています。実験的なルックブックの製作や、LAの音楽レーベル「STONES THROW」のポップアップショップ、映画『トレインスポッティング』の続編で『T2 トレインスポッティング』とのコラボレーションアイテムなど、良い意味でこれまでのパブリックイメージを裏切るような、刺激的なアプローチを行なっています。

そんな「ジャーナル スタンダード」が新たに仕掛けるのは、仙台のセレクトショップ「デリシャス(Delicious)」のショップインショップ。アメリカのインディペンデントなブランドを多数展開する今回の試みは、いずれもこれまでの「ジャーナル スタンダード」には無い新たな風を吹かせるもの。ここでは、その中から4つのブランドにフォーカス。つくり手へのインタビューをメインに、前後編に分けて紹介していきます。前編は〈ファンカルト(FUNCULT)〉と〈イレース プロジェクト(ERASE PROJECTS)〉です。

  • Photo_Asato Iida
  • Text_Maruro Yamashita
  • Edit_Jun Nakada

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左:カル、右:リック

カリフォルニア出身のリック、カル、タイによってスタートした〈ファンカルト〉。まだコレクション数は少ないながらも、独特なアンダーグラウンド感を持つデザインセンスによって、注目を集めている新鋭ブランドです。3月には〈ファンカルト〉を運営するメンバーにて、ショップ兼ギャラリースペースである「パッカード(Pakkard)」をLAのダウンタウンにオープンさせるなど、その運営戦略には一筋縄ではいかないユニークさが見受けられます。ここでは、オープン直前の「パッカード」にて、リックとカルに謎に包まれた〈ファンカルト〉の成り立ちに関して話を聞きました。

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まず最初に〈ファンカルト〉が誕生した経緯について教えてください。

リック〈ファンカルト〉がスタートしたのは2016年の6月、ぼくらのスタジオで始まったんだ。昔からカルト教団に関するビデオを山ほど見ていて、その中でも、とりわけジム・ジョーンズ(※1)に関するものが多かった。良い意味でも悪い意味でも、あれだけたくさんの人に影響を与えた人物だから、どれだけパワフルな人間だったんだろうってみんなでよく話していて。通常ネガティブな意味で使われるカルトっていう言葉を、自分たちなりに解釈して、グラフィックを通して表現しようと決めて、3人のティーンネイジャーのストーリーを紡ぐことにしたんだ。とてもタフな環境で育った3人には救いが必要だった。そして彼らはカルトに入団することにしたんだ、〈ファンカルト〉に。

  • ※1アメリカ出身のキリスト教系のカルト教団、人民寺院の教祖。

〈ファンカルト〉での皆さんの役割は?

リック僕はアートディレクターをしていて、デザインを担当しているよ。〈ファンカルト〉に関するヴィジュアルは全部ぼくがつくってる。カルはぼくらのストリートチームの一員で、経理担当だね。

カルぼくはマーケティングとクリエイティブディレクションを担当しているよ。

これまでのバックグラウンドについて教えてください。

リックいろんな仕事をして来たけど、常にデザインやフィルム、ブランドコンサルティングに関してはフリーランスとして携わっていたね。カルとタイと3人で〈ファンカルト〉を始めたのごくごく最近のことなんだ。

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3人が育ったエリアについて教えてもらえますか?

リックぼくはサウスセントラルの“ザ・ハンドレッズ”って呼ばれてるエリアが地元だよ。とてもラフなエリアで、悪いことをすることに重きが置かれて、学ぶことが軽んじられるようなね。カルは“ローンデイル”っていう、スケートカルチャーが盛んなエリアの出身。誰もがスケートしてるようなエリアだよ。

カル俺もリックと同じような感じ。服とスケートが癒しだったんだよ。

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どんなカルチャーに興味を持っていますか?

リックみんないろいろだよ。ぼくの興味もいつも変化していて、ある時はスポーツにとても興味があったり、またある時は世界の水不足に興味があったりっていう感じで。いまはカトリックにおける煉獄と来世について興味があるんだ。

カル俺もリックとよく似ていて、たくさんのことに興味があるよ。スケートはずっと興味の中心にあるけど、服、アート、建築、デザインには常にアンテナを張っているね。

お気に入りのアーティストは誰ですか?

リックデザイナーとしてはSK8THINGのことを、クリエイティブディレクターとしてはNIGOのことをとてもリスペクトしている。あとは、後期のマッシモ・ヴィネッリとディーター・ラムズはデザインやミニマリズムにおいて、大きな影響を受けたかな。

カルファレル・ウィリアムスはぼくたちに可能性を見せてくれたと思ってる。若い黒人の男だとしてもアイデアがあれば文化的な制約を飛び越えることが出来るってことをね。

夢は何ですか?

リック今現在が夢の中を生きている感じだよ。家具や服をはじめ、お店のすべてを自分たちの手でつくることができたりね! 〈ファンカルト〉があることで、自分たち自身をより表現しやすくなっているんだ。

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あなたたちが運営している「パッカード」はどのような空間なんですか? いわゆる、普通のお店ではないんですよね?

リック「パッカード」は、アートの展示スペースと店舗が一緒になった場所で、LAのダウンタウンにもうすぐオープン予定だよ(3月末にオープン)。自分の中にある情熱を、デザイン、カルチャー、アートを通して表現している。その一方で、色々なブランドも仕入れる予定で、バイヤーの業務も担当しているから、なんだかすごい経験をしているなって感じているよ(笑)。

〈ファンカルト〉の今後の予定を教えてください。

リックカットソー関連のアイテムをもっと増やしていくつもり。次のシーズンにはアクセサリーの展開も拡げたい。〈ファンカルト〉としてのイベントをもっと行って、ぼくらのストーリーをクオリティの高い服やグラフィックで表現していきたいと思っている。

次のページでは〈イレース プロジェクト〉について紹介します。
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