〈タコマフジレコード〉の設立当初から付き合いがあるという〈ビームスT(BEAMS T)〉では、〈サッカニー〉と〈タコマフジレコード〉のコラボレーションモデル発売に伴い、初めてのポップアップショップを開催するという。それほどまでこのモデルに惹かれる理由とは。Tシャツとスニーカーの相関関係について、〈ビームスT(BEAMS T)〉ディレクターの桑原健太郎さんに話を聞いた。

桑原健太郎
1978年生まれ、北海道出身。02年にBEAMSに入社し「BEAMS SAPPORO」に勤務したのち東京へ異動となり、2012年から〈ビームスT〉のディレクターに就任。バイイングから様々な企画立案をおこなうだけでなく、1000枚以上のTシャツを所有するコレクターとしての側面もある。
いい意味で大人が真剣にふざけている。このスニーカーにもその遊び心がしっかりと込められている。
〈タコマフジレコード〉と〈ビームスT〉の付き合いはどのくらいになるんですか?
桑原2009年頃に知人を介して渡辺さんと知り合って以来ですね。渡辺さんはお酒が好きで、よく高円寺の飲み屋で色々な人と飲んでたりするんですけど、毎回プロレスのマニアックな話ばかりしています(笑)。普通はTシャツブランドって浮き沈みがあって、僕らはその浮き沈みをあらかじめ察知したうえで半年前からバイイングの計画を立てなきゃいけないんですが、〈タコマフジレコード〉のTシャツは常に安定して売れるんです。1シーズンに必ず1アイテムはヒットを出すし、特にプロレスや音楽、ビールといったモチーフのTシャツなどは常にヒット商品です。きっと自分が好きなものをモチーフにしているから説得力もあるんでしょうね。渡辺さんからよくリサーチの連絡が来るので、僕も「最近は地厚のボディでワイドシルエットなものがよく売れてて」といった具合に答えるんですが、最終的には渡辺さんの好きな形で上がってくるんですよ。いい意味でも流行を追ってないし、そこに対してキチンとファンがいるんですね。
スニーカーとTシャツはお互いに相性の良いアイテムのような気もします。
桑原その通りだと思います。僕らも以前に〈サッカニー〉とコラボレーションしたことがありますし、半期に一度のペースでスニーカーの企画やバイイングはやっていきたいと思っています。スポーツテイストをベースにTシャツをマッチングするアイテムを展開することで、よりショップの世界観を伝えやすくなりますし。今回も渡辺さんから〈サッカニー〉とコラボレーションするという話を聞いて、単にバイイングするだけでなく、この発売に合わせてポップアップショップをやることにしました。〈タコマフジレコード〉にとってはじめてスニーカーブランドとコラボレーションするだけでなく〈ビームスT〉でのポップアップショップも初の試みですし、はじめて続きの1年になるんではないでしょうか。
実際に仕上がってきたアイテムを見て、どうでしたか?
桑原スモーキーなスウェードにブルーのメッシュアッパーという、いい意味でも僕なら絶対に思いつかない配色ですし〈タコマフジレコード〉らしさがよく出ていると思います。〈サッカニー〉の“TACOMA JAZZ”は定番モデルがどう変わるか楽しみにしていましたが、現物を見てすぐにバイイングとポップアップショップを決めたほどです。もうひとつの“HOPS & BARLEY”もこのモデルできたか、という意外性がありました。〈タコマフジレコード〉はアウトドアとかフェスのイメージが強いので、よく考えればピッタリなモデルだなと思います。一般的にTシャツブランドは差別化が難しい側面がありますが〈タコマフジレコード〉はひとつひとつのアイテムにストーリーやエピソードがキチンと付いていて、他と比べても特徴が際立ってるんです。いい意味で大人が真剣にふざけてる。その遊び心が今回のコラボレーションにもしっかりと込められているように思います。
このスニーカーの履き方で、オススメはありますか?
桑原一般的に僕はスニーカーの色と服の色を合わせた方がコーディネイトが決まりやすいと思います。レザーシューズなどと違ってスニーカーは様々なカラーリングがあるので、色合わせのやりがいがあるんです。この〈サッカニー〉×〈タコマフジレコード〉のコラボモデルはどちらもアーシーなカラーリングなので、コーディネイトもしやすいと思いますよ。