TAPERED:Masaaki Ida コンプレックスを克服できるようなフィットになっている。

井田正明 / スタイリスト
1986年生まれ、埼玉生出身。川村都スタイリストスクールを卒業後、スタイリスト・五十嵐孝智氏に師事したのち、2011年に独立。ファッション誌や広告、ブランドのカタログやランウェイなどでスタイリングを手がけ、カジュアル、フォーマル問わずに幅広く活動中。
ー井田さんは最近どんな気分で服を選んでいますか?
井田: そのときによってフレアパンツだったり、ワイドなパンツを穿いたりもするんですけど、最近はトラッドなムードが再燃していますね。だからこういうクラシックなデザインのパンツがいまの気分に合うし、これにシャツとニットを合わせたいなと思ったんですよ。


ーシルエットは「TAPERED」を選ばれてますね。
井田: そうですね。タイトなフィット感もいまの気分なんです。とはいえ、ぼくはサッカーをやっていて足腰がしっかりしているので、こういったスリムなシルエットは穿けるものと穿けないものがあるんですよ。
ーだけど〈アレリー〉のアイテムは穿けると。
井田: きれいなテーパードシルエットで、さらに腰回りとふくらはぎに圧迫感がないから細身なんですけど穿き心地がいい。ハイブランドのスラックスのようなシルエットの美しさと、フィット感のよさがありますね。
ーそれをシャツとニットでトラッドに合わせたわけですね。
井田: とはいえ、ストレートにトラッドを表現するんじゃなくて、「崩したい」っていつも思ってるんです。だからワークジャケットとウェスタンブーツを合わせて、あくまでベースラインはトラッドだけど、なんとなく70年代っぽい雰囲気をだしてみました。
ー色味がすごく綺麗だし、ワークやウェスタンの要素をミックスしているとはいえ、どこか色気のあるコーディネートになっていますね。
井田: そこは意識しましたね。ワークジャケットなんだけど、色味がワークっぽくなかったり、ウェスタンブーツもヒールがあって色気が出ているんだと思います。パンツとブーツの丈感のバランスも絶妙だなと。

ーパンツでブラウンのカラーを選んだのはどうしてなんですか?
井田: ブラウンをエレガントに着たいと思ったんですよ。個人的にも好きな色ですし、一般的に合わせるときはワントーンにしたり、黒とかベージュとか落ち着いた色で合わせることが多いと思うのですが今回は意外性のある色を組み合わせたくてブルー系をミックスしてみたんです。
ー王道的なコーディネートではなく、あえて意外性を持たせたいというのが、スタイリストらしいですね。
井田: 王道的なものをリスペクトしつつも、新しいことに挑戦したいという想いがあるんです。そうやってファッションを楽しむことで、つねに新鮮な気持ちでいられますね。
ーもし今回のパンツを穿いて別のコーディネートを組むとしたら、どんな服を合わせますか?
井田: 今回このパンツを穿いて、もっとデザイン性の高いトップスのアイテムを着てみたんです。それが結構合ってて、そうゆう服とも相性がいいだなと思ったんですよ。だからもっとモードな組み合わせにもチャレンジしてみたいですね。

ーそれはやっぱりパンツのシルエットが綺麗だからなんですかね?
井田: そうだと思います。ぼくはパンツのシルエットが気に入ると、それを軸にトップスで変化をつけながら毎日のコーディネートを楽しんでいます。それがこのパンツならできるのかなと。そして、さっきも話した通り、ぼくは足腰がしっかりしているから、パンツ選びは結構慎重なんです。このパンツも前提として、そうしたコンプレックスを克服できるようなフィットになっているように感じるから、誰でも穿きやすい。その上で、さり気なくシルエットがデザインされているから、穿いていて気分も上がりますよね。シンプルなんだけど、しっかりと計算されたシルエットが本当に魅力的だなと思います。