好きだからこそわがままに。
―では、そろそろアイテムの話を。まずは〈エフエーエフ〉で、特に思い入れが強いアイテムはありますか?
Kazuho:家でプレイする人が多いと思うから、リラックスできるように、〈エフエーエフ〉で初めてパジャマをつくらせてもらいました。ちなみにスリッパとハットも同じ柄。『APEX』のロゴを使わせてもらいましたが、ロゴだけだとゲームっぽく見えないから、『APEX』をやっていない人でも着やすいと思います。
―キーリングもつくっていますね。
Kazuho:めちゃくちゃ気に入っています。『APEX』のアイテムで、どれかひとつだけ持つなら「フェニックスキット」かな、と思いまして。
―どんなアイテムなんですか?
Kazuho:HPとシールドを全回復してくれるんです。2個もいらないけど、1個は必ず持っておきたいアイテム。
松下:ゲームの中のものが立体物になると嬉しいですよね。
TEITO:すごい再現度。
Kazuho:もともと〈エフエーエフ〉でよくキーリングをつくっているし、ゲーム内で銃に付けられる「ガンチャーム」をモチーフにしました。
―クッションにもアイテムを落とし込んでいますね。
Kazuho:こっちは「シールドバッテリー」。シールドを回復するアイテムです。実寸大ほどの大きさにしました。
松下:これもいい。よく使うアイテムだから、3つくらいソファに並べてもらいたい。
TEITO:これも絶対に必要なアイテムだよね。
―〈ボット〉もスリッパをつくっていますね。
松下:かかとのデザインがナイス。踏みたくなっちゃう。
TEITO:オクタンというレジェンドのウルト(アルティメットアビリティ)は、高く跳べる「ジャンプパッド」なんです。それをかかとに配置されていたらおもしろいと思ってデザインしました。
Kazuho:キャップもいいね。
TEITO:キャップには、バトルロイヤルモードで1位を獲った時に表示される“CHAMPION”を刺しゅうで施しています。イメージしたのは、F1グランプリで優勝者が被るチャンピオンキャップ。
―『APEX』をやっていない人も被りたくなるデザインです。
TEITO:アパレルブランドとしてコラボレーションさせてもらうからには、ファッション好きとゲーム好きの両方に響くものがいいので、『APEX』をやっていない人も着られるデザインを意識しました。Tシャツのボディは、いつも〈ボット〉が使っているオリジナルです。
―Tシャツには、ホライゾンと息子が一緒に写っているグラフィックをセレクトしています。
TEITO:ホライゾンのイベントがあって、特定の場所に行くとムービーが表示されるんですよ。そこでホライゾンの過去を知れたのがすごくよかったから、息子のニュートンと一緒に写っているグラフィックを使いたかった。わがままを言って、なんとか使わせてもらえることになったんですよ。
Kazuho:そうなんです。〈エフエーエフ〉のロンTに使ったヴァルキリーの素材も、どうしても使いたくて、なんとか了承をいただくことができました。
TEITO:プリントは4色分解のシルクスクリーンにしてもらって、生産のほうでもわがままを言わせてもらいました。思い入れが強いTシャツです。
松下:特にこのTシャツは、運営する『EA』の方も舌を巻いていましたよ。これを起用するか!って。『APEX』は、キャラごとのストーリーも大事にしているので、アメリカ本社側の方々も気に入ってくれたみたいです。
TEITO:それは嬉しいです。
―クッションは『APEX』のロゴを使っています。
TEITO:クッションにしたらおもしろい形だと思いまして、ロゴのフォルムに沿ったクッションにしました。ディスプレイしてもいいし、プレイしていると腰が痛くなるから実際に使ってもいい。首にもぴったりフィットするんですよ。
―〈スペシャルゲスト〉のデザイナーも、「ゲームグッズとしてでなく、普段から身につけられるアイテムを目指した」そうです。
TEITO:並べてみると、〈スペシャルゲスト〉らしさが伝わってきますね。
Kazuho:ハンマーバッジがいいね。
―ハンマーバッジは、1プレイで与えたダメージに応じて獲得できるバッジ。
TEITO:〈スペシャルゲスト〉のグラフィックに、“スペシャルくん”というハンマーを持っているキャラクターがいるんです。それとリンクさせているんだと思います。
松下:このTシャツもグッときましたよ。
―キルされたプレイヤーの所持品が入っているデスボックスをデザインしたTシャツですね。
Kazuho:おれもデスボックスをデザインに使いたかったなあ。
TEITO:これも、わがままを言ったみたいですね(笑)。
―愛ゆえのわがままですね。
TEITO:開襟シャツもいいですね。オフィシャルグッズでアパレルをつくるとしても、開襟シャツはなかなかつくらないと思います。こういうアイテムこそ、アパレルブランドとのコラボならでは。
松下:水村もオフィシャルグッズにはないアイテムを期待していましたよ。
―このコラボレーションのプロジェクトを振り返るといかがですか?
Kazuho:実物を前にすると、嬉しさが増しますね。家でも外でも、自分が着たいものをつくれました。
TEITO:プロプレイヤーとか配信者も着てくれたら嬉しいですね。特に海外では、ファッションとゲームが交わっているから、どっちのファンにも響いてほしいです。なによりも、自分自身が楽しんだコラボレーションでした。
松下:この3つのブランドなら、ファッション好きからの反響は心配ありませんが、『APEX』ファンの反応は気になります。でも、絶対に喜んでくれると思うんです。デザイナーの3人が『APEX』をやっているからこそ実現したデザインとラインナップだし、『APEX』ファンが見ても「分かってるじゃん!」って思ってもらえるはずです。