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エリック・ヘイズの国内初の大規模個展『INSIDEOUT』。ハフがつないだHAROSHIとの絆は永遠です。
KEITH!!! FOREVER!!
ERIC HAZE×HAROSHI×田口悟

エリック・ヘイズの国内初の大規模個展『INSIDEOUT』。
ハフがつないだHAROSHIとの絆は永遠です。

いつの時代も世界中にストリートを出身とするアーティストが無数にいるなか、1970年代より活躍し続けるエリック・ヘイズは、揺らぐことのないレジェンダリーな存在。12月9日から開催中の国内初の大規模個展となる『INSIDEOUT』は、日本から世界へ羽ばたいたHAROSHIとの共演も実現し、大きな話題となっています。そんな両者をつないだのが、プロスケートボーダーでありストリートブランドの〈ハフ〉を生んだ、今は亡きキース・ハフナゲル。今回の共演への思いやハフとのエピソードなどを、自身もキース・ハフナゲルと親交のあった、スケーターであり〈チャレンジャー〉を手がける田口悟をインタビュアーに迎えお届けします。

キースがテーマのHAROSHIとのコラボは必然。

田口:そういえば、HAROSHIくんの作品をキースがオーリーで飛ぼうとしたら、傷をつけられて喧嘩になったという噂は本当ですか?

HAROSHI:いや、それは少し違っていまして、徳島県のスケーターのマロ(※近藤貴麿)が、ぼくの消火栓の作品にデッキのテールを当てこんで傷をつけたんだけど、それをキースがたまたま見ていて大激怒したっていうのが真相ですね。

田口:そうだったんですね。それは知らなかったです(笑)。それでは今回の展示についても教えていただけますか?

エリック:30年くらい日本には定期的に通い続けているけど、今回は新たなチャプターの始まりとして自分ではとらえていて、私自身の外側と内側にフォーカスした内容です。今の私は60歳を過ぎて、(オールドスクールな人間ではあるけれども) スタイルも考え方も昔から変わったのですが、常にフレッシュな感覚を持ち合わせていたいんですよ。だから必然的に、いまで言えばキースもテーマになるし、日本でやるならHAROSHIとコラボレーションをしようといった感じです。

HAROSHI:前から、何かタイミングがあればやりたいですっていうお話はさせてもらってたんですけど、今回このような機会で関われることがとても光栄です。しかもコラボレーションした作品で、田口さんや世界中のスケーターに協力をしてもらっているものがありまして、そちらはぜひとも皆様に直接見ていただきたいですね。

田口:そコラボレーションをした作品について詳しく教えてください。

HAROSHI:大きな円形のスケートデッキのコラージュ作品がその作品なんですが、最初はぼくのほうからエリックさんにスケートデッキを作ってくれって打診をしたんですよ。そうしたら3種類のデッキが送られてきて、 しかもその中に“KEITH!!! FOREVER!!”のメッセージが落とし込まれたやつがあったから、これはもう間違いなく世界中のスケーターに乗ってもらおうと思いました。そしてそれらを再度回収して、それぞれの傷だったりステッカーなどを考慮しながらコラージュをしましたね。

田口:こちらの壺とHAROSHIくんの代表的なモチーフである“GUZO“を上に被せた作品は、どうやって制作が進められたのでしょうか?

HAROSHI:実はこの壺、フリマアプリで販売されているものを使用しているんですよ。そこにエリックさんが直接ドローイングを施してくれたから、ぼくは“GUZO“を上に被せて、作品として完成させました。フリマアプリで安く売られているような、はっきり言って世の中的に価値のないものに手を加えて、新たな価値を生み出す。自分にとってのアートは、そういうものだと思っています。

エリック:さっきも少し言いましたが、このようなコラボレーションからも分かる通り、私はこれまでの枠組みとは違った形で挑戦を続けています。デザインにフォーカスしていた時にはこういった手書きのドローイングを、そのままをコラボ作品にするっていうマインドはなかったかもしれないですね。私の人生と仕事、その両面を体現したのが今回の大規模展示なので、タイミングが合う方はぜひ会場に足を運んでみてください。

こちらが今回のコラボレーションによる作品のひとつ。エリック・ヘイズによる手書きのレタリングと、“KEITH!!! FOREVER!!”のメッセージが落とし込まれたそれぞれのスケートデッキを、世界中のスケーターへ渡して滑ってもらい、そこで生まれた傷などを生かしてHAROSHIが構築することで3Dの作品に。

田口さんの元へ送られて使用したスケートデッキには、自身のブランドや友人のステッカーが。

こちらがもうひとつのコラボ作品。HAROSHIが用意した壺に、エリック・ヘイズがその場で直接ドローイングを施しています。壺のふたには、HAROSHIの代表的なモチーフである“GUZO“をオン。

今回のテーマである『INSIDE OUT』を落とし込んだ、新作の作品たち。一目でヘイズとわかる、星や矢をモチーフに記号を用いたファインアートと、今までの人生を振り返るように描きはじめた具象作品が並び、そのひとつひとつの作品はもちろん、そのコントラストを楽しむのもおすすめです。

〈ベアブリック(BE@RBRCK)〉とのコラボや、ヘイズとしてはレアな3Dの作品も展示&販売。

「ヘイズの部屋にしたかった」というように、Tシャツにクッション、グラスにピンズなど豊富なラインナップのグッズも販売。

INFORMATION

ERIC HAZE SOLO EXHIBITION 『INSIDE OUT』

会場:SAI
住所:東京都渋谷区神宮前6-20-10 RAYARD MIYASHITA PARK South 3F
期間: 2022年12月25日 (日)まで
時間:11:00~20:00
TEL:03-6712-5706
定休日:無休
Instagram:@sai_miyashita

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