ー藤井さんはノーカラー好きですよね。
藤井:はい。基本的に僕は引いていくやり方なので。一方で、この切り替えとかはジョニオさんのアイデアです。
ーあとはジップがやっぱり特徴的ですよね。
藤井:最初に自分が作った作務衣はチャイナボタンでしたからね。
高橋:うちも〈シェパード(the Shepherd)〉で、ベルクロタイプのこういうのをやったんですけど、結局デザイン的な要素を減らしていかないと着れないのかなというのはあって。これはジップを開けてしまえばカーディガンっぽい雰囲気にもなるので、あんまり作務衣感が出ないんです。
藤井:開けて着るのを想定したので、フロントの重なりの部分はどんどん狭くなっていきました。
高橋:本当の作務衣は、もっと中で結んでっていう感じだけど、それをやってもねっていう。
藤井:そうなると、ずっと閉めてなきゃいけないってなりますよね。
ー閉じて着ても、開けて着てもいいやつですね。
藤井:はい。その絶妙な重なり幅がうまく出せたと思います。
高橋:あとは素材感のバランスですよね。脇に切り替えでナイロンを使ってますけど、どこに何をどれぐらい入れればいいのかという。
ータグには両ブランドの名前が並んでいます。ここもジョニオさんがデザインされたんですか。
高橋:そうですね。新たにデザインしてしまうと、なんだかわからないことになるんで、あまりいろいろなことをしないように。
藤井:こうやって見るとnとuをたくさん使ってるっていう、共通項がありますね。
高橋:こないだ(西山)徹と一緒にやったんだけど、グラフィックは徹がやってたのね。で、自分ではこれはやらないなっていう王道なデザインが、他の人に頼むと上がってきて、それが結構新鮮だったりするんだよね。
藤井:徹くんはうまいですよね。
高橋:そうだね、徹はグラフィックの天才だね。だから他社とやる場合は、他社のロゴを尊重する方が面白いものができるし、内容に合ったデザインになるんだよね。
ーあとはお二人が、日常的にしているスタイルのフォルムというかシルエットが似通っているというのも、共作するうえにおいては重要だったのかなと思います。
藤井:そうですね。身長も同じぐらいですし。
ー普段から〈グイディ〉を履かれているという共通点もあります。
高橋:そう、自分も実はずっと履いてるんですよね。おそらく10何年くらい。だからこのセットアップに合わせるなら〈グイディ〉だろうというイメージはありました。
藤井:ジョニオさんほど〈グイディ〉に向き合っているデザイナーは他にいないですね。そういうこともあって、パンツはブーツに合うようなものにしようという考え方でした。
高橋:少しだけマイナーチェンジしてね。
藤井:そうですね。キーポケットをつけたりして。
ーとにかくめちゃくちゃあったかそうですね。
高橋:はい、いいですよ、これ。
藤井:風を通さない素材なので、そこが便利です。
ーあとはコートもラインナップされています。