ー「TOKYO FASHION AWARD 2023」の授賞式には、タナカさん、クボシタさんのお二人で登壇されました。お二人はニューヨークでの〈ユニクロ〉に勤めていたときからコミュニケーションがあったわけですよね。
タナカ:はい。私がブランドを立ち上げるときにも相談をしました。
クボシタ:どういうブランドをやりたいのか、どんなブランドになっていきたいのかという話をしたと思います。キャリア的にも、失敗できないのではと。
タナカ:漠然となんですけど、そのときから〈リーバイス〉とか〈ヘインズ〉みたいなブランドになれたらとは思ってました。 その二つのブランドって、いつの時代にも合うようにモディファイしているじゃないですか。〈ヘインズ〉は肌着がよそ行きのTシャツになりましたし、〈リーバイス〉はワーキングウェアであったデニムがおしゃれ着になったわけで。
クボシタ:デニムは発明品だよね。
タナカ:そうそう。だから、ただジーンズやTシャツをつくるということではなく、 誰かの意志によって始まったブランドが100年以上続いていて、現代に合うようにアップデートし続けた結果、今では生活に必要不可欠なものになっている、そういうことがやりたかったんです。せっかくブランドを始めるのであれば、長く続くものにしたいなと。
クボシタ:ファッションとして消費されてしまうのが嫌なんです。
ーそれがブランドのステートメントである「これまでの100年とこれからの100年を紡ぐ衣服。 時代、性別を超えて永く愛される衣服。」に繋がっていくわけですね。
タナカ:はい。新しい価値観のもと、多くの人の新たな定番になるような服をつくって、そしてそれを長く持続させていくということが大きな目標です。クボシタさんは、最初にしたその話にすごく共感してくれました。
クボシタ:そう。すごくいいなと思って、それだったら手伝いたいなと。