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葵わかなと恒松祐里が話す、6年前と6年後のわたしたち。
路地裏てぃーん。特別編

葵わかなと恒松祐里が話す、6年前と6年後のわたしたち。

2016年にスタートした「路地裏てぃーん。」は、これまで77人もの蒼き才能を秘めた10代の若き表現者にフォーカスしてきました。今回の主役である葵わかなさんは1人目に、恒松祐里さんは4人目に登場した経緯があります。そして、二人は映画『くちびるに歌を』での初共演以来、無二の親友でもあります。そんな彼女たちに聞いたのは18歳の過去、24歳を迎えた現在、そして30歳の未来について。友達だから話せる、あんなことやこんなこと。

  • Photo&Styling_Yu Sugiura
  • Hair&Make_Yoko Fuseya(ESPER)
  • Edit_Shun Koda

笑わない18歳とニコちゃんマークの18歳。

まっすぐな葵わかなさんと、しなやかな恒松祐里さん。正反対な性格のようにも思える彼女たちの絆が、より固く強いものになったのは、大人と子供の狭間で揺れる18歳の頃。当時は先行きの見えない未来にネガティブなことばかり考えていたと振り返ります。そんなときに心の支えになったのが、他でもないお互いの存在。

葵:18歳かぁ。一緒に江ノ島へ行ったの覚えてる?

恒松:行ったね! 懐かしい。

葵:進路の話めっちゃしたよね。

恒松:18歳って高3だよね?

葵:うん。高校卒業後、進学するか、芸能の仕事を続けるか、みたいな話をしてた。

恒松:私はわかなほどではないけど、10代なりに、「今後どうやってご飯食べていくんだろう?」みたいなことを漠然と考えてた。進学もしなかったから、「仕事一本でやっていけるかな」みたいな不安を二人でよく話してたよね。

葵:あの頃、悩んでたなぁ。

恒松:当時は正解のないことでずっと悩んでた気がする。いまだったら、「悶々としてたって、意味がない!」ってスイッチを切り替えられるけど、そのときはそういう見えない未来に振り回されてたよね。

葵:そうだね。私はめっちゃ暗かったと思う、特に17、18とか。

恒松:悩み事があるとずっと考え込んじゃうタイプだもんね。

葵:うん。そのときも祐里に助けられた。というか、祐里にしか話せなかった。同級生に芸能の仕事をしてる子もいなかったし、仲良いからこそ、変な心配もかけたくないって思ってたんです。家族にもわかってもらえないこの感情は一体なんなんだろうって。それを祐里に話してみて、そこで初めて「この人は私と同じことを考えてるんだ」って思えて、すごく救われた。

恒松:そうかもね。解決できるわけじゃないけど、支え合えるというかね。楽しいこともそうだけど、そういう悩みとか痛みとかをお互いに共有し合って、矢印が太くなっていったんだろうね。

当時から撮影していた杉浦優さんは、お二人の印象についてこう語ります。

杉浦:二人とも鮮明に覚えてますね。わかなさんは、寡黙なイメージがありました。レンズとは別に、もう一枚フィルターがあるというか、あんまり心を開いてくれない子だな、みたいな感覚が少しあって。

恒松:18歳だもんね、特に壁つくってた時期じゃない?

葵:うん、たぶん当時はそうだと思う(笑)

杉浦:僕自身も、自ら撮影する企画の1人目がわかなさんの「路地裏てぃーん。」だったので、カメラでの意思疎通に慣れてなくて、どうしたらもうちょっと笑ってくれるかなって探り探りな感じでした。恒松さんは昔からスタイリングしてたので、ずっと明るい子ってイメージのままです。

葵:そうなんだ。

恒松:私も「路地裏」の撮影、覚えてますよ。地面に寝そべった記憶がある(笑)

杉浦:だよね、そうそう。懐かしい。でも最初がわかなさんだったから、「路地裏てぃーん。」の方向性が決まったんですよね。無理に笑ってもらわずに、ありのままの表情を残そうって。

さまざまな役柄を演じ、切磋琢磨し、成長してきた彼女たち。18歳頃といまの自分で「変わった」と思う部分はあるのでしょうか。

恒松:20歳を過ぎてから、より素直に話せるようになったんですよ。その辺は変わったかもしれない。あんまり思ってることを正確に話せるタイプじゃなかったので、それが変わったかな。でも、性格は変わってない。たぶん生まれてこの方、変わってない(笑)

葵:私も20代になってから、だいぶ明るくなったかな。自分に厳しくしすぎて結果苦しくなっちゃうみたいなところが、今もあるんですけど、昔に比べるとすこし柔らかくなったのかなって思います。

恒松:自分自身に優しくなれた?

葵:自分もそうだし、自分に優しくなって、他人にも優しくできるようになったと思う。

恒松:わかなの変わったところは本当にそれだよ。二十代になってお酒も飲めるようになって、本当に明るくなった。

葵:昔は繊細すぎて。ほんと扱いづらかったと思う(笑)。祐里は、逆に昔より繊細になった気がする。

恒松:そう思われてたんだ! でもそれは繊細なところを見せてなかったからかも。家族であっても自分は全部見せないみたいなタイプ。弱い部分は押し入れにしまっておくみたいな。

葵:そうだったんだ。

恒松:それをちょっとずつさらけ出せるようになってきたの。だから最近の私は繊細になったように見えてるのかも。でも、それを見せられるようになったことが、逆に自分の強みになってる。お芝居にも活かせるし、弱い部分を少しずつ出せると心がキャパオーバーになって爆発することがなくなるじゃん。昔の私は繊細じゃなさすぎたんですよ。最強すぎた(笑)

葵:根っこは今も変わってないけどね(笑)

恒松:そうなんだけどね、大元は変わってないんだけど、ちょっと人間に近づいたみたいな感覚。

葵:確かに!

恒松:ね!

葵:なんかもうニコちゃんマークみたいな感じだったもん(笑)

恒松:ニコちゃんマーク(笑)。ほんとそれ! いろんな表情をするようになりました。ぴったりの例えだね、今日冴えてるわ、わかな。

葵:ありがとう(笑)

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