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性別や世代を超えて。 TANAKAが見据える 100年後の世界とは。
Between NewYork and Tokyo

性別や世代を超えて。 TANAKAが見据える 100年後の世界とは。

「NEW CLASSIC」「NEW STANDARD」「NEW ESSENTIAL」を標榜する、ファッションブランドの〈TANAKA〉。その言葉から連想される、どこか穏やかなイメージとは異なり、シーズンごとに迫力を増していく骨太なクリエイションにて、世界的に熱い注目を集めている俊英です。近年、日本では数多くのブランドが誕生していますが、そのなかで〈TANAKA〉は明らかに異質な輝きを放っています。今回、その光の源を探るべく〈TANAKA〉のデザイナーとクリエイティブディレクターの二人に密着取材を試みました。果たして見えてきたのは、ブランドそのものに宿った強い信念でした。

ー今回は〈TANAKA〉が大切にお付き合いしている工場を一緒に回らせていただきました。貴重な機会をありがとうございます。

タナカ:いえいえ、こちらこそ。メディアさんとご一緒するのは初めての経験でした。自分たちではちょくちょく行ってるんですが。

ータナカさんは拠点がニューヨークだと思うんですが、コロナで長いこと日本に来れなかったそうですね。

タナカ:そうですね。2年ぐらい。けど、クボシタさんが東京にいたのですごく心強かったです。

ークボシタさんはいつから〈TANAKA〉に参画しているんですか?

クボシタ:正式には2020年ですね。それまでは陰ながらサポートしていて、前職(ファーストリテイリング)を退職してから本格的に、という感じです。

ーブランドは18SSシーズンからということで、丸5年が過ぎようとしています。随分日本での展開も広がってきたのではないでしょうか?

タナカ:そうですね。ありがたいことに。

ーここ数年は日本でもしっかりと展示会をやっていますが、当初は欧米を中心に展開されていました。

タナカ:2019年からミラノのショールームとセールス契約しているので、必然的に取り扱い先も欧米が多くなりました。日本では22SSシーズンから正式なパートナーをつけてセールスも入って、という段階です。まだまだこれからですね。

ニューヨークで立ち上げられた〈TANAKA〉は、ニューヨークという都市に息づく多種多様な価値観、文化に大きな影響を受けています。あえて画一的な言い方をすれば、日本でものづくりをしている多くのブランドには、 素材への深い配慮、職人的な技術の具現化、そしてカンファタブルなイメージが見られます。〈TANAKA〉はそれらすべてに独自のフィルターをかけ、そのうえで自由でエネルギッシュでアーティでパンキッシュなムードを作り出しています。

そのマッシュアップっぷりがとても新鮮で、オルタナティブでした。それゆえに日本での展開に力を入れてわずか一年足らずで、「TOKYO FASHION AWARD 2023」を受賞したというニュースを聞いたときも、そこまで驚きはありませんでした。

ただ、いよいよ見つかったなとは思いましたが。


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